女子舵手なしクォドルプルで優勝/ 全日本軽量級選手権

2013.05.22
 インカレに向け、全日本軽量級選手権が行われた。明大は女子舵手なしクォドルプルで、予選で宿敵早大に負けたものの、敗者復活戦、準決勝では見事修正し優勝を果たした。また男子舵手なしクォドルプルと女子シングルスカルでは準優勝と奮闘した戦いを見せた。
 女子舵手なしクォドルプルでの優勝は部全体にとっても大きい結果となった。勝敗を分けたのはスタート500m。「うまく前半攻め続け、500mでトップに立ち、そこからどんどん差を開いて、理想的なレース展開だった」(松岡結・文3=浦和一女)「ここまで来るのに、レースに出る人も出ない人も切磋琢磨(せっさたくま)しながらみんなで向かってこられた」(赤津杏奈・政経4=小松川)と、チームでのレベルアップが結果に表れたようだ。

 また、注目すべきは女子シングルスカルである。準優勝の冨田千愛(政経2=米子東)は中盤まで3位に付けていたが、終盤で一気に追い上げ、その後競る展開に持ち込み、結果2位に付けた。「正直2位になれると思っていなかった。(同じくシングルスカルで出場した)1年の中尾(真琳・農1=熊本学園大付)と一緒に練習して高め合うことができた。自信がない中でも自信が付くまで、しっかり練習して、結果が出たのは良かった」(冨田)と、今後の活躍に期待したい。

 一方で課題も見つかった。「スタートで前に出ていけなかった」(栗山主将)。「駆け引きで勝負していくべきだったのに、駆け切れなかった。やはり始めに思い切って行けるかどうかは大きい」(山野剛毅・農4=西市)と、スタートで前に出てレース展開の主導権を握ることができたかが勝敗を決めるカギとなり、その重要性を再認識する試合となった。

 残りの期間でスタートを修正し、冨田が見せたような追い上げをチームで目指すことができるか否か。今回見つけた課題をクリアできれば、インカレでの優勝は十分手に届く所にある。

[箭内桃子]

試合後のコメント
角久仁夫監督

「本当は男子勝つべきだったけど女子が勝った。レースというのは得てしてこういうもの。やはり最初の500mで前を取らなくてはいけない。試合をする時は命懸けでやらなくてはいけない。自信がないから不安になる。(インカレに向けて)男子がやるかどうかだね。女子は成るようになる。冨田の最後の追い込みは本当にすごかった。他の部員もあのくらいやらなくてはいけない。それが明治の伝統でもあると思う」

栗山(男子舵手なしクォドルプルクルー)
「この試合でこぐためにやってきたので、結果2位は悔しかったが、自分たちなりにいいレースができたのはインカレにもつながることだと思う。スタートで出ることができず、また中盤からの伸びも足りなかった。住友金属鹿島に去年は負けてしまったが、今年は差をつける勝つことができたことは去年と比べ、レベルアップできた所だと思う。個人としても艇としても伸びてきている。山野、穴井(穴井裕基・政経4=日田)と今までやって
きたし、櫻井(櫻井克茂・法1=加茂)も合わせてくれたので、クルーとしても一つにまとまることができた。やはり結果が全てなので、今回は良い結果とは言えないが、インカレで勝負していきたい。冬からの積み重ねが出てきているので、結果はだめだったが過程は良いと思う。これから色々大会はあるがインカレへの通過点として、それぞれ全力で臨み、全てインカレにつながる試合になるようにしたい。まずチームとしてはスタートで前に出ていけないので、出るために個人個人が考えて行動していくことや、それをふまえて男子部内でコミュニケーションや議論を積極的に行い、ひとつにまとまるようにしていくことが必要だと思った。個人としては、中盤から終盤にかけての持久力が足りないように感じたので、自分からリズムを作れるようにしたい」

山野(男子舵手なしクォドルプルクルー)
「スタートに迷いがあり、思い切って頭に出ることができなかった。スタートで頭に出ることができれば相手に精神的にプレッシャーをかけることができたと思う。(同種目で優勝したHong Kong China Rowing Associaとは)地力で差があるので、駆け引きで勝負していくべきだったのに、駆け切れなかった。やはり始めに思い切っていけるかどうかは大きい。一騎打ちに持ち込んで自分のペースでレースを支配していきたかった。女子は500mあたりで頭を取ってリズムを作って優勝したので、自分たちも実践していきたい。本番では迷ってしまった部分があり、そうならないように今まで練習してきたつもりだったが、足りなかったので今後はもっときつい練習をしていきたい」

赤津(女子舵手なしクォドルプルクルー)
「今のクルーは組んで3カ月経つ。滅多にないくらい長いし信頼していて、絶対優勝できると思っていた。勝ってようやくわかることもあるし、勝ったことによってさらに強くなれることもある。楽しく練習できたし、プレッシャーということはなかったけど、ボートに取り組む姿勢は見せないといけないと思っていた。軽量級に出られてかつ、ファーストクルーだし、キャプテンだし、メンバーを引っ張っていく立場なので。決勝は絶対に500mで出ようという作戦で、最後まで相手の背中を見ながらレースできた。予選は早大に出られて1000mまでにおいていかれてしまった。それでも、レースプランを見直したりして、うまく修正できた。予選での負けを生かせた。また相手の背中を見てレースするのがいかに有利かもわかった。(部全体としても)頑張ったんじゃないか。ここまで来るのにレースに出る人も出ない人も、切磋琢磨(せっさたくま)しながら、みんなで向かってこられた。自分たちが勝ったことを部内に還元していきたい」

松岡(女子舵手なしクォドルプルクルー)
「予選時と大きく変更し、決勝は先行逃げ切りのレースプランだった。うまく前半攻め続け、500mでトップに立ち、そこからどんどん差を開いて、理想的なレース展開だった。序盤で先頭に立ったことで、相手が差を詰めてくるというプレッシャーがあったが、とても冷静にこぐことができたのが1番の収穫だった。すごく楽しかったの一言。今回は減量が大変で、1カ月で5キロ落とし、食べたいものが食べられなかった。周りが皆4年生で、
最後の軽量選手権だったので、勝たなきゃ、勝たせなきゃというプレッシャーがあり、精神的にも肉体的にもきつかった。しかし、とにかく優勝で締めくくれて良かった。まだどの種目に出るか未定だが、インカレでも優勝したい」

冨田(女子シングルスカルクルー)
「正直2位になれると思ってなかった。戸田で練習してる強い人とかを見ていて、あの人と勝負するのかと思うと自信をなくしていた。メニューも全部自分で決めるということは、自分で楽にすることもできる。だけど、量はこなそうとやってきた。距離をこなす時期だけでなく、追い込みの期間でもトータル12㎞をこげるようにしていた。スタートから500mを取れるようにしたかったが、できなかった。予選では最初の500mで出られた分の差を詰め切れないままだったので。スタート出られなかったのを、ラストに抜いたという感じ。(シングルスカルは)高校の時にちょっとやったことがあるくらいで、ほとんどやったことがなかった。クルーボートに乗ることが多かったので、孤独というか、クルーボートはいいなと思った。(同じくシングルスカルで出場した)1年の中尾と一緒に練習して高め合うことができた。自信がない中でも自信が付くまで、しっかり練習して、結果が出たのは良かった。スタートの500mは課題です」