女子800mリレー初優勝!住吉はメダル4つ/日本学生選手権(3日目①)

2013.09.10
女子リレー初優勝 
 大熱狂の中の逆転劇だった。3泳の神村が差を詰めて引き継いだアンカー住吉は、ただひたすら前を追った。50mのターンで先頭の東洋大に追いつき、体半分のリードを奪うと明大の応援スタンドは一気に盛り上がりを見せた。会場のボルテージが最高潮に達するなか、住吉はなんとか逃げ切ってタッチ。電光掲示板の「明治大学」の横に「1」が光り、会場がわっと湧いた。応援ベンチからは「おーおー明治ー」と大合唱が始まり、紫紺の校歌がプールに響き渡った。表彰台のてっぺんで4人の笑顔がはじけた。

 まさかの優勝だった。このレース優勝候補筆頭は、北島康介(アクエリアス)を育てた平井伯昌コーチが今シーズンから指揮をとる東洋大。「正直、良くて2番か3番だろうと思っていた」とメンバーも予期していなかった。それでも1泳関根理沙(営2=神奈川総合)がトップと1秒39差の6位でつなぐと、2泳藤井ひかり(法1=市立船橋)は順位をキープ。3泳の神村は、背泳ぎ専門ながら持ち前のスタミナを発揮し、後半じわじわと差を詰め3位でアンカーに引き継いだ。最後は今シーズン絶好調の住吉が勝負を決めた。まさに4人全員が全力を出し切った結果だった。
 初出場で初の制覇だ。思い返すのは前回大会。初めてインカレを経験した当時ルーキーの関根、住吉は大会最終種目の800mリレーをプールサイドから見て大興奮した。当時は女子部員が3人。4人で組むリレーには出場できず「来年は私たちも出たいね」と思いを馳せていた。それから1年後、二人は頼もしいルーキー二人と共に夢の800mリレーに初出場し、いきなり日本一になった。

 歴史的な快挙を成し遂げ須田邦明監督は「本当にとんでもない1、2年生だよ」と声を弾ませた。明治44年の創部から初の栄冠で時代は変わった。「私たちは私たちらしく頑張っていく」と関根。日本一を勝ち取り、明大水泳部にも「女子黄金期」という新たな時代が訪れた。

住吉100自で銀、メダルは4つ
 立て続けのレースも難なく泳ぎ切った。予選を1位で突破し、この日3レース目となった100m自由形決勝では、8月の世界選手権日本代表の内田(東洋大)に続く2位。前半50mで身体半分リードされた内田に対し、ラスト15mでじりじりと迫る強さを見せ、この種目2年連続の銀メダルを獲得した。直後に行われた800mリレーでは、1位を泳ぐ神大と0秒83差の3位で飛び込むと前2人を抜いてチームを初優勝に導いた。この日は4レースというタフな日程でも、最後に念願の「金」を獲得。今大会出場した4種目すべてでメダルを獲得し「正直全色そろうとは思ってなかったので素直に嬉しい」と笑顔を見せた。
 銀1つに終わった前回大会から1年。確実に成長した姿を見せた2年生は「次は4月の日本選手権に向けて頑張りたい」と既に次のステージを見ていた。