前田が初出場でベスト8/全日本学生個人選手権

2013.09.17
 8月の関東学生個人選手権で一定以上の点数を取れた選手のみが出場できる全日本学生個人選手権。強風が吹き荒れる難しいコンディションの中での試合となった。明大からは男子の中村和音(理工4=森村学園)、前田悠帆(法2=東福岡)、女子の深澤菜見(文4=高崎商科大附)が出場した。

 男子のエース・前田は8月の関東学生個人選手権で優勝し、明大男子史上初のレッドバッジを獲得。舞台を熊本に移し、関東1位の選手として初めて今大会に臨んだ。しかし、構える弓が揺れ射った矢が流れる程の強風、初経験の五輪ラウンドなど慣れない試合環境により「足が震えるほど緊張した」。それでも持ち前の正確な射で1回戦に勝利。その後は緊張も解け「いつもの自分を取り戻した」と2回戦も勝利した。準々決勝では冨田(東海大)に僅差で敗れたが、初出場でベスト8の好成績を残した。試合後、前田は「自分の実力はまだこんなもの。またしっかり鍛えてまた来年挑戦したい」と先を見据えた。

 中村和は予選39位で昨年に続き予選敗退となった。予選の前々日の練習の際には「とても感覚が良かった」というものの、予選前日の公開練習では「イメージ通りに射てなくなってしまった」と調子を落とした。予選では、長距離の90mは「何とかごまかしでいつも通りの点数が取れた」が、点数が高得点で推移する70m、50mでは他の選手に差を付けられた。結局、決勝進出のボーダーまで7点差で予選敗退。中村和は試合後に「ものすごく悔しい」と今大会を振り返った。それでも「(同じく予選敗退に終わった)昨年は途中まで諦めてしまったところがあったが、今年は最後まで諦めずに射つことができた」とこの1年間での精神面の成長を実感した。

 最終年で今大会初めて決勝進出を果たした深澤は決勝1回戦敗退となった。前日の予選では合計1315点の高得点で全体3位。「昨日の予選が良かったので、決勝も良いとこまでいけるのではないかと思った」と自信を持って決勝に臨んだ。しかし慣れない強風と緊張の中で本来の実力が出せず、好成績を残すことはできなかった。それでも「(チーム戦を)引退してチームという支えがなくなった中で、よくここまで来れたなと思った」と述べ、最後の全日本学生個人選手権を終えた。

[森大輔]

試合後のコメント
前田

「初めて出た全日本学生個人選手権で、緊張しました。決勝ラウンドのセットマッチシステムは初めてみたいなものだったので、3本しか射てないのですが1射のミスも許されない状況で、本当に初戦は緊張しました。でも初戦は勝つことができました。2回戦からはいつもの自分を取り戻して、アーチェリーを楽しむことができました。ベスト8という結果に関しては、今のところ自分はまだこんなものだと思っているので、またしっかり鍛えて来年に挑戦できたらなと思います。今日はかなり風が強くて、狙っているときに手元が揺れるのはもちろんですが、飛んでいった矢が風で流されていったので良い射をしても外れるということがありました。風を読む練習はしたのですが、横方向の風は読みやすいのですが、今日多かった縦方向の風は読みにくいので、これからは縦の風を読む練習をしていきたいです。風を読む練習は八幡山でやりましたが、八幡山はあまり風が吹かない射場なので、他の射場に行ったりしました。今まで何回かこのような強風の中での試合もありましたが、風が強くて初めてのオリンピックラウンドで緊張しました。でも、風が強いからこそ、自分の射と向き合えたかなと思います。来週からまた試合が続いていくのですが、まず出場するターゲットインカレに標準を合わせて、今回の反省を生かしていきたいです。今日は久しぶりに足が震えるほど、緊張してしまいましたが、とにかく自信を持つことと流れを止めないことを、単純なことですが、それらを真剣に考えながら射ったら心が良い状態に落ち着いたので、次もそういうことを考えて射っていきます」

中村和
「今日の結果はものすごく悔しいです。悔しいとしか言いようがないです。昨年もそうだったのですが予選前々日に練習まではこの4年間の中で一番調子が良くて、今年は期待していました。しかし前日の公開練習のときにどうしてもうまくイメージ通りに射つことができなくて、それを本番まで引きずってしまいました。90mはごまかしで何とかいつも通りの点数を射てましたが、70mと50mは全員が点数を出してくるところでそこがカギだと自分でも分かっていましたが、ごまかしの射では点数が出ませんでした。それで点数が伸びず、ボーダーまであと7点というところで予選敗退してしまいました。悔しい結果でした。前日に調子を崩してしまった理由は分からないのですが、それを練習の中で見つけられてなかったのは、仕方ないですが、悔しいです。緊張という面では90mでいつも通りの点数が出て緊張は結構ほぐれましたが、70mからは強風もあり普通に射っても当たらないことが多かったです。点数を上げられなかったのは悔しいです。昨年も予選敗退でしたが、昨年と今年の自分で大きく成長できたなと思うところがあって、昨年は今年より60点ぐらい点数が低かったのですが点数ではなくて、精神力が強くなったなと思います。昨年は90mが当たらなくて、それでも挽回できる範囲でしたが、その後の70mの1エンド目で外してしまいその後は諦めてしまいました。でも今年は30mの最後まで諦めずに射つことができました。50mが終わった時点でボーダーとは6点差でしたが、インカレだとそこから逆転するのは難しいですが、諦めずに6点差を追いかけて最後まで射てました。結局予選敗退に終わってしまいましたが、その精神的な部分はすごく成長できたなと思います。大学卒業までの大きな大会はフィールドとインドアがありますが、自分は社会人になってもアーチェリーをやるつもりです。後輩たちの活躍も見届けたいですし、もし可能ならコーチという形で部に貢献していきたいです。社会人の選手として国体にも出場したいですし、無理かもしれないですけど2020年の東京五輪開催も決まりましたし夢ですけど五輪も目指して、これからも選手として活躍していきたいです。とりあえずフィールドとインドアでは優勝を目指します」

深澤
「今日の結果は悔しいです。この大会で予選を通ったことは初めてなのでそれだけでうれしかったのですが、勝てるものなら勝ちたかったです。昨日の予選が良かったので、今日も良いとこまでいけるのではないかなと思いましたが、悔しかったです。今日は強風の影響もありましたが、一番は緊張だと思います。私は夏が苦手みたいで、毎年夏に調子を崩していましたが、今年も引退してチームという支えがなくなったなかで、よく来れたなと思いました。これも経験かなと思います。これからはインカレインドアが出られれば、それが大学最後の試合だと思います。(優勝した2012年のような)注目の中でまた射ちたいです」

関連記事

RELATED ENTRIES