東農大に勝利し上位決定戦へ/関東学生春季1部リーグ戦
岩井宏将(営2=岐阜総合学園)・大嶋雄飛(文2=今市)の2年生コンビの先制点が試合の流れを決定付けた。「この1点目が非常に大きかった」(松尾賢治・政経4=岐阜総合学園)。前半11分にはPC(ペナルティコーナー)のリバウンドを安部雄貴(商3=横田)が2―0とした。一時は東農大にPCの機会を許したものの、GK國友督仁(政経1=丹生)の好セーブでディフェンスから調子を整える。すると前半31分には、松波大介(営1=岐阜各務野)のリーチを生かしたオフェンスを軸に、松尾が追加点。「前半は終始うちのペースで良かった」と小池文彦コーチは振り返り、相手にスキを与えない試合運びを展開した。
さらに突き放したい後半であったが東農大の縦に伸びるパスがつながり始め、ゴールを脅かされる。後半20分にはたまらずオウンゴールを犯してしまうものの、その後は法大戦から修正したタックルを含め安定したディフェンスでゴールを死守した。前後半で対照的な試合運びとなったが、毛利康平主将(法4=飯能南)は「試合を通して冷静でいることができた」と自信を深めた。
試合後、宮田知監督は「やれやれというのが本音」と上位進出に安堵(あんど)の表情を示した。初戦の慶大戦で惜敗したことからチームに危機感が芽生えた。PCやディフェンスタックルといった試合毎の課題を修正。徐々に「プレーがチームの思惑にはまった」(大嶋)感触を得ている。ここ数年リーグ戦で決勝戦に進出できていないだけに「優勝して監督にもいい思いをさせてあげたい」とチームの思いは一つだ。次の相手は山梨学大。一昨年の東日本学生選手権以来白星をつかめていない相手だが、決勝戦進出を目指し勢いそのままに勝ちたい。
[和田孟]
試合後のコメント
宮田監督
「やれやれというのが本音。この試合まで1ヵ月の間が空いて、1勝1敗で初戦の慶大戦を落としたということの重大さを選手も分かってくれたと思う。負ければ終わりだったわけだから、これまでの先輩たちはそういう緊張の中で強くなっていったんだぞ、という話をしながらゲームをさせた。勝ち負けの責任を取るのが監督の役目だから、お前たちは全力でやれと。だからか、FWが幸先良く点を取ってくれた。大嶋がいい形で点を入れてくれて、PCのリバウンドも安部がしっかり。あと、松波が右からきれいに回り込んで、練習通りのいい動きをして大学レベルのプレーになじんできたし、あのリーチが生きた。やはり前半の3点が大きい。後半はちょっと。まあ、1点をオウンゴールで取られたけれども、欲を言えばもっと突き放したかった。でも、敵もなかなかさるもの、そうはいかない。緊張していたと思うけど、國友が良く頑張っていた。彼は高校時代もきわどいゲームをしのぎ削ってきている。もともといいGKなので、反応がいい。中盤の柏木や岩井もスタミナ的にはきつかったろうと思うけど、何とか他のメンバーと回してベンチ入りはほぼ使ったような感じ。ベンチワークの方にも気を遣いながら。この1ヵ月でチームが大きく変わったのはゲームの受け止め方。勝ち負けによって自分たちの道がどう分かってくるのか。勝って上位へ進出するのか、負けて王座の出場権をぎりぎりで競うのか。それは天と地くらいの差がある。選手には俺を一度決勝戦に連れて行けと言ってある。いつもあと一歩というところで足踏みしている。監督をやってもう4年目だけど、まずは決勝戦のステージに連れていけよと。目指すは優勝」
小池コーチ
「立ち上がりからうちのテンポででき、いい形で相手を崩して点が取れたので、前半は終始明大のペースで良かった。後半は東農大が縦攻撃できたので対応するのに時間がかかったけど、ディフェンスは良くしのいだかなと。最後に1点取られてしまったけど、ただ良くしのげていたと思う。でも全日本大学王座決定戦で関西のチームと戦うときにはああいう攻撃にも対処していかなければいけない。とりあえずこの春季リーグは上位に上がれたので、次の試合にも勝てるように一つ一つの精度を上げていきたい。上位のチームはもっとパワフルなホッケーしてくるので、それに対応できるように練習させていこうかなと。タックルの甘い部分は大分と改善されてきて、トラップも少なってきている。中には高い選手もいるけれど、以前に比べれば修正できている。ここ何日かで1年生もいい状態になってきた。松波もリーチの長さから1本えぐって、プレーも安定しているしディフェンスもできるので期待している。高橋(拓也・文1=岐阜各務野)も初めて試合に出て、いいディフェンスをしてくれたので楽しみになってきた。國友も好セーブを始め、全体的にディフェンスが安定していた。目標はもちろん優勝。また気を引き締めチームを立て直して、勝ちきれるように練習させたい」
毛利
「前半は立ち上がりからうちの形というか、いい形で試合に入ることができた。そういった流れの中で得点できたことは収穫でもあった。後半は攻め込まれるということを想定していたので、自分たちのミスから失点してしまったことは課題。それでも、それ以外の場面では我慢ができていたので、良かったのではないかと思う。試合を通して冷静でいることができたのは1点目、2点目と早く得点したので、自分たちのペースに乗りやすかったということがある。今日は今日でこの結果に喜んで、優勝するにはまず次を勝たなければいけないので、しっかり戦っていきたい。僕たちが入学してからリーグ戦では毎年3、4位と停滞しているので、優勝して監督にもいい思いをさせてあげたい。自分たちがやるべきことはどのチームが相手でも変わらないと思うので、それを突き詰めていきたい」
松尾
「公式戦で得点できていないというフラストレーションがたまっていたので、今日こそはという思いで臨みました。3点目が絶対に欲しかったので、その中で得点できたことは自分にとって大きな自信になりました。前半は得点を重ねても初心を忘れずプレーできていた。後半も向こうの意地もあってメンタルで部分的に負けた場面もあったが、毛利を中心にまとまっていけたと思う。得点以外で良かったのは献身的に守備ができていたところ。勝つためには守備から圧倒しないと始まらないので、守備の部分が自分の強みでもあったし、それを発揮できた。試合を通して心は熱いけど、動きは冷静だった。大嶋の1点目がチームのメンタル的にも良かった。もし東農大が先制していれば、今度は僕たちが東農大のように焦っていたと思うし、この1点目が非常に大きかった。最終学年の自分たちがチームを引っ張っているので、監督のために決勝に導きたい」
安部
「先制点が取れても追加点が取れないという試合が続いていたので、追加点がほしかった。本当はPC1本目で決めたかったが、ちょうどボールがいいところにきて決めることができた。下級生の頃に比べて周りを生かすプレーが大切になってきたと思うので、責任感がある。後半になってから走れなくなり、体力不足が出てきたかなと。今後は走り込みをして、後半も走れるように。ここで負けてしまうと後がないという状況が続いていたので、一つ一つの練習を大切にして東農大戦に絶対に勝つ目標をみんなが持って臨めた。上位決定戦に進めたので、優勝を目指したい」
大嶋
「練習中にいつも岩井とコミュニケーションを取っているので、アイコンタクトでボールに添えるだけだった。得点をするのがFWの仕事なので、それができて良かった。今までの2試合でFWが誰も点を取れていなかったので、FWが仕事できたのはチームにとって大きい。これに続いてFWが点を取っていけるようにしたい。慶大戦に負けてからみんなで話し合って、法大戦もこういう風にプレーしようと考えたようにプレーできていたので、プレーがチームの思惑にはまったかなという感じはある。後半は足が動いていなかった。体力面やフィジカル面でスタートはいい勝負ができるが後半になると落ちてきてしまう。それは個人で能力を上げたり、1年生が試合にどんどん出てくる状況になれば改善できると思う。ディフェンスタックルに関して法大戦でコーチから指摘があったように、セオリー通り一回で切れないようにできていた。各上の相手がこようとも自分たちのホッケーをするだけなので、チームを決勝まで引っ張っていけるようがむしゃらにやっていきたい」
関連記事
RELATED ENTRIES