いよいよインカレ開幕!広島で「総合優勝」目指す/日本学生選手権

2013.09.04
エース平井彬15分切り&連覇へ
 昨年ルーキーながら1500m自由形を制した平井彬はこの種目連覇を狙う。初の日本代表として臨んだ8月のバルセロナ世界選手権では、15分03秒45で惜しくも決勝進出を逃す9位。
 世界のスピードを肌で感じ、経験値を高めた。今シーズンはしきりに「15分切り」の目標を口にしてきた。安定したラップを刻み、持ち前のラストスパートを効かせる本来のスタイルが発揮できれば、日本人2人目となる15分切り、そして14分57秒12の日本記録更新が見えてくる。ライバルの山本耕平(鹿屋体大)は世界選手権を逃した悔しさをぶつけ、7月のユニバーシアードで15分00秒15をたたき出す好調ぶりだ。前回大会以来、国内では負け無しの20歳はライバルとの直接対決で大会連覇を飾ることができるのか。
 平井とは普段から所属クラブで練習を共にする、昨年同種目2位の渡邊涼太(商3=市立船橋)もメダル争いに絡んでくるだろう。春先は体調を崩し調子を落としていたが、大舞台には強い。今年も平井彬と共にダブル表彰台を狙う。

ルーキー小日向、平井健も
 黄金ルーキーにも注目だ。5月のジャパンオープン。世界記録保持者の山口観弘(東洋大)が決勝進出を逃した200m平泳ぎで、五輪メダリストの北島、立石に競り勝ち初タイトルを獲得したのか小日向。このレースで一躍ニューヒーローとなったルーキーは「次は山口の隣で泳いで勝ちたい」と同学年で世界最速の男との直接対決に意欲をむき出しにしている。

 同じく200mバタフライ覇者の平井健も同種目で優勝候補筆頭。自由形でも高校記録を持つスーパールーキーは、高校時代から「リレー番長」と言われるほどリレーでの爆発力には定評がある。個人での活躍はもちろん、チームの総合力が問われるリレーでも期待が高い。千葉商大付高のルーキーコンビがチームの起爆剤になりそうだ。

昨年6位から目指す総合優勝
 総合力でも昨年に引けを取らない。激戦区の背泳ぎ陣には、主将の設楽俊太(政経4=八王子)、50m自由形でも力を持つ中塚健太(商4=諌早商)、バタフライとのダブル入賞を目指す矢澤隼人(市立船橋)、スプリント力に自信を持つ工藤優介(政経2=桐光学園)、今シーズン好調を維持している森谷駿(法2=名古屋)と多彩な顔触れがそろった。個人メドレーの鮫島渓太(商4=武南)、平泳ぎの安孫子拓郎(政経4=八王子)、自由形ロングの坂本和之(法4=太成学院大)ら4年生の爆発力にも期待したい。
 女子チームも8月の関東インカレで2部優勝を果たし、勢いがある。特に50m、100m自由形を得意とする住吉茉莉(情コミ2=成田)は成長著しい。今シーズンは7月のユニバーシアードで100m55秒台を準決勝、決勝で2連発し、自己ベストを更新。関東インカレでは50m25秒90で大会記録をマークし優勝している。自身初タイトルは間近だ。昨年100mチャンピオンの関根は今シーズン肩の痛みに悩まされているが、関東インカレでは「8割くらいは戻ってきている」と復調の兆しを見せている。思い出の舞台で完全復活を目指す。

 チームの目標は「インカレ総合優勝」だ。2強を形成する中京大、中大に比べ選手の人数では及ばない明大。近年安定した成績を残す、日大、法大などを含む上位戦線で戦うには取りこぼしのない得点加算が必要になる。設楽主将は「チームの流れ」が最大のポイントとし、大会初日の「50m自由形」がカギと話す。一昨年、昨年と2年連続でB決勝に進み、総合得点に貢献している吉澤太雲(営4=千葉県私立市川)を中心に、第一種目で勢いに乗りたいところだ。
 男女ともに戦力はそろった。第1回大会で総合優勝し、その後は第8回大会で二度目の優勝を達成してから長らく頂きを見ていない。「広島で笑おう」という合言葉でチームの士気は高まっている。古豪から強豪へ。水泳部の戦いが幕を開ける。

【奥村佑史】