男女共に白星でリーグ戦終える/関東大学1部リーグ戦
[男子]
男子は格上の東海大を下し、最終戦で今季初白星を挙げた。僅差の競り合いを制し、2点差での勝利だ。
前田悠帆(法2=東福岡)が実力でチームをけん引した。50mでは360点満点中322点、30mでも338点の好成績で、自身の試合新記録となる660点をたたき出した。エイトメンバーもエースを支えた。「今年は下級生の勢いがすごい。可能性ある後輩のために、今回勝って入れ替え戦につなげたいという思いがあった」(高梨優紀・政経4=錦城)。今季すでに4敗を経験している明大。来週には入れ替え戦が控える。今回1勝し、勝利の感覚をつかんで入れ替え戦に臨もう、という男子チーム全体の雰囲気が選手たちにいい緊張感を生み出した。「今までは相手の調子や、ムードに影響されていたけど、今回は自分たちのペースで試合を展開できた」(伊藤達也・情コミ2=県立船橋)自分たちの試合の流れをつかめたことが、今回の試合から得られた一番の収穫といえるだろう。太田俊(理工3=明大明治)は、「自分自身も楽しんで、チームを盛り上げて点数を上げていく」と意気込む。下級生が伸びを見せる男子チーム。1部残留を決め、来年度の王座出場に望みをつなげたい。
[女子]
女子は東洋大を2491―2381で下し、リーグ最終戦を白星で飾った。これでリーグ戦全日程を終え、明大はAブロック2位となり2年連続で王座決定戦への出場権を獲得した。エース深澤菜見(文4=高崎商科大附)はトータル675点という圧倒的な実力を見せ、中澤彩(国際4=玉川学園)も50mで自己新となる306点を出すなど次につながる内容もあった。
試合を通して見られた選手同士の仲の良さは「自分が失敗しても他の人がカバーしてくれる、という気持ちで射ることができる」(中澤) という仲間への信頼感につながっている。「チームとして、去年の先輩たちに恥じないよう精一杯やっていきたい」(石橋春那・法4=日大藤沢)と語る選手たちの団結力は堅い。今度は全国の舞台で、明大アーチェリー部の団結力を見せる。
[鈴木千明・本永雅敬]
試合後のコメント
[男子]
高梨
「50mは入りはうまくいったけど、安心して途中から崩れた感じです。気を緩めないようにすることが課題だと思います。30mは毎試合1位か2位を取れているので、自分の武器かなと思っています。今回は勝っても負けても入れ替え戦が決まっていたけど、入れ替え戦に勝って臨めるのは大きいと思います。今回はバテなかったけど、それは最近1射に時間を使わないようにしているからだと思います。本当に上手い人は1射1射に無駄がないと思って研究しました。今年は可能性ある後輩が多いです。1部に残留して、後輩たちが来年1部で王座を狙えるように、つないでいきたいです」
太田
「50mは最初は良くなかったし、最後は周りにも弓を引けてないと言われました。30mは3本とも29点の回が5回あったので、それは良かったと思います。最後の方はバテてきて、押す方の腕が震えてしまいました。今回は3敗した時に調節した射形を試しましたが、入れ替え戦に向けてもっと良くしていきたいです。入れ替え戦では自分も楽しんで、チーム全体を盛り上げて点数を上げていきます」
横尾大河(文3=掛川東)
「50mは、リーグ1週間前にケガをして練習が思うようにできなかったことと、さらには緊張もあって腕が震えました。30mは射ち始めてすぐに感覚がつかめたと思います。でも50m、30mどちらでも、最後まで残ることが多かったです。クリッカーが切れるまでに時間がかかってしまったので、体力を戻していきたいです。今回でコツがつかめたので練習して確かめたいです。応援は楽しかったし、今回は応援がなかったら負けていたと思います。これが明大の良さだと感じます。今回の試合でつかんだことを無駄にしないように、筋トレも取り入れて練習していきたいです」
伊藤
「今回は1Mを出してしまったことが反省点です。30mでは各エンドぼちぼちという感じです。結果もあまり良くなかったです。50mはそこまで悪くなかったけど、体の使い方がよく分からなかったです。今回はリーグ戦に出るのは3戦目だったけど、練習通りに力を出せなかったです。でも試合自体はいい雰囲気だったと思います。声も大きく出ていたし、相手チームの雰囲気に飲み込まれなかったです」
前田
「50mは1エンドごとにばらつきがなくて、波なく点数が出せました。30mは1、2、3エンドと流れに乗って射てました。試合新記録も出ました。今回の感覚を次につなげたいです。「体:細部=8:2」の意識のバランスが自分にとってベストで、今回はそのバランスを保って射てました。練習での当たりも良かったし、今回はいけると思っていました。この感覚は650を越えられるようになってきたころから自分の中で出来てきました。今は肩を痛めているし、練習は控えているけど、1日350射くらいは射っています。アーチェリーが好きだし、楽しいから苦とは感じないです。入れ替え戦は今回みたいに楽しく、自分の仕事をしっかりこなしていきたいです」
増田圭祐(商2=長野日大)
「50mでは同じ形の射ができていないと感じました。30mは、始めは良くなかったけど、チームが盛り上げてくれたので技術面をあまり苦痛に感じることなく試合ができました。以前の試合では最初から盛り上げるという感じではなかったけど、今回は最初からチームが盛り上がっていたのが良かったです。みんなで勝ったという気がしています。今回は入れ替え戦前の最後の試合で後がなかったです。練習量も1人1人考えて、臨んだ試合でした。今抜きん出ているのは前田だけど、食いかかるくらい周りも練習しています。前田を支える、じゃないけど、同期も頑張っています。筋トレも取り入れて練習していきたい」
[女子]
石橋
「リーグ戦を通してチームの足を引っ張る形となり、個人的には少し後悔があります。でも、チームのみんなと楽しくできたことは良かったです。チームのみんなには感謝しています。これからはまず、次の王座に向けて選手として出られるよう頑張っていきたいです。そして、チームとして昨年の先輩たちに恥じないよう精一杯やっていこうと思います」
玉井智子(法4=渋谷教育学園渋谷)
「特に今週は練習で自己ベストを出していて、今日も1エンドめは結構点数が出せたので、逆に硬くなってしまいました。いつものよくない緊張が出てしまって、最後まで克服できなかったのが悔しいです。でも、自分が当たらなくても誰かが当てるという信頼感がある今年のチームが大好き。今までと比べて、今年のチームは『つながってる』という感じがあって、1番端っこで射っててもみんなが声掛けてくれたり、後ろで応援してる時も楽しくできました。前は点数を読むだけ、のようなサポートだったので、今のような応援ができるいいチームです。深澤中心にいいチームづくりができたと思う。王座決定戦のチーム選考まで、諦めずに点数を追っていきます。練習では点数が出せるのが分かってるので、緊張の中でも射てるように自分を追い込んでいきたいです」
中澤
「個人としては、今日の試合の50mで自己新の300点を超える点数を出すことができたのが良かったです。リーグ戦は終わったが、少人数ながらも団結力を持ったこのチームで戦うことができ、本当に楽しかったです。次の王座4人しか出ることができないので、今度は他の選手に負けないように個人としても頑張っていきたいです」
深澤
「チームとしても今までで1番いい点が出たので、胸張って王座に行ける。ここまでリーグ戦では思ったほど点が出てなかったなという思いで今日を迎えたが、チーム全員1番良かったなって思える試合にしたかったので、みんなを褒めてあげたいです。入部した時は私も個人主義で、チームが負けても自分だけが勝てればその試合は良かったものって思ったりもしていました。でも1年生の冬に先輩がチームのために練習をしてるのを見て、わたしも先輩を恩返ししたいなという思いから、チームのことを考えられるようになりました。スランプだった時期も、リーグ戦で思うように点数がでないときも『ここで私がいなかったら誰がチームを引っ張るの?』と思ったときに、1番私を支えてくれたのはチームのみんなだった。その恩返しができたリーグ戦だったかな。1人でも欠けたらここまでいいチームにはならなかったと思うので、みんなを愛しています。次期女子リーダーは中村彩だが、バイタリティーのある子なので、期待して丸投げしてしまって大丈夫と思っています。でも『今年は私がいるからみんな好きなように射ちなさい』と思ってた分、来年は私がいないので、点数と雰囲気でどれだけチームを引っ張れるかというところが、中村にはここから1年間頑張って欲しいところです。次は王座ですが、私はその前に教育自習があるのでそこが心配だが、チームはみんな真剣に練習すると思うのでなんの心配もないです。思いっきり楽しみたいです。試合でもフォースに毎回違う人が入ってくるので、その部分では層の厚いチーム。みんな選手になれる可能性があるので、かなり熱い選手選考になるのかなと思います。ここから1カ月間は、とにかく安定した射形をしっかり把握して練習していきたいです」
中村彩(商3=越ヶ谷)
「リーグ戦の中ではましなほうの点数だったが、今年は試合で点数が全然出せなくて、今日もミスがとても大きく響いてしまいました。ミスがなければチームも2500点の大台にも乗ったかなと思うと、悔しい思いが強いです。チームをもっと引っ張りたかったなという思いが強くて、常にフォースの上の方で距離賞とかも取ったりしたいと思っていたが終わってみれば全然貢献できなかったので、とにかく悔しいです。でも悔しくても、チームのみんながいてくれるのがうれしくて、もっと頑張りたいなと思えたので、とてもいいチームに恵まれたなと思います。チームのみんながいなかったら、きっとしけてしまってて頑張ろうと思えなかったと思います。最後までくじけそうになったが頑張れたのはチームのおかげです。来年は私が女子リーダーだが、昨年も今もとてもいいチームなので、それを超えるのは大変だと思うが、もっといいチームをつくりたいです。王座に関しては、昨年はあまり貢献できなかったので、リーグ戦の分もチームに貢献して、いいところに食い込みたいです」
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