
苦手日大下し3連勝!全勝で日体大との大一番へ/関東学生秋季1部リーグ戦
キーパーが得点を許さなければ点は入らない。法大戦のラスト5分から、荻原はそんな活躍を見せている。「自分たちの簡単なミスから相手に速攻を許してしまうと、相手は勢いづいてしまう。そういうシュートをとめられたらチームとしては大きい」。そんなビッグプレーを今季荻原は何度も見せる。この試合でも後半何度も決定機が相手におとずれるが、驚異的なセーブを見せ相手を突き放すことに貢献。前半も決して悪い流れではなかったが、相手を離しきれない展開が続いた。そんな中で何度ゴールに迫られても絶対に流れを渡さない。まさに守護神のはたらきをした。安田祥樹主将(農4=藤代紫水)も「荻原さまさま」と笑顔で話すなど、荻原の貢献度の高さがうかがえる試合となった。ただディフェンス全体としては反省点も多く残る。特に「中央で相手に当たりきれない」(荻原)シーンが目立ち、そこから相手にシュートを許してしまっている。ここを改善しないことには、高い攻撃力を持つ元木をはじめとする日体大の強力な攻撃は止められず、明日の勝利も見えてこない。
攻撃陣では明大きっての2本柱、池辺大貴(政経4=藤代紫水)・堤由貴(営3=洛北)に次ぐ選手たちが活躍を見せている。ルーキーながら7得点を挙げた吉野樹(政経1=市川)はもちろんのこと、秋から完全にスタメンに定着した池田稔(農2=藤代紫水)の活躍は大きい。この試合、高い位置から当たってくる日大に対し序盤は苦戦。攻めきれない場面も何度も見られた。「前半はあまり効果的に動けなかったので、後半しっかり動けてよかった」(池田)と、特に後半以降、池田の動きにより日大ディフェンスを崩した。池田自身も何度も得点に絡む。特にエース池辺とのコンビネーションは完璧で、日大ディフェンスを完全に置き去りにした。池田は「全部池辺さんのおかげ。自分は何もしていない」と笑うが、確実にチームの起点の1つとなっている。
次はいよいよ王者日体大との試合となる。優勝を考えたときにどうしても倒さないといけないチームだが、勢いで勝てるほど甘い相手ではない。監督、選手が「日体大の速攻には気を付けないといけない」と口をそろえるように、日体大のウリは何といっても速攻。その速攻をうまく抑え、なんとしても日体大に勝利し、優勝の2文字を手繰り寄せたい。
[松井嚴一郎]
試合後のコメント
松本監督
「ディフェンスが前半ちょっとあれだったけど、後半よくなった。キーパーが先週に続いてよかったのもあるがチームとしてよくなっている。ただ控えは少し弱いね。やっぱり控えも強くなっていかないとずっとフルで試合し続けるのはきつい。変わった時にレギュラーと遜色なくプレーできる選手がもっと増えないと。結果は出ている。3連勝ということで雰囲気も含めてチームの状態はすごくいい。前半苦戦しても後半あれだけ離せる力があるのはいい。(日体大戦は)いかに相手の速攻を封じられるかだと思う。セットは去年までと違って向こうに絶対的なキーパーがいるわけではないしある程度取れると思う。勝敗のカギはやはり速攻。そこでどんどん取られなければ勝負していける。後は相手のエースの元木にある程度やられるだろうけど、今の荻原の調子なら止めるところは止めてくれる。勝たないと優勝はないので、しっかり準備をして臨みたい」
安田主将
「今日は結果的に勝てたことは大きいけどシュートが駄目。守るときに守る、細かいところをできないと明日の日体に勝てない。明日につながる試合をしたかったけどちょっと波に乗れなかったから勝ったけど悔しい。(前半は)ディフェンスができなくてシュートを打たれていた。引いてしまったので、前で当たることを意識して、最初の10分を意識して後半に臨みました。日体戦は走り合いでは勝てないので、守ってしっかりシュートを決める、自分たちのハンドボールをするだけ。秋リーグの順位、優勝争いにかかってくるのでどうしても勝ちたい。チーム一丸となって頑張る」
池辺
「前半ちょっとうちが抜けるが、なかなか点差が離れなかった。そこでもっとうちの流れにしないと、次のもっと強いところとやる時にやっていけないと思う。そこだけ気になった具合だがよかったと思う。日大のセットディフェンスの中でボールを持っていない人がよく動いていた。後半はかなり復帰したけど、一試合通してやっていかないとだめ。明日の日体大戦は大一番。でもやることは相手がどこだろうと一緒なので自分たちのハンドボールをするだけだと思う。気をつけることは相手の速攻が早いので死にものぐるいで戻ること」
荻原
「今日の後半は自分としては理想的なかたちでやれた。簡単なミスからくらった速攻をセーブできたのは、相手に流れを渡さないという意味でも大きかった。今日は日大の勢いがなく、うちが勢いに乗れている中での試合。いつもは日大の調子が悪くても、うちとの試合をきっかけに調子を上げてくるので、今回そうさせなかったのはよかった。春の上位校2つを倒したのは大きい。日体大に勝てば優勝も見えてくる。ディフェンスが当たれてないなど、課題はあるがとにかくいつも以上に動いてやっていく。日体大は速攻が速いので今まで以上に早くもどらないといけない。今のままではだめ」
堤
「日大はいつも相性の良くないチームだったが、ディフェンスで守ることができた。それでも前半は低い位置から打たれて13点も取られてしまい、それは多すぎたと思う。後半にはメンバーも代わってプレーできたので良かった。日大は高い位置で当たってくるのでそれに対応できるセットオフェンスを重点的に練習してきて、それはできたと思う。今季は3勝していてチームとしても良い感じ。明日の日体大は優勝のためにも絶対に勝たなければならない相手。チーム一丸となってやるしかない」
池田
「相手のディフェンスが3―3だったので自分が動かないといけなかった。前半は動けなかったが、後半はよかった。(秋から攻守両面での出場となって)間違いなく春よりは疲れるが、池辺さん・堤さんの2人に合わせないといけないし攻撃に苦手意識はない。以前はサイドに流れる速攻が多かったが、今季は中央で絡めている。速攻でも相手は池辺さんについてくるので、そこの裏を狙っていきたい。(日体大では)戻りとディフェンスに気を付ける。特に速攻が速いので、戻りは頑張らないといけない。(ディフェンスでは)となりが1年の吉野なので声をかけていきたい」
吉野
「春はスタートが悪かったけど、秋は盛り上げてやれている。春はチームの雰囲気も悪かったが、今はチーム状態もすごくいい。1年のミスは取り返してやる、と上級生に言われているので気持ちよくプレーできている。(中に切っていく動きは)ボールを止めないために浮いたりいろいろやった。(相手の当たってくるディフェンスは)無駄にドリブルをつかないようにしたけど、パスも出しづらくやりにくかった。日体大個々が強く、速攻も早いチームなので、早く戻ってバックチェックをしっかりやる。今日できなかった9メートルで当たるというのもしっかりやりたい」
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