残り2秒で筑波大を逆転し開幕2連勝/関東大学1部リーグ戦

残り2秒で筑波大を逆転し開幕2連勝/関東大学1部リーグ戦
 オーバータイムまでもつれながらも前節の開幕戦を白星で飾った明大。この日も残り2秒から安藤誓哉(情コミ3=明成)がフリースローを3本とも沈めてのギリギリの逆転劇を演じるなど、劇的な試合展開を見せ勝利をつかみ取った。

 スターターは安藤、中東泰斗(文3=光泉)、田中成也(文4=高志)、西川貴之(情コミ4=東海大附四)、皆川徹(営3=京北)。

 第4クォーター、残り2秒。明大の2点ビハインドの中、ファールゲームを仕掛けてくる筑波大から安藤がフリースローを獲得。会場中が息をのんで見守る中、安藤は与えられたスリーショットを打つ。3本とも決めた瞬間にいつもは冷静な安藤がガッツポーズを見せる。会場のボルテージは頂点に達し、大きな拍手につつまれた。この試合、アウトサイドからのシュートが決まらずに苦しんだエースが、最後の最後にやってのけた残り2秒での逆転劇だった。「塚本清彦ヘッドコーチにも勝負どころでは決めろ、と言われている。みんなからの信頼も感じているし、あとは決めるだけ。プレッシャーもあったが気持ちは前向きだった。負けたら戦犯だったかな」と振り返る安藤。塚本ヘッドコーチも「あいつはああいう場面を楽しめるやつ。(シュートは)入れると思った」と話すように、安藤の持ち前の強心臓ぶりが発揮された試合となった。

 しかし試合としては、安藤ばかりが目立った訳ではない。相手に13点差をつけた第3クォーター、西川が前半からの連続となる3Pシュートを決めて流れをつくれば、田中も負けじと3本の3Pシュートを沈めるなど全員が活躍。特に試合を通して1番の活躍を見せたのは皆川だった。「徹(皆川)が1番良かった」という塚本ヘッドコーチの言葉通り、ディフェンスに絶対の自信を持つ皆川は相手のエース武藤を抑え込み、試合を支配した。オフェンスでも持ち味である、素早い攻守の切り替えから起点をつくった。途中、何度かベンチへ下がるシーンも見られたが、皆川がいなくなることで、守備力は低下し、試合が安定しなくなったことは否めない。コートから出ることで逆に皆川の存在感が示されることとなった。「次の試合もディフェンスで相手に好きなことはやらせない」と静かに闘志を燃やす皆川。頂点を目指すチームが好調な滑り出しを見せた。

[松井嚴一郎]

試合後のコメント
塚本ヘッドコーチ

「(今日の試合について)第4クォーターに入ってエネルギー不足になってしまった。速攻を出させないようにしていたがディフェンスが崩れてしまった。第3、4クォーターのゲームをつかさどるところでリードすることができなかった。自分たちが見ているのは青学と東海。もちろん筑波も見てはいるが、今年の明治はここ10年でベストメンバーだから、次の中央、拓大に勝って東海と青学との連戦をどう戦うかを考えている。それまでにインサイドをどう使っていくか修正していきたい。(今日の選手たちについて)徹(皆川)ががんばってくれた。1戦目は固くなっていたが武藤(筑波大)をインサイドで抑えてくれた。誓哉(安藤)はアウトサイドが不調だが、ああいう場面を楽しめるやつ。誓哉で負けたらしょうがない。(ディフェンスが効いていた印象があるが)今はマンツーマンでどこまで抑えられるか。今日の試合では坂東と武藤をどう抑えるか問題だった。筑波が後手に回っていたので、今日は勝つことができた。(第4クォーターでのタイムアウトについて)2点リードしているところで取った。点差が縮まって、取るタイミングについては遅かったかもしれないが、試合の運び方を選手自身が考えるためにあのタイミングで取った。コンセプトは自立。第4クォーターでも安藤が残り8秒でどうするかなど、まだ1周目だから選手に考えさせるようにしている」

 
安藤
「第3クォーターで13点開いていたので、あのまま勝ちたかった。最後追いつかれて不利な状態で、たまたま僕がファールをもらえて、それを決めただけ。一時13点差をつけたのは意味のあること。あの点差まで開いたことで重たい空気がほどけたと思う。でも青学、東海を見据えたとき、あそこでもっと引き離せる力がないとダメ。青学も東海も入学してから一度も勝ててない。今年こそは勝ちたいという思いが強い。明日もやることをしっかりやれば勝てる相手。今日勝ったことでいい雰囲気で臨めると思う」

皆川
「(後半に少し走れていない場面があったが)疲れてくると自分を制御しきれないので、そういうことになってしまう。疲れていてもやらないといけないなかでどれだけやれるかが課題。ただ今は伊澤実孝(政経2=愛知産大工)がいるので助かる。自分と持ち味は違うが彼の得点能力の高さは参考になる部分も多い。お互いの良し悪しも分かっている。明日もディフェンスをしっかりやりたい」

西川
「(3Pシュートは)周りがスペースをつくってくれたので絶対に決めようと思った。第3クォーターの立ち上がりで、ここで離せればいけると思った。(素晴らしいブロックショットで会場を沸かせたが)とにかく相手のペースにしないために思い切り走った。がむしゃらに跳んだらたまたま当たった。この試合の前にはしっかりとスカウティングをして、相手をどう抑えるかを考えて試合に臨んだ。(ドライブが少なかったが)狙いすぎると重い空気になるので空いたら打っていこうと思っていた」

田中
「(2試合連続でのスタメンだが)3Pシュートでは最初の2本は自分のタイミングで打てず入らなかったが、第3クォーターの3本は自分の打ちやすい形で3Pシュートを決めることができた。ディフェンスでは要所で坂東に3Pシュートを決められたところは良くなかった。青学などのときにはでは自分が入るとサイズが小さくなるので、スタメンで使われることはないと思うが、健人(目)とうまく使っていくことになると思う。(ここ2試合接戦となっているが)まだ選手たちに硬い部分がある。点差が開くとみんなが消極的になってしまうので、点差が開いたときの戦い方を修正していきたい」

  

  

  

  

  

 

  

  

  

 

 

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

 

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

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