東海大相手に大金星 6位でリーグ戦を終える/春季関東大学男子1部リーグ戦

2013.05.24
東海大相手に大金星 6位でリーグ戦を終える/春季関東大学男子1部リーグ戦
 快勝とはまさにこのことだった。「サーブで崩しコンビでいく、明治らしい試合だった」(英大監督)と、終始主導権は渡さなかった。宿敵・東海大をストレートで制し大勝を収める。最終戦での勝ち越しに期待が深まる一戦となった。

大金星に喜びを爆発させた選手たち
大金星に喜びを爆発させた選手たち

 チームの結束力が得点に結びついた第1セット。立ち上がりは悪かったものの、中盤以降相手にスキを与えなかった。相手のスパイクミスから杉本匠(政経3=聖隷クリストファー)がサイドから相手コートを射抜く強烈なスパイクを放つ。「ずっと自分たちのペースを維持でき、1点決める度に雰囲気が上がっていった」(佐藤拓真・政経4=山形南)と、チーム全体が徐々に調子を上げていった。3連続ポイントを2回奪うなどで押しきり25―21で先制した。

 個々の活躍が際立った第2セット。序盤にリードこそ奪えなかったが終始勢いは止まらなかった。大塚陸主将(政経4=日本航空)がセンターからの時間差でブロックなしの無防備な相手コートに強烈なスパイクが決まると、前衛の選手のブロックが冴え、相手の攻撃を許さなかった。後衛でも瀧野頼太(政経2=創造学園)が相手のスパイクに屈することなく次々とボールを拾った。目のけがから2週間ぶりにコートに復帰した鎌田将人(法4=城山)も新貴裕(経営4=石川県工)のトスから速攻を決める活躍を見せ、25―16でいよいよ勝利に大手をかけた。

 このまま勢いに乗り、なんとしてでも勝利をものにしたい第3セット。2点リードで迎えた9―7の場面、佐藤がサーブにおいて1ローテーションで2回のサービスエースを取ると、チームのボルテージも最高潮になった。終盤追い上げにあうも「相手に攻められても自分たちのバレーがイメージ通りできた」(大塚)と、しっかり逃げ切り25―23で勝利した。

 「大学に入ってまだ1回も勝ってない」(大塚)と、ここ4年東海大戦で白星を上げられずにいた明大。「とにかく東海に勝ちたかった」(大塚)と全員の強い気持ちが、「大金星」へとつながったに違いない。「このまま良い雰囲気のままで、後味良く終わらせたい」(杉本)と意気込む次戦がリーグ最終戦となる学芸大戦。大きな一勝を胸に、最後を華で飾りたい。

[西尾健三郎]

試合後のコメント
英監督

「明治としては良い試合だった。ここ一週間の調子も良く、試合前の練習も良かったから勝てるとは思っていたが、ストレート勝ちだとは思わなかった。サーブで崩し、コンビでいく、明治らしい試合だった。負けるときのような試合はミスが多いが、今日はスパイクやサーブもミスはなかった」

大塚
「入学してから1度も勝てていなかったからうれしい。勝って本当に良かった。相手に攻められても自分たちのバレーがイメージ通りできた。1セット目中盤硬かったけど、そこを抜けられたのが大きかったと思う。サーブミスもあったけど、それは攻める気持ちが出たから。どの試合でも攻める気持ちを持ってやりたい。(鎌田が復帰して)やっと元に戻った感じかな。とにかく東海に勝ちたかった。今日の勝因は明治のバレーができたこと。(明日の最終戦)相手は学芸だけど、あっちも入れ替え戦のプレッシャーがなくなって勝ちにくると思う。最後勝ちで終われるように気を引き締めていく」


「今日勝てて本当にうれしい。初めて勝てたので。できすぎなところもある。常にリードする側でプレーでき、ミスもなく自分たちのペースでやれた。ミーティングでサーブミスをなくそうという話もあり、今日実践できて良かった。また、ベンチから下級生が声を出して盛り上げてくれたので気持ち良くプレーできた。今日の勝因はサイドが打ち切れて、粘って流れを引き寄せられたこと。明日勝てば勝ち越しなので絶対に勝って終わりたい」

鎌田
「東海に勝てたのは初です。素直にうれしい。(復帰戦でしたが)休めるだけ休めたからもう大丈夫。気持ちも身体も変わらず試合に臨めた。1週間で戻してくれたみんなに感謝している。今日は渉太(飯塚渉太・政経4=相馬)、杉本が打ち切れたのが大きかった。雰囲気も良かった。この調子で明日も3―0で勝ちたい。(明日最終戦)もっと勝ちたかった。やっぱり試合は雰囲気が大事だと思う。陸や新を支えて自分の役割を果たすことが一番。自分の結果何よりもみんなのために。今日の勢いのままで勝てるように頑張る」

佐藤
「入学して初めて東海大に勝てたので素直にうれしい。ずっと自分たちのペースを維持でき、1点決める度に雰囲気が上がっていった。時間差攻撃やサーブも効果的で自分たちのやりたいバレーができた。決めるべきところで決めることができて、一点一点の積み重ねで勝てた。(リーグ戦ここまで振り返って)前半は苦しかったが、後半段々良くなってきている。しっかり雰囲気をつくって今日の調子で明日の最終戦を勝って締めくくりたい」

飯塚
「とりあえず勝てて良かった。出だしは悪かった。サーブがとれていて良かった。(1番の勝因は)流れ。お互いがお互いを支えて良いチームプレーができていた。明日も勝ちます」

武田友和(文4=日向学院)
「今日は練習の成果が良い形で出せた。今のチームは4年が中心で、ちゃんと仕事できれば下もついてきてくれる。4年の意地を出せたと思う。次のリーグ戦や試合に向けて、リーグ戦は良くなかったからまずは今週2勝して、次の東日本インカレを良い形で迎えられるようにしたい。今日は集中力が切れることなく明治のバレーができた。セッターの新が崩れなかったことと要所要所でのサーブミスが少なかったから連続得点できたことが勝因。ベンチ外も応援頑張ってくれてる。明日でリーグ戦は終わるけど目標は日本一。課題も見えてくるだろうから、それを克服していくのが大事。明日も勝ちます」

杉本
「(今の気分は)最高です。今までは相手の大砲(エース)がいて、やられていたが、今年は大砲がいなかったから今年はいける。流れをつかんで勝てたのがうれしい。展開は序盤でどっこいどっこいで中盤で2、3点差で最後にうまく逃げ切れてうれしい。中盤でミスをなくして、逆にサイドとサーブができた結果だと思う。自分たちのミスは少なかったが、相手は反則やミスが多かった。そこをついて押し進んだ。学芸大は正直格下だが、良い雰囲気のままで、後味良く終わらせたい」

瀧野
「勝ててうれしい。ずっと勝てていなかった東海大戦だったが、勝てていないということは意識してなかった。今年はレベルが下がっているようだったのでチャンスかなとは思った。一人一人が仕事を果たせてたから、流れでゲームを運べた。明日にもつながるし、次の大会にもつながる良い形だった。流れがあったからどんなことをしても、うまくいく感じ。今日は一人一人が勝つという気持ちがあったからうまくいった。明日の学芸大には高校の時のチームメートがいるからスパイク拾いまくりたい。それで勝ちたい」

[学芸大戦]
▼5・19 学芸大戦(慶大日吉記念館)
 ○明大3{25―19、25―20、25―15}0学芸大

 有終の美を飾った。劇的な大金星から一夜「負ける感じがしなかった」(鎌田)とこの日も勢いは止まらなかった。学芸大相手にストレート勝ち。最終週にW白星を収め、6勝5敗とリーグ戦を勝ち越しで終えた。

 安定感を見せた。サービスエースがキレを見せ序盤から7―1と大きくリードを奪う。ところが「調子が悪くミスも多かった」(鎌田)とここから一気に連続ポイントを奪われ10―9と1点差まで迫られる。しかしこの日は落ち着いていた。鎌田に代わりコートに入った與埼風人(政経2=鹿児島商)がラインぎりぎりに突き刺すサーブで相手を崩し3連続ポイントを決める。応援席からの声援に大きな笑みで応えて見せた。そこから再び勢いに乗った明大は25―19と第1セットをものにする。

 続く第2セットも奪い迎えた第3セット。「楽しくできた」(新)と流れは完全に明大へ。飯塚、杉本のサイド攻撃が決まり、新が放ったしなやかで伸びのあるトスからスパイクポイントを重ね、「自分たちのバレー」(大塚)を展開。勝利を大きく引き寄せた。終わってみれば25―15と大差をつけ快勝。最終戦を気持ち良く終えた。

 約1カ月に渡る戦いが幕を閉じた。結果は総合6位。「優勝したかった」(大塚)と悔しさも残るが、優勝を果たした日体大に唯一黒星を付け宿敵・東海大から大きな一勝を勝ち取るなど、収穫もあった。「明治は必ず生まれ変わる」(佐藤)と誓い臨んだ今大会。そこには確かに、力強さとたくましさを持った選手たちの姿があった。コートの選手はもちろん「調子が悪くても一生懸命やってくれた」(大塚)とサポートに回った選手たちも一丸となり戦い抜いた。「(戦い方は)見えてきた」と結果以上の手ごたえをつかんだ。次なる実戦は約1カ月後に控える東日本インカレ。「良い結果を残して恩返ししたい」(杉本)。今回得ることのできた糧をどう武器へと変えるのか。チームの更なる成長が楽しみだ。

☆大塚、サーブレシーブ賞に輝く☆
 リーグ戦を通して特に際立った活躍を見せた選手に贈られる個人賞。明大からは大塚がサーブレシーブ賞に選出された。昨年に続き2年連続の受賞となった。

[長堀笙乃]

試合後のコメント
英監督

「勝ち越せて本当に良かった。ただ、メンタル面に課題が残ったから次の東日本につなげたい。個人的な目標は2敗だったので不本意な結果ではあった。一番辛かったのは2戦目の順大戦。序盤でブロックに捕まり、急に自信をなくしてしまったせいで厳しい試合になった。逆に良かったのは日体戦。負けてしまった筑波大戦から調子は良かったのでいけると思っていたがまさか勝てるとは。東日本ではベスト4に入りたい。そのために一つ一つのプレーを丁寧にやり、メンタル面を追いつめてもっと強くすることをこれからの課題にしたい。身長の高さでは勝てないので、サーブで崩し、つないでコンビで決める明治のバレーを追及していきたい」

大塚
「調子は昨日より良くなかったけど昨日勝って勢いがあった。相手に合わせないよう自分たちのバレーした。下級生やスタートじゃないメンバーが盛り上げてくれて力になった。いい方向に強気なプレーができたし刺激になった。自分たちのいい時は本気で優勝を狙えると思っていたし、いかに自分たちの調子のアベレージを上げれるかが勝負になると思った。一戦一戦しっかり標準を合わせていかなければならない。(戦い方は)見えてきたかな。レシーブのつなぎだったりアタッカーのフィニッシュや決定率を上げたりとか課題はまだまだあるけど、結局はいかにチームとして戦えるかだと思う。(応援は)力になった。調子悪くても一生懸命やってくれた。5敗したチームににも勝てたと思うし、逆に6勝はあわよくば取られたんじゃないかという中で、気が抜けない戦いだったと思う。満足できる結果ではないし、他のチームよりも1個抜き出たかった。4年にも反省はある。優勝したかった。(応援してくださった方々へ)明治の応援ありがとうございました。個々の能力は高くなく身長も低いチームですが、1部優勝目指して頑張りますので応援よろしくお願いします」


「今日は楽しくできた。相手のミスも多かったのでずっと自分たちの流れを続けられた。(リーグ戦を振り返って)出だしは悪かったので勝ち越せて嬉しい。東日本に向けていい形で終われた。これからの課題は自分の調子が悪いときでも勝てるようなプレーをすること。セッターは必ずラリー中にボールを触るポジションなので、調子の波をなくしていきたい。(応援してくれる方へ)ありがとう。それしかない」

鎌田
「昨日の勢いのまま戦えた。相手が良かったのもあるけどね。負ける感じがしなかった。調子も昨日より良くなくてミスもあったけど、流れをつかんで連続ポイント取れた。(結果は)納得できない。自分は抜けちゃったのもあるけど良くなかったし、もっと勝ちたかった。練習でできたことが本番で出せなかったのが一番悔しい。難しいけど気持ちの問題だと思う。(戦い方は見えてきたか)コンビバレーって感じ。4年生が多いのは心強いし力になる。もちろん下級生の力も必要だけどね。練習から一体感を意識してみんなでやろうと決めていた。応援してくれたのに下にいるメンバーが応えられなかったのが申し訳なかった。(今後に向けて)できていたことができないのが一番悔しいし実力を出し切りたい。何かで1位になります。優勝したい」

佐藤
「反省点も多い試合だったが、結果として勝てて良かった。流れは良かっただけにもう一点とりにいく気持ちを強く持って、相手を圧倒させられたらもっと良かったと思う。リーグ戦の途中で落ち込んだ時もあったが次につながる形で終われた。自分たちがやらなきゃいけないことは分かっていたので反省もあるが、夏に向けてこれからやっていく。応援は毎週本当にありがたく、とても力になった。これからもよろしくお願いします」

飯塚
「今日は相手のミスを自分たちの得点にできなかった。前半戦は気持ちが違ってて、その差が勝敗の差に現れたと思う。1番辛かったのは中大戦。逆に1番良かったのは日体大戦かな。自分たちのバレーができて、練習通りのバレーができた。東日本インカレの目標は優勝だけど、自分たち1人1人がやることやらないと、またパッとしない結果になってしまうと思う。見に来てくれた人が楽しんでくれるようなバレーができればいいと思います」

武田
「みんなのおかげです。東日本インカレは最低でもベスト4。出だし悪かったし、精神的な脆さを露呈したけど、最後には克服できた。前半戦は辛かったけど、やっぱり日体大に勝ったのは大きい。今日は楽勝だったけどね。本当、いつも応援してくれる人に感謝してます」

岩田侑也(理工3=芝)
「「(リーグを通して)途中悪かったが盛り返せて良かった。このまま後の大会に繋げたい。(勝ち越して)ホッとしたがまだ勝てる試合はいくつかあった。(東日本インカレに向けて)もっと精神面を強くする」

杉本
「今日は気楽にプレーできた。(5敗したが)勝たなきゃいけない相手もあった。勝ち越せたから最低目標はいけた。ラリー中はとりあえず慌てないで、焦らずボールを運ぶようにした。このリーグを振り返って、初戦の早大戦を勝てたが、次の順天大で負けてしまったところからずるずると負けを重ねてしまった。後半はチーム一丸となって戦えたから東海大、日体大に勝てたのは良かった。4年生が主体のチームになっているから2人の下級生が引っ張られるのではなく、積極的に声を出して、盛り上げチームを作りたい。(応援してくださった保護者や監督コーチに一言)不本意な結果になってしまったから東日本インカレで良い結果を残して恩返ししたい。応援よろしくお願いします」

瀧野
「目標は優勝だったから結果に満足はしていない。試合中ラリーが続いてもいつも通りプレーした。リーグを通して課題がいくつか残った。(先輩に頼るばかりでなく)下から引っ張るくらいで頑張りたい。(応援してくださった保護者や監督コーチに一言)東京にわざわざ応援に来てくださってありがとう」

粘り強いレシーブでチームを支える瀧野
粘り強いレシーブでチームを支える瀧野
攻撃の要となった杉本
攻撃の要となった杉本
苦しい時こそチームを盛り上げる鎌田
苦しい時こそチームを盛り上げる鎌田
力強いサイドの要・飯塚
力強いサイドの要・飯塚
厚い信頼を寄せられている佐藤
厚い信頼を寄せられている佐藤
強いリーダーシップで個性豊かなチームをまとめる大塚(右)と杉本
強いリーダーシップで個性豊かなチームをまとめる大塚(右)と杉本