苦しみながらも白星発進/関東大学リーグ戦

 白星スタートだ。初戦の法大戦は「初戦ということもあり、(プレーに)固さがあった」(DF佐藤光主将・文4=白樺学園)と苦しい試合を強いられたが、第1ピリオド、第2ピリオドではFW大津晃介(法2=日光明峰)の活躍などで、3対1と2点リードで第3ピリオドへ。第3ピリオドでは、法大の怒とうの攻撃に明大が耐え切れずに1点を許してしまう。さらに、その後も法大に攻め込まれる場面があった。しかし、最後は何とか逃げ切り、見事に初戦を白星で飾った。

 この男の活躍が光った。思うように攻められない中で迎えた第1ピリオド中盤、明大に先制点を呼び込んだのはFW大津だった。キルプレー中のクリアパックを奪った大津は、ゴール裏から左サイドへと切り込みシュート。先制ゴールを明大に呼び込んだ。続く第2ピリオドでも、FW永井遼(営2=白樺学園)のパスを受け、キーパーの股を抜くシュートで2点目。同点に追い付かれた後の嫌な流れを、またも払しょくした技ありゴールだった。さらに、第2ピリオド残り2秒では、FW上野滉太(政経4=北海)が、弟であるFW上野峻輔(政経1=北海)からのパスを受け、そのままシュート。強烈なシュートは、ゴールネットに突き刺ささり、この1点が決勝点。第3ピリオドで、法大に1点差まで追い付かれるも何とか逃げ切り、勝ち点3を手にした。

 第1ピリオドは、白熱した展開となった。6分28秒、永井がスラッシングでペナルティを受け、試合開始早々からキルプレーに。1人少なくなった明大は、主導権を握った法大からの激しい攻撃に耐える時間が続いた。だが、そんな中でも11分36秒には、数少ないチャンスを大津が冷静に決め、先制点を獲得。その後は明大ペースで試合が進み、第1ピリオド終了まで、この流れで行くかと思われた。しかし、法大も黙ってはいなかった。15分10秒に「システムが上手く機能せず、いい流れで法大に攻め込まれる場面があった」(DF佐藤光)と法大にいい流れでパックを奪い取られ、キーパーと1対1の状態に。同点に追い付かれてもおかしくない場面だったが、そこはGK伊藤優人(商4=白樺学園)が好セーブ。何とかピンチを切り抜けた。

 法大を突き放した。第2ピリオドは序盤で相手のペナルティもあり、パワープレーで攻め込む明大が主導権を握った。しかし、再三チャンスを作るも最後の最後で決め切れない。そんな中、11分35秒に一瞬のスキを突かれ、岩槻(法大)に同点ゴールを許してしまう。その後は両者とも一歩も譲らぬ展開だったが、18分35に大津の技ありゴール。終了間際には「今日は勝つことだけを考えてプレーした」と上野滉がダメ押しとなる追加点を奪い取った。上野滉は、ゴール後にガッツポーズ。喜びを体全体で表現した。

 攻守が目まぐるしく変わる展開だった。第3ピリオドでは、一転して序盤から法大が主導権を握る展開に。明大もGK伊藤を中心に必死のディフェンスで法大の猛攻を防ぎ、迎えた11分28秒。フッキングにより末廣(法大)がペナルティを受けて明大が数的有利となり、形勢は一気に逆転。だが、4点目を取りに行くも、なかなか得点を奪えない。「法大にカットされ、自分たちのミスでやられた」(上野滉)と、逆に法大に1点を追加されてしまい、3対2。またも形勢が逆転し、法大が怒とうの攻撃を見せるも、明大のディフェンスを崩せず、試合はそのままゲームセット。苦しみながらも初戦の法大戦を白星で飾った。

 今年はサマーカップに出場し、優勝したことで「優勝したことは、選手たちの自信につながる。これからまだまだチーム力は上がっていくと思う」と藤井匡智監督。いい流れでリーグ戦初戦を迎えられた。しかし、初戦の難しさのせいか「今日の試合は100%の力を出し切れなかった。課題も多く、第1ピリオドではシステムが機能せず、法大にいい流れで攻め込まれる場面があった」(佐藤光)と課題の残る試合となった。それでも、法大相手に勝ち点3を手にしたことは非常に大きい。今日の試合の課題を克服し、「各自がコンディションを整えていきたい」(上野滉)と次戦の専大戦では、100%の力を発揮し、開幕2連勝といきたいところだ。

[加藤拓哉]

試合後のコメント
藤井監督

「なかなかやりたいことが出来なかったです。力が出せなかったゲーム。それでも勝ち点3を取れたことは今後につながると思います。大津が2ゴール取ったが、FWが機能しなかった。特に大椋などはもっと点数が取れる選手。なかなかチャンスがなかったというところ。(今夏に出場した)サマーカップでは優勝したが、そこを目指していたわけではない。チームをどう作っていくかの位置付けでした。反省点があったが、その中で優勝したことは選手たちの自信につながったはずです。これからまだまだチーム力は上がっていくと思います。今日の勝因は、ついていたこと。第2ピリオドの終わりの得点など。しかしもっと取っていなければならなかったし、最後も1点取られてしまった。体は動いていなかったが、負けたくない、最後まで全力でという気持ちが勝ちにつながったと思います。専大戦に向けては、コンディションを整えること。今日は半分も出ていなかった選手の力がどこまで出せるか。100%で試合をする準備が必要。FWが走っていいプレッシャーをかけること。今日は足が動いてなく、スピードがなかったですね」

佐藤光
「初戦ということでプレーに固さがありました。また、コンディションがあまり良くなかったので、100%の力を出しきれなかったです。でも、今日はひとまず勝てたので良かった。また、昨年はサマーカップに出てなかったのでリーグ戦の前半はなかなか勝てなかったが、今年は夏合宿で走り込み、サマーカップにも出場したことでいい流れできていると思います。(システムについては)今日の試合は機能していなかった。特に、第1ピリオドは全く機能せず、法大にいい流れで攻められる場面が多くあった。(2失点したことについては)攻めた後にしっかりと守りに戻ってくるが、マークに着けないところがありました。また、FWとDFの距離が離れてしまっていた。(今日の試合の反省を振り返り)これからは運動量はもちろんのこと、頭を使った練習をしていきたい。そして、次の試合では自分たちの力を100%出し切らないと、今日と同じような試合になってしまうと思うので、コンディションを整え、100%の力を発揮して次の試合も勝ちたいと思います」

上野滉
「チームとして、今日は半分も力が出せてない。3、4割といったところ。監督の言うとおり、動きは良くなかったです。でも、点を決めれたのは良かった。ただ3点取っても、4点目を取れなければ余裕を持てないです。(今日は)勝つことだけを考えてプレーしました。正直、今日の収穫は勝ったことだけです。第3ピリオドではカットされて、自分たちのミスでやられた。(大津が2点とったが)まだまだやってもらわないといけない。点を入れた後のプレーが良くない時がある。もっともっとできるはずです。コンディションは自体はいいです。(サマーカップが行われた)苫小牧とのリンクの差への対応にむずかしかったですね。東伏見は(苫小牧に比べ)軟らかいので蹴らないと前に進まないし、リンクの大きさも少し違うので、プレスの感覚もズレてしまい大変でした。その差を埋められなかったことで、相手にリズムがいってしまったと思います。でも、こっちのリンクに慣れていけば大丈夫かなとは思っています。(次戦)対専大戦は、1日オフで試合を迎えられるのはいい。各自がコンディションを整えること。勝ち点3を取り続けることだけを頭にいれて、試合に望みたいです」