1点に泣き中大に敗戦 3連覇ならず/関東大学選手権

1点に泣き中大に敗戦 3連覇ならず/関東大学選手権

 頂点には届かなかった。春の大学王者を決める決勝戦。相手は昨年同様中大。インカレでは苦杯をなめさせられた相手だ。拮抗(きっこう)した試合が続く中、第1ピリオド終了間際の19分44秒、中大に均衡を破る先制点を決められる。その後も互角の戦いが展開。しかし、結局この1点が決勝点となり試合は終了。またも中大の壁を超えることはできなかった。

 1点が明暗を分けた。再三チャンスをつくるも、なかなか先制点が生まれない。第1ピリオドも残り約5分となったところで、FW赤坂卓哉(営4=釧路江南)からゴール前に控えるFW高橋佑輔(政経3=武修館)に絶妙なパスが送られるも、相手GKに阻まれ、たたき込めず。なかなか先制点が奪えないもどかしい時間が続いた。しかし互いに猛攻を仕掛ける中、ついに試合は動いた。第1ピリオド終了直前の19分44秒、ゴール裏から起点をつくられ早いサイド攻撃から中島(中大)がシュート。上手くスキを突かれ先制点を奪われた。

 堅い守備と粘りの攻撃に苦しんだ。「守り5人が連動していた」(佐藤光主将・文4=白樺学園)と中大は徹底した守りを貫いた。しかし突破口が見つからない中、絶好のチャンスが訪れる。第2ピリオド2分25秒、相手の立て続けのペナルティにより5対3のパワープレーに突入。なんとか得点に結びつけたいところだったが「シュートを打つべき場面でパスを出してしまった」(上野滉太・政経4=北海)。結局互いにスコアレスで終え、迎えた第3ピリオド。明大は1点をこじ開けようと必死の攻撃に出る。しかし「チームの決まりごとが守り切れていなかった」(佐藤光)と細かいミスでチャンスをつぶし、決定力に欠いた。試合終了残り1分17秒となったところでタイムアウトを要求。「パックをゴール前にもっと集めろ」との藤井匡智監督指示の下、最後の望みを懸け背水の陣を仕掛ける。しかしゴールへ向かうも快音は響かず。1点を守り抜いた中大に軍配は上がった。

 ワンシーズンが幕を閉じた。「ただ単に弱い。それぞれの選手が未熟だった」(上野滉)。新体制をして臨んだ初めての公式戦だったが弱点も見つかった。「強いチームが勝つのではなく勝ったチームが強い」(佐藤光)。全てはこの一言に尽きるだろう。この結果を糧に、チームはどう成長するのか。秋こそ必ず再起を誓う。

[長堀笙乃]

試合後のコメント
藤井監督

「悪い内容ではなかったです。1点でも取っていれば…。取るチャンスはあったときに取れなかったです。ただ、やろうとしていたことはできていました。気持ちも十分ありました。これ以上にやって行かなければなりません。次に向かってスタートを切ります。選手たちは悔しかったと思いますが、次につながると思います。(タイムアウトでは)試合中いつも言っていたことですが、パックをゴール前にもっと集めろと。もっと枠を外さないシュートを打つように伝えました。(敗因としては)しっかり相手に守られてしまいました。パワープレーなどそこでしっかり取れなかったことです。去年とは違う戦い方をしています。いいところはできています。チームレベルは上がっているので、負けても次に向かっていきます(U―18で選手が抜けた影響はあったか)合宿からチームプレーを心掛けていたので、そこにいなかったのは出遅れたと思いますが、目一杯やった方だと思います。もっともっとできると思うので、これからに期待したいです。(0―1という結果について)0で、というのは勝てないです。3ピリ通して足を動かして、目一杯やった方です。(今後の予定としては)サマーカップに出てリーグ戦になると思います。今のところはスキルアップから、チーム力アップというところで、まだ日にちがあります。今までのことを繰り返すだけです。まだまだ完全ではないです。もっと良くなると思います。(今後の意気込みを)合宿やサマーカップで今以上にチーム力と個人のスキルアップをします。今より落ちたところからではなく、今より高いところから(秋のリーグ戦は)スタートできればと思います」

佐藤光
「たとえ1点差であったとしても負けは負けです。完全に自分たちの力不足でした。1点差でも10点差でも負けたことが結果です。練習から1本1本シュートやパスを大切にしていなかったです。やっていたつもりでも実際集中してできていなかった。普段から気持ちを込めて打たないと今日のような1点が欲しい時には決めることができません。(中大は)守り5人が連動していました。リスクのあるプレーをせずにしっかりと自分たちのホッケーができていました。どっちが自分たちのホッケーができていたかと言えば、やっぱり中大で。システムでも上でした。グレーゾーンでパックを取られて逆襲を食らったり、向こうの反則の時に手を挙げて自分たちに不利なプレーをしてしまった。チームの決まりごとがまだ守れて切れていなかったです。(タイムアウトでは)シュート&リバウンドでパックを集めていくことを話しました。(収穫は)前の3試合よりも今日はよりスピードの上がった試合でしたが、相手のスピードに合わせることなしに自分たちのスピードでできたことですかね。ただもっと普段から余裕のないことを意識してやっていかないといけません。(今後は)秋になってももう春勝ったチームは中央だということには変わりないし、結果は変えられないので悔しいです。見に来てくださった方には本当に申し訳なかったです。強いチームが勝つんじゃなくて勝ったチームが強いということ。氷上は終わってしまいましたが秋リーグに向けて全員が高いレベルで高め合っていきたいです」

上野滉
「悔しいとしか言えないです。何もないです。ただ単に弱い。それぞれの選手が未熟でした。(終盤足が止まっていたが)2ピリで自分のセットはFWが孤立してしまい、DFと距離が出てしまった。結果として、終盤に運動量が落ちました。(今大会PPでの得点が無かったが)練習はしていた。でも、試合となるとレスポンス等の勝手が違ったし、シュートを打つべき場面でパスを出してしまった。(ベスト6を受賞して)モチベーションになるし、うれしいこと。でも、勝ってもらわなきゃ意味が無いです。(今後は)氷上練習はなくなるし、ひたすら追い込むだけです。これからはしばらく個人での戦い。ここで妥協していたら明治に入った意味が無いです。自分を含め、まだまだ未熟です。(次の氷上まで)やるべきことをやって、個々の能力を高めていくしかないです」

大津
「1対0というのは1セット目で得点を奪わなきゃいけない存在である自分にとって最悪の結果ですし、恥だと思います。攻守の切り替えについては自分はスピード、スタミナには自信がありますが、チームの連携がうまくいきませんでした。最も足りないことはシュートやチェックといったパックへのちょっとした意識の差だと思います。実力的に差はないと思いますし、むしろやれると思いましたが、意識の差が積み重なって負けてしまいました。これから個人での練習が多くなるので、弱点であるフィジカル強化へ肉体改造をしていきたいです。次は優勝のインタビューを受けられるように頑張ります」