金井、小林が完走 総合8位で終える/全日本大学対抗選手権

2013.09.06
金井、小林が完走 総合8位で終える/全日本大学対抗選手権
 難コースを攻略し金井誠人(法3=日大豊山)が12位、小林和希(政経1=祐誠)が30位と完走を果たした。紫紺を背負う一員として意地を見せた。1周14kmのコースを12周し、合計で168kmを走り抜ける今大会のコース。高低差が激しく、完走者は例年に比べて少ないと言われていた通り、完走者が出場選手の3分の1を切る中、明大からは2選手が完走。来年へ向けて収穫のあるレースとなった。

 予想のつかないレース展開だった。序盤から、須尭(京産大)、徳田優(鹿屋体大)、阿曽(中京大)が集団から飛び出し、3人の逃げが形成された。3周目でメイン集団から抜け出した6人の追走集団に鈴木快彰(政経3=横浜)が加わった。直前の合宿でも「絶好調だった」(西沢倭義主将・農4=北桑田)と、今回のコースを得意と話していた鈴木だが、9周目で逃げ集団に付いていくことができず。「脚がなかった」(鈴木)と集団の後方に回った。最後まで粘りを見せたが完走はならなかった。

 勝負を決めたのは最後の3周だった。序盤、中盤とメイン集団の中で安定した走りを続けた金井。10周目に差し掛かったころ、メイン集団から飛び出し逃げに回った。逃げた集団では前方に位置取り、そのまま捲(まく)って12位でゴール。昨年完走できなかった悔しさを晴らした。しかし「自分の運と力がなかった」(金井)と決して満足な走りとはならなかった。来年度主将を務めるにあたり「トラック、ロード両方でやっていける選手として残り1年間頑張りたい」と今後の抱負を語った。

 ルーキーが期待に応えた。前半はメイン集団の中で留まり、好機を探った。「アタックがあったときはきつかった」(小林)と中盤苦しい場面もあったが、メイン集団にしがみつき粘りを見せた。最終回、7分遅れのメイン集団の中で完走を狙い、ペダルを踏み続けた。初めてのインカレということもあり「プレッシャーもあった」と話す小林であったが、力強い走りを見せ明大2人目の完走者となった。

 4年生にとっては最後のインカレとなった。惜しくも完走とはならなかった西沢主将は「自分に怒られたこととか何か心に一つ刻んで、来年に生かしてもらいたい」と後輩に思いを託した。1年間の集大成となるインカレが終わり、新体制を迎える。これからの明大自転車部を引っ張っていく後輩に大きな期待が懸かる。

[橋本杏菜]

試合後のコメント
西沢

「結果的に総合8位だったが、目標は総合3位だった。ロードもトラックも予想よりも下の順位で、インカレはどこの大学も狙ってくるだけあって他の大会とは比べ物にならないくらい難しいと改めて感じた。(ロードレースは)終盤でペースが上がった時に付いていくことができず、完走した後輩の金井と小林に助けられる形になってしまった。自分は確実に完走を狙い、金井と鈴木快で上位を狙うプランでいったが、うまくいかなかった。この4年間でいい思いもさせてもらい、苦しくて投げ出したい思いもしてきたが、それがステージの変わったところで発揮できれば、この4年間はプラスだったと思う。自分は何もいい結果を残せなかったが、自分に怒られたこととか何か心に一つ刻んで、来年に生かしてもらいたい。自分たちの悪いところは見習わなくていいので、いいところをピックアップして来年再来年といいチームをつくっていってほしい」

金井
「去年は落車して完走すらできなかったので今年は完走できて良かった。上位入賞を狙っていて8位以内には入りたいと思っていたが、結果12位であと4人だった。自分の運と力がなかった。序盤、中盤は他の選手と話す余裕があったが後半はきつかった。ラスト3周で逃げ集団に乗れたので目標は達成したが、目標ではなくて結果を出さないといけない。来年から主将として部を引っ張っていくようになるのでトラック、ロード両方でやっていける選手として、そして今回初めて完走したのでこれを自信に残り1年間頑張りたい。今年が総合8位だったので来年は上位3位の中に入りたい。後輩たちもそれくらいの脚はあるので選手たちを生かして伸ばして来年の結果につなげたい」

鈴木快
「4周目にアタック合戦が何度もあり、それに対して乗ってしまった。アタック合戦があった後はペースが落ちるのが定番なので、決まるかなと心の中で思いながら乗ることにした。最初は8人くらいいて、最終的には4人から3人になりその時点でほぼ脚がなかった。それで最終的に降ろされてしまった。登りの時点でメイン集団に追い付かれて捕まったらちぎれるのは分かっていたのでなるべく最後まで粘って走っていた。最後に下ってもう一度登るところで足が振り切れて駄目になってしまった。また、下りが苦手なので、路面が濡れていて怖かった。周回を重ねるごとに感覚を取り戻してきて普通に下れたが、序盤の方は怖くてブレーキをかけていた。この先はロードレース・カップ・シリーズに出場していこうと思っているので頑張りたい」

小林
「上りがきつかった。自分はもともとクライマーなので上りは得意だが、実際上りが一番心配だった。合宿や八幡山で走っていたときは調子が良くなかったが、思ったよりも走れた。強い人をマークしてついていくようにしていたが余裕がなくて集団の中で精一杯だった。中盤、2つ目の上りでアタックがあったときはきつかった。最低完走という目標は達成できたが、もう少し上位でゴールしたかった。(インカレ)初年度ということでプレッシャーもあって、強い先輩のサポートがしたかったが自分で精一杯だった。完走できたことはうれしいが、正直入賞したかった。来年はもっと強くなって走りたい」