全員で1部残留目指す/関東インカレ事前取材

2013.05.15
 カギは長距離陣の活躍。今大会、1500m、5000m、1万m、ハーフマラソンの部には長距離ブロックの主力メンバーが続々とエントリーされた。1500mには昨年この大会で4位入賞と健闘した八木沢元樹(商3=那須拓陽)、これに引けを取らないタイムを持つ文元慧(政経3=洛南)、さらには箱根駅伝6区で歴代3位の記録を持つ廣瀬大貴(営4=洛南)と強力な布陣をそろえた。西弘美駅伝監督は、初日に行われるこの1500mでのポイント獲得が1部残留へのカギとし「1週目で2ケタ得点を取りたい」と宣言。大迫(早大)やオムワンバ(山梨学大)もエントリーされた、超ハイレベルのレースに自慢のスピードランナーたちを送り込む。
 昨年は1年生ながら5000mで4位に入賞し、チームの2部降格を救った横手健(政経2=作新学院)は今年も5000mにエントリーされた。8区9位に終わった箱根駅伝後は故障で思うように走れない時期もあったが、先月の織田記念陸上では5000mで13分55秒04をマーク。上向き具合の調子で今年も得点を狙う。
 さらに、昨年のインカレでは日本人1位で高い安定感が持ち味の大六野秀畝(政経3=鹿児島城西)、1万mのチーム内トップの記録を持つ有村優樹(商3=鹿児島実業)がそれぞれ1万mにエントリー。ロードに強い松井智靖(営3=世羅)は2年連続でハーフマラソンに出場する。
 今年の箱根駅伝を走った8人全員がエントリーされた。ここに昨年出雲、全日本の2つの駅伝を走った木村慎(商2=浜松日体)、ハーフマラソンで高い安定感を誇る石間涼(情コミ4=浜松日体)、成長株の牟田祐樹(農2=西武文理)が加わり「現時点で調子のいいメンバー」(西監督)が出そろった。長距離ブロックを引っ張り、1万mにエントリーされている北魁道駅伝主将(営4=世羅)は「みんなで1点でも多く取りたい。長距離は全員に点を取れるチャンスがある。今から楽しみ」と語った。
 短距離を牽引するのは佐々木洸主将(商4=人吉)だ。110mハードルを得意とし、昨年は同種目7位。短距離ブロックで唯一得点を決めている。今シーズンは5月の初めに法大競技会で14秒08の明大新記録を出した。この記録は昨年の順位に当てはめると4位に相当する。風速条件は違うものの、昨年以上の結果を期待したい。

明大にとっては前期の「大一番」と言える関東インカレ。近年は2部降格の危機をギリギリのところで乗り越えて来ているが、長距離を中心に争いが激化している今、一度降格すると再び1部に戻ることは厳しいと言われている。そんな中、明大の強みはやはり「層の厚さ」だ。全員で得点を狙い、1部残留を目指す。

[奥村佑史]

コメント
西駅伝監督
「一部残留に向けて全力で取り組んでいます。最後の調整段階で気合いも入ってきている。長距離は留学生や大迫(早大)、設楽兄弟(東洋大)に引けを取らない走りを期待したい。1週目の1500m、1万mで二ケタ(得点)取りたい。特に1500mはポイントになるんじゃないかな。箱根駅伝を走ったメンバーが全員エントリーしたが、やはり彼らにはそれぐらいはやってもらわないと。今調子のいいメンバーを選んでエントリーした。1500m、5000m、1万mと前回大会も入賞している110mハードルの佐々木あたりに頑張ってもらわないと」

佐々木主将
「(法大競技会での110mハードルの14秒08の明大新について)冬期から練習を積み重ねていましたし、今シーズンの試合で物足りなさを感じていたので、もっと速く走れるという自信はありました。記録的にはまだまだです。今の調子はご想像にお任せします。チームはそれぞれ楽しくやっていると思います。主将として自分自身が注意していることはありません。おのおのが個人で結果を出してくれるのが一番だと思っているので、アドバイスできるとこはしますが…。強いて、重視する点をあげると、本人のやる気を引き出すこと。それからメリハリを付けた楽しい練習ができるといいと考えています。注目選手としてはみんなに期待してほしいですね。強いて言うなら僕ですね!頑張ります!」

北駅伝主将
「調整はしっかりできている。みんなで1点でも多く取ろうと、いいムードになってきた。今年も1部残留という目標は変わらない。チームとしては1日目に得点を決めて、いい流れで2週目に入りたい。今年は自分を含めて上級生が頑張らないと、という気持ちでいる。長距離は全員に点を取れるチャンスがある。今から楽しみ。個人的には今までで1番と言えるほど春の練習は充実していた。これまでトラックシーズンは何もできていない分、今回は入賞したい」