
武政が準優勝 3人が全国へ/東日本学生個人体重別選手権
粘りの相撲だった。115㎏以下級の武政は初戦の柳原(日大)との対戦で突っ張りから一進一退の攻防を繰り広げ、激闘の末引き落としを決めた。ケガを押しての試合だった。2回戦で額に傷を負いながらも下手投げで相手を下した。3回戦では寄り切りで試合を決め、決勝トーナメントに駒を進めた。決勝トーナメントではすくい投げ、はたき込みと見事に決め勝ち上がった。決勝の諏訪(日大)との取り組みは押し合いから粘ったが、送り倒しで敗れた。
先輩も意地を見せた。100㎏以下級の岩本は押し出しで順調に決勝トーナメントへと進んだ。決勝トーナメントの初戦で上手投げを決められ敗退したものの力強い取り組みを見せた。無差別に出場した池尻は予選の押し合いを制し決勝トーナメントへ駒を進めた。決勝トーナメントでは由留部(日体大)相手に競り負けた。しかし、長時間にわたる取り組みを見せ、選手たちに勝ちへの貪欲さを見せつけた。他のメンバーも決勝トーナメントには進出できなかったものの健闘した。
今回の大会で得たものは大きい。「今日の辛抱は諦めないことにつながった。そして仲間がそれを感じてほしい」(小川清彦総監督)。気持ちが足りない選手がいると指摘した上で今日の大きな成果を確認した。次は全国大会だ。「個人も大事だがみんなが一丸となってやっていきたい」(池尻)とやる気は十分。古豪復活に向け大きな一歩を踏み出した。
[西村亮哉]
試合後のコメント
小川総監督
「全体としては執念に欠けていた。全員勝つという気持ちが少ない子もいて残念。3人がベスト8に残ったが、135kg未満級が1人も残らなかった。レギュラーが残らないといけない。一番に懸ける執念が足りない。岩本は練習不足で階級を下げたがもったいない結果だった。武政には優勝を狙えと言っていた。際どい相撲で負けている内容もあったが勝った。粘って勝てたのは成長だと思う。稽古ではあきらめて力を抜くこともあったが、押して我慢しろと指導した。良い物を持っているが出せないでいた。やはり稽古をしなければ。試合だけではできない。今日の辛抱は諦めないことにつながった。そして仲間がそれを感じてほしい。池尻はよく我慢して勝ち進んだ。ケガが多いがよくやっている。ベスト8が続いているのでもう1つ勝ってほしい。目標はインカレなので、今はその過程で経験をしている。みんなにチャンスがある。試合に出るまでは頑張り、出たら結果を残さないといけない。みんながそういう気持ちを持ってやってほしい。(決勝トーナメントに進んだ)3人を見て変わってもらいたい。個々もそうだがチームで勝つ、貢献したいという気持ちを持ってほしい。2週間後のリーグ戦は上を狙いたい。勝ち負けは紙一重だが、勝つには稽古しかない。自分に負けないで精進して稽古する」
守重佳昭監督
「十和田合宿が終わって休みのあとだったけど、夏の成果は出たかなという感じ。4年生の2人が力を出して、全国の出場権を取れたのは良かった。階級を上げた子もいるが、一階級上がるだけで一つ勝つのも難しくなる。体重別で順位を狙うなら体を軽くした方がいいけど、目指すのはインカレの優勝。重くて動けるのがいい選手なので、トレーニングは順調に来ていると言っていい。リーグ戦は9人制ということで難しい部分もあるが、数年前は3位に入っているし、少しでもそういうところに近づければ」
池尻
「もう少し力を出し切りたかった。悔しいと言えば悔しいが、前向きになれるプラスの結果だと思う。負けることで限界が分かったのでもっと精進したい。勝ちたかったがあきらめて負けたわけじゃない。チームとしては、自分もそうだがもっと上にいきたかった。上にいけるよう頑張らないと。下級生が伸びているが負けていられない。下が伸びることで上も伸びる。個人も大事だがみんなが一丸となってやっていきたい」
岩本
「最後の個人戦だと思って臨みました。就職試験日が重なってしまい、次の全国学生個人体重別選手権には出れません。初めから棄権するつもりでした。家庭の事情で練習を積めず、1週間前に稽古に戻りました。でも、最後ですしやってやろうと気合は入っていました。小学校1年生からやってきた自分の相撲が出せたと思います。今まで積み重ねてきたことが出せたと思います。3人が全国へ進むというのは、最近では見たことがない結果です。インカレでは後輩が中心になってくると思います。自分も出れるか分かりませんが、出ることが全てではありません。後輩に自分のやってきた積み重ねを少しでも伝えたいです」
武政
「後輩の力を見せなきゃいけないと思っていました。自分たちが盛り上げないとという思いでやっています。階級を上げました。守重監督から言われていた、やるべきことをやりたくさん食べたことで体重が増しました。2年生になって20kgは増えたと思います。階級を上げたことで人も増えましたし、スピードだけではなく力の重要性も身に染みました。昨年は優秀8選手トーナメントの初戦で負けましたし、リベンジしてやろうと思っていました。序盤に倒れこんだ際に、頭にケガをしましたが「手を付くな」というのは相撲の基本中の基本です。この結果を、インカレにつなげていくことができたらいいと思います」
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