石田がベスト8入り!自衛隊の選手と互角の戦い/総合選手権大会

2013.09.17
 全国から実業団や自衛隊などで訓練している強者が集まる今大会。正真正銘、日本拳法最高峰の舞台だ。明大からは大石健作主将(文4=初芝立命館)、大貫洋平(文3=東海大相模)、石田圭吾(文2=大商大堺)、片山一騎(法2=大阪桐蔭)の4選手が出場。強豪の前に苦戦を強いられる中、石田がベスト8入りを果たした。

 石田は集中力を高めていた。1、2回戦は不戦勝で勝ち上がり、次の相手は昨年の同大会ベスト4の堀(第32普通科連隊)だった。「その人のことしか頭に入れてなかった」と堀を研究し、試合に臨んだ。一進一退の攻防が続いた。そして残り1分、会場がどよめいた。石田の胴蹴りが決まり先制、そのまま逃げ切った。「思うようにいって良かった」と納得のいく試合だった。続く4回戦は試合時間30秒を切ったところで組み技で1本を先取された。そのまま時計は進み、万事休すかと思われたが残り3秒、石田が魅せた。胴膝蹴りが決まり同点に追い付き、判定勝ちを収めた。準々決勝では「バテてしまった」と組み技で2本を奪取され敗れたが、ベスト8という見事な成績を残した。

 今大会の2回戦に懸けていた。大石は2回戦で同大会4連覇中の秋葉(第一普通科連隊)とあたる組み合わせ。「最初から全部出し尽くすつもりで臨んだ」と並々ならぬ想いで秋葉に挑んだ。しかし、組んだら終わりというような秋葉の威圧感に圧倒された。開始30秒で1本先取されると、その直後にも組み技で2本目を取られ完敗。その後、秋葉は5連覇を達成した。大石は「悔しい。上がいるということは自分たちももっと上にいける」と悔しい表情を見せながらも、更なる進化を目指す。

 自分の成長を確認できた。大貫は2回戦まで面突きで2本を取り順調に勝ち進んだ。だが「次の相手を意識しすぎて中途半端になった」と3回戦では激しい突きの打ち合いに敗れた。一方、片山は初戦は先に1本を奪われる苦しい展開。それでも粘りを見せ逆転勝ちを収めた。次の昨年3位の前川(洪遊会本部)との試合は「やりたいことが全然できなかった」と0―2の完封負け。しかし「どれだけ成長したかを確認した」(大貫)、「どんな相手でも向かっていけるようになった」(片山)と2人は大きな収穫もあった。

 最大の目標である府立まで約2カ月。「もっとお互いをライバル視してやってほしい」(大石)と府立連覇へ向け、盤石の態勢を整える。今大会での経験をチームの活性化に生かして、全員で再び頂点を狙いにいく。

[西村典大]

試合後のコメント
大石主将

「今日の2回戦のことだけを考えて練習してきた。大きくて重い大会だから学生で優勝するためにも絶対に勝ちたかった。2回戦は最初から全部出し尽くすつもりで臨んだ。研究も体力作りもこのためにやってきたが全部甘かったと思い知らされた。試合でもでももっとやれることがあった。自分は情けなかったけど後輩たちが頑張ってくれた。学生にとっては挑む大会で見えてくるものもたくさんあった。自衛隊なども前までは負けないようにと思っていたけれど、やはり上だから素直に目指していこうと思う。まだまだ伸びしろもあるから引っ張って行きたい。そのためにも今日勝ちたかったから悔しい。情けない。もっと上がいるということは、自分たちはもっと上にいけるということ。学生に負けているようではだめ。府立では7―0で勝てるように。今は誰がメンバー入りするかわからない状態だからもっとお互いをライバル視してやっていってほしい」

大貫
「1回戦は何もデータがなかったので、どれだけ対応できるか、自分がどれだけ成長したかを確認した。体重を増やして撃力を強くした。拳でどこまでやれるかを意識した。1回戦はいいリズムでいけたが、2回戦は相打ちが多かったので直さなければいけないところもある。3回戦では次の相手を意識しすぎていて中途半端になってしまった。成長を実感できた部分は多いが、体重が増えた分、自分の新たなスタイルを確立しないといけない」

石田
「この大会に出られるとわかって明治という名を背負っているので、簡単には負けられないという気持ちはあった。いつも以上に練習をしてきた。自衛隊の方がたくさん出ているので組み技の強化を重点にした。今日はその成果は出ていたが、最後にバテてしまってスタミナ強化が付いてこなかったと思う。不戦勝が2回続いて、次の相手が去年のベスト4だったのでその人のことしか頭に入れてなかった。色々と研究したりして思うようにいったので良かった。自衛隊の方と試合をしてここまで勝ち上がれたので、学生が相手なら負けられない。去年、府立で勝って追われる立場の分、負けられないし、自分は1年生から優勝して4連覇まで目指しているので、とりあえず府立の2連覇目をする」

片山
「高校以来の総合選手権だった。一般は力も全然違う。初戦は固くなってしまった。1本決められてそこからなんとかなったが、2回戦は自分のやりたいことが全然できなかった。合宿では基礎体力をつけた。まだまだだが、練習では自衛隊との試合もあって、どんな相手でも向かっていけるようになった。順調に調整できていると思う」