鹿屋体大に4-0、初の決勝へ/総理大臣杯全日本大学トーナメント

2013.08.16
  大阪長居で迎えたトーナメント準決勝。勝てば総理大臣杯で初の決勝進出となる明大。前半に3点、後半に1点を決め合計4-0と前試合に続き大量得点で快勝した。
 明大は序盤ゆっくりとしたゲーム展開を見せた。しかし前半12分試合が動く。髙橋諒(文2=国見)から藤本佳希(文2=済美)へのロングパス。藤本は相手DF2人に囲まれながらもトラップで一気に2人を抜くとなめらかな動きでシュート。先制点を決めた。点を決められ鹿屋体大の攻撃も激しくなり、前半13分にはゴール前でGK三浦龍輝(商3=FC東京U―18)と1対1と危ないシーン。しかし相手がスピードを緩めたスキに山越康平(法2=矢板中央)がスライディングを決めゴールを死守、その後の流れを作った。前半25分には髙橋が途中ワンツーをはさみながらハーフラインあたりからドリブル突破し得点を決めた。そのままの勢いで前半27分カウンターから有利な体制を作ると、中央の和泉竜司(政経2=市立船橋)から右サイドの梅内和磨(政経4=FC東京U-18)にスルーパス。これをしっかりと決め短い時間で連続得点し相手を突き放した。そのまま前半を3-0で折り返した。

 鹿屋体大は巻き返しを狙い、新しい選手を投入。しかし、後半20分ゴール前のパス回しから矢田旭(法4=名古屋グランパスU-18)の強烈なミドルシュートで得点を奪った。「あれで試合を完全に決めることができたと思う」(矢田)と、相手の心を折るシュートで試合を決定的にした。

 今大会、2回戦から3-0、5-0、4-0と大量得点かつ無失点で勝ち進んできた明大。しかし決勝で戦う流経大に対しては「永遠のライバルだと思っている。勝っても負けても選手の力を出し切れるような戦いがしたい」(神川監督)と油断はない。次は流経大との関東勢同士の戦い。7月のアミノバイタルカップの準決勝で勝っている相手だが油断はない。創部以来となる悲願の初優勝に向け決勝へと臨む。

[西村亮哉]

試合後のコメント
神川監督

「7月の天皇杯予選で負けた時に、あまりにも選手の力を引き出せなかった。だからこの大会に入ってからのキーワードは“リラックス”。リラックスして入って、交代する選手もそれぞれ持ち味を出して、最後まで引き締まって準決勝にふさわしい良いゲームをしてくれた。(準々決勝のあとに鹿屋体大を褒めていたが)今回も印象は全く変わってない。実に素晴らしい。たまたまうちがうまく、見たこともない髙橋諒のオーバーラップとか、ある意味神がかっていた。矢田のミドルもだが、相手からすれば一番グサッとくるところで決めてきた。しかもあれが決まるまでずっとパス回しをして、何回もやり直して相手を崩していた。あのようなことができるようになったのも成長。本当に鹿屋体大はいいチームだった。ただ、日ごろ関東で切磋琢磨(せっさたくま)させて頂いていることが今に生きているので、関東の大学の方にも感謝しながら見てました。普段のリーグ戦が厳しいからこそ、考える。二人三脚でやってきたことが結果に表れてるのではないかと。決勝に出るのも初めてで、90年以上の歴史があるサッカー部としては悲願。今までは勝負弱かった。本当に良くこの1ヶ月間で厳しい練習をした。ヴェルディ戦に負けたのが本当に悔しかったので。(ここまで無失点ですが)シュート本数は1本勝ってるくらいなのですが、ペナルティエリアにいれさせないような守備というのを徹底した。ほとんど相手は外から打ってるのですよね。
累積も出なかったのでベストメンバーで臨めますし、本当に万全な形で明後日のファイナルを迎えられる。それがうれしいです。
(相手の流経大は)永遠のライバルだと思っている。勝っても負けても選手の力を出し切れるような戦いがしたい。今まで明治が積み上げてきたことを、彼らがリラックスして出せればいいと思う。

小川大貴主将(営4=ジュビロ磐田ユース)
「夏にはイラッとするくらいきつい練習をしてきた。暑い時間にあえて練習をしたりしたのでこの暑さと中1日の日程は苦になってない。今年のスローガンが奪還でタイトルを取ることだけを目標にやってきた。予選の関東トーナメントで僕は出ていなかったけど優勝して、この大会も優勝に向けてチーム一丸になってやっていく。まずこの大会で優勝してリーグ戦後期も13連勝での優勝をして、インカレも優勝してすべてのタイトルを取りにいく。(決勝戦の相手流経大は)今年はいつもと違う。球際や運動量がすごくて組織的にやってくる手ごわいチーム。」

矢田
「立ち上がりに結構ボールを持たれて予想外だった。でもそこで失点しないで先制点を取ってそこから2点3点と点を取ることができた。ボールを持たれても守備が動じずぶれなかったので崩れなかった。これが今大会の無失点につながっていると思う。試合前から監督やコーチからサイドが重要になってくると言われていた、立ち上がりはサイドで攻め込まれていたが焦らずに守って、後半はかなり安定した。守備は1人でいっても意味がないのでチームでやる必要がある。自分の判断だけでなく周りの声を聞いてチームで守っていく。(4点目は)相手がかなり引いて守っていたのでそういう時はミドルシュートを思い切って打った方がいいと思った。そうしたらかなりいいコースにいった。自分でもびっくりした。あれで試合を完全に決めることができたと思う。次の相手流経大は明大らしいサイド攻撃ができればいいと思う。」

梅内
(今大会3得点について)今大会は特に調子がいいですね。今日の試合で一番良かったことは3点目が取れたことですね。
(ケガをしないことについて)今のまでしたことがないですね。それはいいことだと思います。今大会は個人というよりもチームとして優勝したいです。(ポジションについては)前はあまりポジションが関係なく自由に動かせてもらっています。」

藤本
「一点目を取れたことはとても良かったですし、チームが勝てて良かったです。いい形でチームに貢献できたことはとても良かったです。(一点目について)前半の早い時間ということもあって(髙橋)諒がひっくり返すようなボールを蹴ってくれて自分は何かあるだろうと思って走っていました。ディフェンスのミスもあってシュートを意識していたのでうまいこといきました。前半のいい時間でとれたのはチームとしてすごく良かったです。回される展開になることはわかっていたので回されても問題ないという感じで少ないチャンスを決めるというのがチームとしてできていたので良かったです。(和泉選手との連携について)竜司がボールに積極的に絡むタイプなので自分は前のスペースを作ったりとか、二人でシュートまで行ったり距離感を意識するともっと良くなると思います。(攻撃するときに気を付けていることは)絶対失わないということが条件。前向く時は前を向いて、自分の持ち味、前向いたときの仕掛けといったものの質を上げていかないといけないと思います。(次の試合に向けて)明治としても、出れないメンバーや応援してくれている人達のためにも絶対優勝しないといけないと思うので、あと2日しかありませんけど出来る限りの最大の準備をしていいコンディションで入って絶対勝ちたいです」