7人全日本出場も、成績振るわず/東京学生体重別選手権

2013.09.03
 主力の不調が誤算だった。今季団体戦で主に大将を務めている重松賢太郎(商4=福岡大大濠)は2回戦敗退。副将を務めている山下大輔(商4=皇學館)は4回戦敗退後に代表決定戦に挑むも敗戦。そろって全日本出場を逃した。山下はあと1勝で全日本の出場権を得ることができたが、代表決定戦では終盤の4分5秒で内股を決められ一本負け。だが落ち込む時間はない。山下は「尼崎に照準を合わせて、体調管理をしっかりしていきたい」と、11月に行われる団体戦に向けて気持ち新たに再出発を誓った。

 新戦力の台頭だ。81kg級に出場した赤迫弘幸(政経3=延岡学園)は「思い切ってやれた」と言うように順調に白星を重ねる。しかし、全日本出場が決まって臨んだ準々決勝では「スタミナ切れを感じた」(赤迫)と振り返ったように、3分20秒で平井(東海大)に一本を取られ敗戦。ベスト4入りは逃したものの、今季から団体戦での出場機会にも恵まれている男がチームトップタイの成績を残した。

 4年生の意地をみせた。100kg級に出場した庄司博一(法4=山形工)もチームトップタイのベスト8入り。しかし「まだまだ」(庄司)とこの成績には満足していない。「(全日本では)2年生から出ていて、まだ2回戦に行けていないので、去年よりもいい場所を目指して頑張る」(庄司)。全日本では過去2年の雪辱を果たす。

 赤迫、庄司の他に、60kg級で宮澤大希(営4=足立学園)、66kg級で六郷雄平主将(政経4=愛知県私立大成)、宮下稜平(政経3=国学院栃木)、100kg級で高橋良介(政経4=愛知県私立大成)、100kg超級で寺崎達也(政経4=崇徳)が全日本出場を決めた。しかし、「日本一になれる力を持っている奴もいるので中にはこんなはずじゃなかったと思っている奴もいると思う」(猿渡琢海監督)と個々に課題の残る大会となった。ベスト8がチームトップと不本意な成績であることは否めない。4週間後に控える全日本選手権ではさらに上位を目指すため練習に励む。

[森光史]

試合後のコメント
猿渡監督
「結果的に7人の選手が全日本大会への出場を決めたわけだが、まあ優勝できる力を持っている奴、特に六郷と高橋は足りない部分があって負けるという結果で情けなかった。一方で寺崎なんかはケガをしていて実際に練習再開したのがここ一週間だったが絶対に勝ちたいという気持ちで戦い結果を残した。いい部分もあれば悪い部分もあった。今月末の全日本学生体重別選手権へ向けて調整したい。日本一になれる力を持っている奴もいるので中にはこんなはずじゃなかったと思っている奴もいると思う。もう一度自分の柔道をちゃんと完成させて稽古に励ませたい。(今回は1年生の出場者は秋元浩樹(政経1=足立学園)のみだったが)今の1年生の中で一番優勝できる可能性があると思ったから出場させた。他の1年生は出してもおそらく優勝できないし、全日本学生体重別選手権出場も厳しい。それなら同じくらいの実力を持つ3、4年生を出した方が気持ちの部分でいい試合をしてくれると思った。要はチャンスがあるかないか。1年生はまだチャンスがあるが3、4年生はもうチャンスがない。だからこそ気持ちが入っていい試合ができる。(六郷、高橋は)春の団体戦でも主力として使ってきた選手だし、それぞれ所属の階級に戻って力をつけたはずだし実際に強くなっている。今日六郷は油断があって負けた試合だと思う。髙橋は減量不足。要するに油断が敗因。巻き返せるものだと思うが、本人の気持ちにかかっていると思う。六郷は特に主将だし、もっと欲を持って次の大会に挑んでほしい。次の全日本学生体重別選手権では4年生の六郷、高橋、宮澤の3人は優勝できる実力を持っていると思う。突き詰めてもらいたい」

六郷
「技出しが遅かった。自分の柔道をしようとしていたが、できなかった。(原因は)まだ分からない。これから練習の中で見つけていく。(課題も)見つけていく。(全日本では)優勝狙って頑張ります。(チームとしては)もうちょっとみんな上に行くと思っていた。(個人名を挙げるなら)レギュラーの重松とか。(チームとしての課題は)個々が課題を見つけていくだけ」

庄司
「まだまだ。最後の4年生でいいところまで行こうと思ったが、かなわなかった。(全日本では)2年生から出ていて、まだ2回戦に行けていないので、去年よりもいい場所を目指して頑張る。名門明治の代表として恥のない試合をして、出られなかった人の分も頑張ります」

高橋
「負けた試合は自分の悪いところが出た。合いよつの組み手に対する研究ができていなかった。この大会で良かったところは、右に対する組み手の苦手意識は克服できたこと。とりあえず、全国に出れるのでもう1度やり直して頑張りたい」

宮澤
「減量がうまくいかなくて、ちょっとスタミナ不足だった。全日本学生体重別選手権の出場は決めることができたが目標としているところにはいけなかった。減量のやり方を見直していく。あとは技出しが遅いという欠点がある。技出しが遅くて今回負けてしまった面もある。全日本学生体重別選手権ではベスト8以上に入って講道館杯の出場権を獲得したい。今年で学生として柔道できるのは最後なので講道館杯に出場して終わりたい」

山下
「情けない。自分が弱いのが敗因。組み手で負けていた。(今大会の課題は)4回戦で、組み手で勝っていたのに投げられてしまったこと。一発に対応できなかった。決める技も必要。(今後の目標は)尼崎に照準を合わせて、体調管理をしっかりしていきたい」

赤迫
「今日は思い切って試合ができた。3回戦で金本(国士大)と当たる予定だったがケガで上がってこなくて運があったと思う。練習と比べたら試合時間は短いが、武道館という舞台にのみ込まれた。1日に5試合やるのは大学に入ってそれほど無かったからきつかった。最後の試合はスタミナ切れを感じたので、スタミナと精神力をつけたい。全日本には出ることができるが、一番下のランクなので、優勝を狙う気持ちで、少しでも強くなりたい。調子の良し悪しに関係なく練習で自分を追い込んで、ひとつずつ自分のものにしていきたい。全日本で優勝、上位入りするためにもそれなりのことはやっていきたい」

倉部愛一朗(商3=札幌山の手)
「できない技をかけてしまった。無理して技をかけようとしていた。(今日の目標は)全日本出場したいと思ったが、練習が足りなかった。1日1日真剣に練習し、試合に出してもらえるようになりたい」

三枝頌太郎(営3=日川)
「3年でラストチャンスだったが、生かすことができなかった。全日本に行って後輩に来年の枠をあげたかった。相手はサンボの世界チャンピオンだったので、寝技には注意していた。投げられて負けるとはという感じ。これからは後輩のサポートをしたり、チャンスがあったら頑張りたい」

玉那覇達也(政経3=沖縄尚学)
「力不足。それだけ。まず力負けしないように力をつけていく。(では課題は力をつけることか)その通り。(初戦勝てたのは)相手が弱いということもなかった。気持ちで頑張った。(体重別団体へ向けて)優勝できるようみんなで頑張る」

永田祐樹(政経3=鎮西)
「悔しい。思うように体が動かなかった。投げてくるのに対して、対処できなかったのが敗因。今日の試合の相手が強かったので、勝つことが目標だった。今後は組み手と、技のスピードをあげていきたい。これからの練習にはそれを意識して取り組む」

宮下
「負けた試合は自分が押していたのに、最後の最後一瞬のスキを突かれてもったいなかった。周りや監督からもお前は優勝できると言われていただけに、まだまだ甘いと感じた。(全日本出場権を得たが)ギリギリのところ。今回決勝で六郷先輩と2人でやって気持ちよく全国へ行くつもりだった。全国では六郷先輩と表彰台に立ちたい」

森田恭生(法3=萩)
「監督から技出しが遅いと言われた。投げられたときは集中し切れてなかったので、反応し切れなかった。返されるのにびびって、完全に崩してから内股をかけることができなかった。今年は全国大会に出れないので、来年は頑張りたい」

筒井恵弥(商2=崇徳)
「集中力が切れてしまった。調子がよくなかったのでしょうがない。全国まで行きたかった。(集中が続かなかった要因は)ケガとかでしっかり練習が出来ていなかった。(残っている他のメンバーへ)頑張ってみんな優勝して欲しい」

秋元
「次にまたチャンスをもらえれば頑張っていきたい。一試合一試合全力で戦って決勝まで行くのが目標だったが全然届かなくて、次はこの悔しさを糧にしていきたい。敗因は集中力のなさ。これを克服していき、次はこんなことにならないようにする」