＜気迫あふれるプレーでチーム引っ張る＞

西川の豪快なダンクシュートに注目だ

　注目すべきもう１人の４年生は196cmのＰＦ・西川貴之（情コミ４＝東海大附四）だ。昨年のインカレからスタメンに定着し欠かせない存在となった西川。しかし、定着する以前は調子の波が顕著で、なかなかプレータイムをもらえなかった。その西川を変えた「気持ち」の持ち方、さらにラストシーズンの目標を探る。

「４年生だからという気持ちはない」
　ラストシーズンという気負いはない。昨年のインカレ、３位決定戦での西川のプレーは記憶に新しい。近大のソウに真っ向勝負を挑み、チームを奮わせた。その試合に勝利した明大は２年ぶりの３位入賞を果たし、一気に注目チームへと名乗りを上げた。

昨年のインカレ３位決定戦での西川の
ハッスルプレーは記憶に新しい

　昨年のリーグ戦、ケガの影響もあってなかなかプレータイムがもらえなかった。思うようなプレーができず、塚本清彦ヘッドコーチの怒声が飛ぶこともしばしば。インカレ終了直後には「かなりフラストレーションが溜まっていた」と振り返っていた。そしてインカレの３位決定戦、ソウと1対１で「攻めようという気持ちを持てば得点できる」と自信を得た。思い通りのプレーができず、失っていた自信を取り戻した瞬間だった。それ以降、西川は好調をキープ。「調子の波がなくなって、プレーにも余裕が出てきた」と頼もしい表情を見せた。

「自分の役割果たす」
　昨年からスタメンの変わらない明大にとって、今年は上位のチームを陥れることが目標だ。１年間同じメンバーでやってきたことでチームの考えは浸透している。西川にとっての役割は「速攻で走って得点を取ることとリバウンド」だ。
　今の明大は３Ｐシューターの目健人（政経４＝京北）やＰＧ（ポイントガード）ながら高い得点能力を持つ安藤誓哉（情コミ３＝明成）、高い身体能力で内外をこなす中東泰斗（文３＝光泉）とどこからでも得点が取れる。その中でも５月に行われた関東トーナメントでは、西川はチーム２位の得点を記録している。リバウンド数さえ増えていけば、チーム内での役割をリーグ戦でも果たすことができそうだ。

「ＮＢＬに声をかけてもらえるように残りのシーズンをプレーしたい」
　西川にとっての最終目標は、今年発足したＮＢＬのチームに入団することだ。196㎝の恵まれた体格でプレーの面でも成長した西川。このシーズンで実績を残すことができればＮＢＬ入りがまた一歩近づくだろう。

８月にはＮＢＬの東芝や三菱と試合を
行い経験を積んだ

　上位に食い込むためにはやはり青学大・東海大を倒せるかが焦点となりそうだ。西川は「気持ち」の持ち方を意識する。「フィジカルが強いので引いたら絶対負ける」からこそ、相手よりも強い気持ちを持たねばならない。西川にとって自信を取り戻すきっかけともなった気持ちの持ち方。強い気持ちで攻める西川には、昨年にはなかった頼もしさが漂い始めている。

[野田樹]