7月開幕ユニバ代表へ 最後の選考会行う/全日本大学選抜強化試合

2015.04.22
7月開幕ユニバ代表へ 最後の選考会行う/全日本大学選抜強化試合

 7月3日に開幕するユニバーシアード光州大会。神川明彦総監督が率い大会金メダルを目指す全日本大学選抜への生き残りを懸けた最終選考とも呼べる合宿が行われた。明大からは和泉竜司主将(政経4=市立船橋)、差波優人(商4=青森山田)、髙橋諒(文4=国見)、山越康平(法4=矢板中央)、室屋成(政経3=青森山田)の5名が参加。代表入りへ向け最後のアピールを行った。藤本佳希(文4=済美)も選出されていたが今回の合宿は辞退となった。

 最終選考の意味合いの強い合宿となった。しかし「選考、選考とわざと言っていた」(神川明彦監督)と強いプレッシャーがかかった上に、関東大学リーグの3連戦を終えたばかりの選手たちとあって強化試合は重い展開となった。チャレンジャーと呼べる選手が中心となった1・2本目には1本目に差波、2本目からは差波に加え髙橋、室屋が出場。今までの中心メンバーが主となった3・4本目では3本目に和泉、髙橋、室屋が出場。4本目はトレーニングパートナーとして帯同していた菊池創太(法4=國學院久我山)と伊池翼(商3=横浜F・マリノスユース)も出場機会を得た。1本目終了間際に失点すると2本目はスコアが動かず、3・4本目に得点が生まれ2―1で試合終了。2013年12月の始動以降「球際・運動量・切り替え」の3原則を徹底したチームづくりを行ってきた。2月末に開催されたデンソーカップチャレンジ広島大会でも3原則を中心に据えた試合運びで優勝。しかし今回の強化試合では3原則については「50点」(神川監督)と指揮官からなかなかの厳しい採点を受けることとなった。明大勢は目に見える結果は残せず、いま一つアピールに欠ける試合になった。

 「この試合だけで決めるということは当然ない」(神川監督)。今までの選抜での活躍、所属チームでのプレーも考慮され、登録される代表メンバー20名が決定するのは5月1日。膝の半月板損傷で今回の強化試合には出場していない山越や、合宿を辞退した藤本を含めた27名にチャンスがある。「最後の集大成なので金メダルは絶対に取りたい」(和泉)とユニバーシアードでの優勝を目標に今まで活動を続けて来た全日本大学選抜。明大から何名の選手が本大会行きとなるのか、注目が集まる。

[谷澤優佳]

コメント
神川監督

「今回3日間のキャンプのねらいはJOCへの最終登録の期限が5月1日に迫っているということで、20名しか登録させてくれないのでその20名を決めるキャンプ。初日はJOC主催のメディカルチェックを受けなくてはいけなかったので、先週の関東リーグは全員90分×3試合出ていたのでそれも考慮してメディカルチェックだけと練習を行わなかった。2日目は午前午後紅白戦を中心としたゲームを行った。今日の1・2本目がチャレンジという感じで3・4本目が割と長くこのチームでやってきた選手たち、コミュニケーションが割と取れているかなという選手たちで構成させてもらって、より1・2本目の選手にチャンスをというのを考えた。浦安さんの監督とも相談して浦安さんも1本目から3本目は浦安さんも割とレギュラーメンバーというか試合に主に出ているメンバーで4本目はちょっとメンバー変えてくると打ち合わせができていたので、1・2本目は力のあるチームに対してチャレンジャーの選手たちがどれくらいできるか。メディカルチェックは4月10日に3名湯澤と田上と中村、今回こちらに来ているメンバー27名が全員。藤本佳希だけは明日以降受けざるを得ないんですけれども、受けた27名にチャンスがある。その27名をこれからミーティングで20名と7名に分けるという作業がある。ただ、差し替え可能なリミットまではコンディションを確認しながら状況によっては選手を入れ替えざるを得ないので、今は27名全員に同じモチベーションでいてくれ、ここにいるメンバー全員がユニバーシアード代表なんだということを再度確認して今解散した。この試合だけで決めるということは当然ないので積み重ねとか所属でのプレーということも当然考慮してこれからスタッフとしっかり時間をかけて打ち合わせしたいと考えている。山越は膝の半月板損傷なんですけれども幸いそれほどひどいレベルではないとのことですので当然今のリストには入っている。ケガの経過を見ながら判断する。(今日の試合での3原則について)全然駄目。50点ですね。不合格ギリギリというところ。選手たち側の立場に立てばかなりコンディション的にきつかったのかなという印象。いろんな意味で苦しい状況だったと思う。しかも選考選考とわざと言ったのでどうしても重苦しい雰囲気になるのかなと。ただこういうプレッシャーを与えられた中で誰が払拭してくるのかなというのも見たかった。いつもプレッシャーをかけるんですけどそういう圧力に屈せずに自分らしさを出せる選手というのが最終的に代表で輝く選手なんじゃないかなと私は考えているので、そこも含めて今日みたいなときに出てくる選手は誰なんだと言うところで興味深かった。室屋なんかね、一回怒鳴ってたしね。やっぱりあいつは気持ち強いなと。クロス上げられたりしていたので調子自体はあまりよくないと思ったけれど気持ちは強い。最終的に5月6月のキャンプでチーム作りをしますけど、最後はやっぱり選手なので。優勝をもぎ取るのは選手なので、僕は2003年のテグで優勝を経験させてもらってますけど岩政という絶対的なリーダーがいてその右腕として戸川健太がいて、それをまたサポートする塩田だったり田中だったりというすごくチームのために動ける選手がいて、まったくもって一人一人の力は見劣りするにもかかわらず金メダルを奪い取って帰ってきたというのを経験している以上、このチームはそうであってほしい。私やスタッフが目立つのではなくて、選手がピッチで躍動するというチームをつくる。残り少ないですけどやっていきたいですし、実際選ばれたというところから一段階二段階チーム力が上がると思うのでそこを期待したい」

和泉
「選考というのもあるのでやっぱりコミュニケーションだったりは取らないってなりがちなので、でも一緒にやってきたメンバー多いのでここまでやってきた仲間なのでお互い尊重して。いろいろ進路とかチームの状況だったり個人個人のは多いと思いますけど、そういうところじゃなくて全日本大学選抜としてというのを考えるようにしていた。ここに来たら大学のチームとかは忘れないといけないと思うので、それを持ち込んでプレー引きずるのは駄目ですし。(日の丸というのは)簡単につけれるものではないですし大学選抜と言っても結局代表として行くので、勝たないといけないという責任はあるのでそういうのをずっとチームが始動してから言われ続けているのでプレーだけじゃなく行動だったり普段の過ごし方だったり、そういう部分はこのチームに求められていることだと思うのでそこは意識してやっている。力があったとしても結果を出せるというのは分からないし、相手も国を代表して来ますし本当に勝つのは簡単じゃないと思う。そういう試合を勝つには我慢強さだったりをこのチームに求められていると思うし、良さでもあると思うのでいかにそこで負けないか。技術とかよりも精神面とか集中力だったりそっちが大事になってくると思う。苦しい時に決めるというのが求められると思うし、そういううまくいかない時に何ができるか、良いときはみんないいとおもうので個人としてもチームとしても悪い時間帯の時に何をするのかとかチームでどう合わせていくか、そういうサッカーをするのかというのをもっと高めていかないといけない。日韓戦でも少し悪い時間帯の時に流れを切れなかった部分があったので、そこはこのチームが成長していかなくてはならないところだと思うので個人的にも試合の流れを読むとか、何が正解かは分からないですけどそういうのは上に行った時にも重要だと思うので個人としてもリーグ戦でも意識している。自分は常に向上心持って、向上心をなくすと上がなくなるのでもっとやれるという自信と向上心はずっと持っている。(ユニバへの思いは)全日本でやってきて本当に最後の集大成なので金メダルは絶対に取りたいですし、ただそこがみんなにとってのゴールではないのでさらに上に行くためにも金取っていった方が気持ちよく行けるし自分たちの自信にもなると思う。そこは金メダルにこだわってやっていきたい」