対抗戦初戦・青学大に完封勝利で好発進/関東大学対抗戦

2013.09.16
 序盤から付け入るスキを与えなかった。まず試合が動いたのは、前半6分。10mライン付近のスクラムを起点にフェーズを重ね、ラックから抜け出し突破したSH山口修平(政経4=佐賀工)からSO長石倉豪(営3=報徳学園)がトライを決め先制。その後も「クオリティーは低かった」(圓生正義主将・政経4=常翔学園)とはいうものの、スクラムとラインアウトを起点に攻め続けた。前半15分には、左奥のラックから、右CTB西橋誠人(商3=桐蔭学園)がトライを決め12―0。前半20分間は青学大を敵陣に釘付けにし、優位に試合を進めた。中盤に入るにつれ「自ら反則やミスで相手ボールにしてしまうことが多かった」(丹羽政彦監督・平3文卒)とペナルティーからタッチキックでの侵入を許してしまうが、BK陣のディフェンスが光りトライには結びつけなかった。追加点を奪いたい明治だったが、青学大のプレッシャーにBK陣のノックオンが目立ち苦戦。前半15分以降は、山口からのキックパスに合わせたFB村井佑太朗(政経3=秋田工)のトライだけに終わり19-0で前半を折り返した。

 後半は入りから攻めた。BK陣がテンポよくフェーズを重ね敵陣深くへ侵入。後半2分には、左奥のラックから長石倉が右方向へキックパスし、それに合わせた右WTB小澤和人(営4=国学院久我山)がインゴールに走り込みトライを決めた。その後、BK陣で攻めてくる青学大に対し左CTB佐藤滉貴(営4=札幌山の手)のタックルから青学大がノックオンするなど、課題のロータックルで攻撃の芽を摘む。後半20分には、自陣10mライン付近から左FL大椙慎也(法3=国学院久我山)がインターセプトしそのままトライを決め38-0とした。その後、エリアマネジメントに苦しむものの、試合を通じてタックルが冴えインゴールには近づけさせない。すると試合終了間際には、BK陣のサインプレーでゲインし、最後は左WTB紀伊皓太(文2=日川)がトライを決め45-0。終始青学大を寄せ付けず「FWの頑張りがBKのトライにつながった」(山口修平・政経4=佐賀工)とBK陣が勝負を決め初戦を白星で飾った。

 「0点に抑えて勝ったことは評価できます」(丹羽監督)とまずは青学大をノートライに抑えたことが、今後につながる好材料だろう。BK陣のハンドリングやセットプレーなどのミス等はあったものの「タックルの後もしっかり乗り越えてターンオーバーというシーンも増えてきた」(圓生主将)と春からの取り組みは着実に形になりつつある。次戦、成蹊大戦では、FW・BKともに圧倒し2戦連続での完封勝利に期待したい。

[阿部慎]

◆対抗戦 対青学大戦の先発メンバー&リザーブ◆
1.PR 勝木 来幸(営3=常翔学園)→17.牛原(後半25分) 9.SH 山口 修平(政経4=佐賀工)
→21.浦部(後半25分)
16 太田 竣介(商4=明大中野)←2.中村(後半32分)
2.HO 中村 駿太(商2=桐蔭学園)
→16.太田(後半32分)
10.SO 長石倉 豪(営3=報徳学園) 17 牛原 寛章(政経3=佐賀工)
←1.勝木(後半25分)
3.PR 塚原 巧巳(政経2=国学院栃木) 11.WTB 紀伊 皓太(文2=日川) 18 松波 昭哉(政経3=東福岡)
4.LO 東 和樹(政経2=京都成章)→19.田中真(後半15分) 12.CTB 佐藤 滉貴(商4=札幌山の手) 19 田中 真一(法1=国学院久我山)
←4.東(後半15分)
5.LO 寺田 大樹(文3=秋田工) 13.CTB 西橋 誠人(商3=桐蔭学園) 20 桶谷 宗汰(営1=常翔学園)
←8.圓生(後半15分)
6.FL 大椙 慎也(法3=国学院久我山) 14.WTB 小澤 和人(営4=国学院久我山) 21 浦部 岳之(法2=桐蔭学園)
←9.山口(後半25分)
7.FL 安永 賢人(営2=長崎北) 15.FB 村井 佑太朗(政経3=秋田工)
→22.田村(後半25分)
22 田村 煕(営2=国学院栃木)
←15.村井(後半25分)
8.No.8 圓生 正義(政経4=常翔学園)→20.桶谷(後半15分) 23 齊藤 剛希(商2=筑紫)

試合後のコメント
No.8圓生正義主将(政経4=常翔学園)

「青学大がディフェンスですごいプレッシャーをかけてくるのはわかっていたつもりなんですけど、そこに付き合ってしまった。もっとラインを深くして、入れ違いを狙っていけたりとかスキを狙っていけたと思うんですけど、そこはまだまだ修正能力が足らないと思う。一応(青学大を)シャットアウトできたというのは、大きいと思う。この結果をしっかり受け止めて、ディフェンスもアタックも今後につなげていきたい。(BK陣のトライが目立ったが)BK陣の意表を突いたキックパスという形でもトライが奪えるというのは、FWとしても楽なのでありがたい。FWはセットプレー、ラインアウト、スクラムのクオリティーがまだ低いので、今後の課題です。(ブレイクダウンは)乗り越えすぎた。ポイントに対してブロックする人間がいなくて、修平のところにもプレッシャーがいってしまったので、修正しなければならなかった。タックルは結構良かった。BK陣は頑張ってくれていましたし、タックルの後もしっかり乗り越えてターンオーバーというシーンも増えてきた。その部分も武器になりつつあるんじゃないかと思います」

PR勝木来幸(営3=常翔学園)
「勝てたのは良かったと思います。自分自身の課題でもあるスクラムも安定していました。どんどんディフェンス力も上がってきていると思います。一方で得点するということに関してはまだまだ改善していかなければいけないことがあるので、次の試合でもっと向上したアタックを見せたいと思います。個人的にはスクラム、ラインアウトといったセットプレーの精度を高めていく努力をしたいと思います」

SH山口修平(政経4=佐賀工)
「初戦として満足はしていないが、0で抑えることができたのは良かった。前半はエリアを取っていくことを意識したが相手も同じことをしようとしていた。エリアの取り方は負けていなかったがトライにつながらなかったことがもやもやした。もっと攻められる所があったと思う。ボールを動かしてラグビーをやっていこうと言っていて、FWが囲んだこと、セットプレーが安定していたこと、良いペナルティーがもらえたことなどFWの頑張りがBKのトライにつながった。しかしFWの頑張りでアドバンテージが出て、BKでいざ攻めようとなっても相手のディフェンスが前に出てくることにプレッシャーを感じてしまったのが点を取りきれなかった原因。ちょっとしたことのミスで終わってしまう のは良くなかった。また、自分の所でミスがあったりペナルティーがあったりしてゲームの流れを悪くしてしまった部分があったので、4年生としてみんなに迷惑をかけないようにしたい。エリアを取ることは春に比べてだんだん良くなってきている。BKの誰がAチームに入ってもそこに関しては取れていけると思っている。相手がどこであっても精度を高めて自分たちのプレースタイルを貫きたい。ただ、春の初戦で0点に抑えられ、出鼻をくじかれてしまった筑波大戦を思い返すとやはりそこに懸ける気持ちは強い。春の借りは返したい」

SO長石倉豪(営3=報徳学園)
「前半、相手がプレッシャーをかけてくるのは分かっていたが、それに対してみんなかっかしてしまって思ったようにプレーできなかった。ゲームとしては相手をシャットアウトできたので良かった。(BKが多くのトライを取ったことに関しては)ゲームプランとしてBKがエリアを取ってFWを前に出してFWが得点するという感じだったが、そこはBKが臨機応変に対応できた。自分自身としてはそんなに良くない。まだまだ精度を上げないとこのまま上で出れることは無理だと分かっているので、もっと練習していかないといけない。来週の成蹊大戦はシャットアウトして完封で勝つ。ゲームの入りで圧倒したプレーをしたい」

No.8桶谷宗汰(営1=常翔学園)
「本当に緊張しました。一番は、出るとコーチに言われてアップをしている時です。ディフェンスで抜かれたり、アタックでターンオーバーされたりといったミスだけは絶対にしようと心掛けていました。それでも、アタックでは抜いたと思ったところで止められたり、ディフェンスでは一発で倒せると思ったところで粘られたりとレベルの高さを感じました。これまで練習試合などには出ていましたが、対抗戦に入ってみて本当に大学のレベルはすごいと実感しました」