
僅差で1部残留を果たす/関東学生1部リーグ戦入れ替え戦
今年のリーグ戦は「勝てると思っていたところで負けたりして士気が下がっていた部分もあった」(横尾大河・文3=掛川東)となかなか納得のいく試合ができず、1勝4敗で幕を閉じた。そのような状況の中で、4校中2位に入れなければ2部降格が決まる入れ替え戦に臨んだ。「第2、3戦と負けてしまった時点で入れ替え戦はもうほぼ確定だと思ってたので、王座出場という目標はきっぱりと捨てて1部残留という目標にシフトした」(前田悠帆・法2=東福岡)と意識を切り替え、見事1部残留を勝ち取った。
大一番の試合で「どの試合よりも緊張した」(上村圭佑・商4=明大中野)ためか、立ち上がりは点数が伸びなかった。しかしエースの前田が30mで59点を2度記録するなど次々と高得点を出しチームをけん引する。また、駆け付けた女子チームやOB、OGの、他大を圧倒する応援が射場に響いた。応援の力に後押しされ、徐々に調子を取り戻していく明大。「選手と応援が一体となることができた」(横尾)とチームの団結力が光り、試合を終えたチームには笑顔があふれた。
2部からの昇格を目指す明学大も必死に明大に食らいつき、最後まで結果が分からない展開に。点数が記入されると歓声が上がった。明学大との差はわずかに4点。1位の早大には届かなかったものの、1部残留を決めた。
試合後には井村祐太(政経4=町田)から丸子博貴(営3=広島大附)へと主将が交代し、新体制がスタートした。「団結力を1年生にも教えて、さらに盛り上がるチームにしてほしい。王座出場という自分たちのかなえられなかった夢を託したいです」(中村和音・理工4=森村学園)と、レベルの高い1部リーグで戦っていく今後の明大アーチェリー部の活躍に期待が懸かる。
[板橋洋子]
試合後のコメント
上村
「今日は最後の集大成だし、勝ち負けによって天地の差がある試合だったからどの試合よりも緊張した。気持ちで負けないことを大事にしました。2位ではあったが勝利につながって1部に残れました。気持ち以外にも応援と選手の団結とか明大の強みが生かせて勝利を勝ち取れました。王座を目標としてたが、かなわず夢は途絶えましたが、後輩のためにできることは1部に残留することだし、1部へバトンつなぐのが役目だと思っていました。今日勝ててバトンつなげて良かったです」
高梨
「今日は自分も点数が出て、後輩を引っ張ることができたかなと思うので、最後にそういうことができてほっとしています。今週は練習から少し調子が悪かったのですが、気持ちで勝とうと思っていたら矢が的に入ってくれて、点数が出たのかなと思います。50mは何となく射てば入るので良かったのですが、30mは調子の悪さが出てしまいました。でも何とか踏ん張れて、さらにチームも勝てたので本当に良かったです。4年生になってリーグ戦に初出場したのですが、それまでは個人戦にほとんど出ていなくて、実戦が足りませんでした。今年は出られる試合は全て出たので、その経験値が最後にこういう結果をもたらしてくれたと思います。自分のやってきたことが正しかったという自信が得られたので、大満足です。チームを引っ張るという立場だったので、緊張してつらいときもありましたが、終わり良ければ全て良し、ということで最後にこうやって結果を出せてチームも勝てたので、4年間とても楽しかったです。ここから個人戦が始まりますが、前回のインドアではあと2点のところでインカレに行けなかったので、冬のシーズンに合わせて力を貯めていこうと思っています」
中村和
「残留できて後輩に対してよいものを残せたなと思います。1部で見る世界と2部で見る世界は全然違って、後輩にも王座に行ってほしいという強い思いを持っているので、結果はどうであれ勝てたことは本当に良かったです。リーグ戦を戦うなかで、チームの団結力が高まりました。負け続けて、雰囲気が悪くなったときに盛り上げてくれたという部分で応援に支えられました。数点差で勝ったというときに応援の力も含めて、いいチームになったと思います。4年間を振り返ってみると、2年生で出てたときのほうが点数も良かったと思います。自分のなかで背負っているものもありましたが、もう少し気楽に考えれば良かったなとも思いました。団体戦はこれで終わりなので、やっぱりさみしい気持ちがあります。来年はこの団結力を1年生にも教えて、さらに盛り上がるチームにしてほしいです。それで王座出場という自分たちのかなえられなかった夢を託したいです。これからは個人戦のシーズンですが、インカレをはじめとして、全種目で全日本選手権にも出て、賞状をもらいたいです」
藤田大樹(情コミ4=青山)
「調子はまずまずで、エンドごとの点数にばらつきもあって安定した射ではなかったです。どうなるか不安だったが結果は納得のできるもので良かったです。運良く残留できたが普通でも残るのが難しいくらい周りの大学のレベルが上がっているように感じます。後輩には今回の反省を生かしてほしいです。自分はリーグ戦に出るのは今日が最初だったが、最後にチームに貢献できて良かったです」
横尾
「チームは100点だが自分には点数あげられないくらいひどかったです。原因は分かってないので練習で形とかを確認したいです。選手として選ばれた以上は点を出したかったが、大事なところで出せなかったのが反省点。ケガの影響でリーグ戦は第5戦と、今回の入れ換え戦しか出ていないが、前回は復帰戦としては良かった。全体としてはみんな勝てると思っていたところで負けたりして士気が下がっていた部分もあったが、第5、6戦はどちらも接戦だったが勝てたのは良かったです。勝てるところで勝てなかった部分は課題です。今回は応援も、スコープもよかったです。応援と選手が一体となることができたリーグ戦で、全体で戦えました」
田代和也(文2=横浜隼人)
「チームには点を残せなかったが、応援の力が大きくて、気楽に応援を信じて射てました。選手の力と応援でアーチェリーを楽しむことができました。楽しんだ者勝ちです。勝つという気持ちにつながったし、勝ててうれしいです。今回の入れ替え戦で4年生が引退して、2、3年中心の新しいチームになるからそれなりの重みを感じています。点数面でも、先輩としても、チームを引っ張れるような存在になりたいです。今日は1年間で1番楽しい試合でした。もっとこういう試合を選手としても、応援としても経験したいです」
前田
「勝てて良かったです。今日はこれに尽きます。第2、3戦と負けてしまった時点で入れ替え戦はもうほぼ確定だと思ってたので、王座出場という目標はきっぱりと捨てて、1部残留という目標にシフトし、練習やメンバー選考の方法まで全て変えました。結果として1部残留できたので、本当に良かったです。早めのシフトが功を奏しました。総監督の方がすごい方で『こうなるってわかってるのに何も対策を練らないのは馬鹿者のすることだ』とうまく自分たちに話をしてくださって、全部員にやる気を出させてくれました。それからは入れ替え戦で絶対に1部残留するぞ、とみんなが練習に取り組んだので、4点差という接戦でしたが、勝てて良かったです。今年は点数で見たら、自分が安定して出せる点数が660点台かなという感じだったので、これから1年間しっかりと鍛えて、来年は670、690とかいってもいいのでそれくらい出せるようになりたいです。これから個人戦が始まりますが、自分の実力はわかっているので、今の時点ではこんなことを口にできるレベルではないのですが、まだ初心者でこれからどうなっていくかわからないので、とりあえずレベルの高い大会にたくさん出られるようにして、上の選手たちと少しでも早く競えるようになっていきたいなと思います」
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