女子主将特集

2013.08.08
 今年も端艇部の夏がやってきました! 全国のクルーが戸田に集結し、8月22日~25日までボートのインカレが開催されます。明大端艇部の目標は男女総合優勝。悲願達成へ、選手たちは日々こいでいます。そんな端艇部を明スポは今年もWEB企画を通して盛り上げていきたいと思います。8回にわたる端艇部特集を、ぜひご覧になってください!

 第3回は女子主将の赤津杏奈(政経4=小松川)を特集します。今までのボート人生、最後のインカレに懸ける思いに迫ります。

 輝かしい実績を残してきた。1年次には全日本選手権で早大を破り2位、2年次ではインカレで優勝。3年時も全日本軽量級選手権で優勝を収めた。選手として実力を発揮する傍ら、女子主将、主務として部員をまとめる赤津は、端艇部になくてはならない存在だ。
 高校でも華々しい実績を残している。最後のインターハイで優勝を収め、早大からも声が掛かっていたという。早大といえば、近年明大がインカレで優勝を奪われている相手であり、レベルは高い。そんな中、赤津は「明治に行きたかった。レベルが高い選手の中に埋もれてしまうよりも、即戦力として戦いたかったから」と明大を進んだ。
 明大に入ってからは慣れない寮生活が始まったが、それも「高校では同期がいなくて1人だったから、楽しかった」と語る。寮生活では「私たちがしているのは、勝つための集団生活なんだということを教わった」という。普段の生活から、この人のためにこぎたいと思ってもらえるように、生活を通して信頼関係を築いていくことが寮生活の意味だと考えるようになった。
 1年の秋には全日本選手権で早大を下したが、その冬には腰を故障し、翌年6月までボートに乗ることができなくなった。部員がボートに乗って練習しているのを横目に見ながら、陸で走ることしかできない日々が続いた。「一時はもうコックスに転身しようかなと思うこともあった」と振り返る。つらい日々の中でも、できる限りのことをした。2年のインカレは、復帰後2か月で迎えた。「あの時期が無駄じゃないと証明したかった」。漕げることの大切さを知っているからこそ、どんな練習も大切にした。見事優勝を収め「少ない時間でも集中してやればできると考えるようになった」と、逆境も力にしてきた。
 一番印象に残るレースは、1年時の全日本選手権だ。乗ったのは舵手付きクォドルプルで、クルーは4年生と3年生の先輩だった。早大とデンソーに勝つことを目標に掲げ、1年生の赤津は練習についていくことで精一杯だったという。結果は、デンソーには差を付けられてしまったものの、早大に勝ち2位。「練習中先輩から何でこのボートに乗っているのか、よく考えてと言われた」勝利を後輩の赤津に体験させることで次世代へ望みを託した先輩の思いを感じた。これをきっかけに、赤津に目標が芽生えた。それは「明治のクォドのブランドを作りたい」ということ。「早大に勝たないと、私の使命は果たせない」。赤津は今年も、舵手付きクォドルプルでインカレ優勝を目指す。
 今年のクルーは赤津と小澤実央(法4=浜松湖南)、後輩の松岡結(文3=浦和一女)、冨田千愛(政経2=米子東)とコックス大竹結(情コミ3=明大中野八王子)。一昨年とクルーの学年構成が似ているため、おととしと比較して後輩に注意することもあるという。赤津は後輩2人を「食らい付こうとしてくれる子たちです」と語る。厳しい練習も、後輩への信頼あってこそだ。課題はスタートで出ること、気持ちで負けないこと。「絶対に勝てるだけ練習しないと。ダメだと思ったらやられてしまう」。
 優勝することで、今まで支えてきてくれた人を笑顔にしたいという赤津。「目標は、マネジャーさんにメダルをかけてあげることです」と笑顔で答える。支えてくれた人のため、後輩のため、自分のために。思いの全てを懸けてインカレへ挑む。