「フィジカルの差」から筑波大に無得点で完敗/関東大学春季大会

2013.04.29
 昨年度、大学選手権で準優勝の筑波大に1トライも奪うことができずに0-45で敗戦。「フィジカルの差」(丹羽政彦監督)から、接点で攻撃のチャンスをつぶされ相手に攻め続けられた。副将のCTB西村雄大(農4=高鍋)やBKリーダーのSH山口修平(政経4=佐賀工)など欠場した選手も多かったこの試合。しかし「紫紺を着て試合に出たやつがAチーム」(圓生正義・政経4=常勝学園)と表情を険しくし、ケガ人がいたことは言い訳にならないことを強調した。

 「ファーストタックラーの後の、セカンドタックラーが早かった」(圓生)。シーズン序盤で互いに小さなミスが続く中で大差がついたのは、接点だった。7分のモールトライからの先制点を奪われた後、果敢にボールを回し前へ出ていこうとする明治。「ボールを動かそうとしていたところは良かった」(丹羽監督)と厳しい試合の中でも、監督が唯一評価した点だった。しかしボールキャリアーが相手に押し負け、ターンオーバーやノットリリースザボールを連発。筑波大の選手とのフィジカル差は大きく、そこから確実にゲインを許してしまった。その中でもFB田村熙(営2=国学院栃木)や左WTB小澤和人(営4=国学院久我山)らの個人技で、少ないながらもチャンスを作った。この試合一番のチャンスは0-38と大差ついた後半33分、敵陣残り5メートルでのラインアウトを筑波大がミス。こぼれ球にいち早く反応したSO村井佑太朗(政経3=秋田工)が、相手にタックルを食らい、倒れながらもインゴールへと手を伸ばした。最後に一矢報いたかに思われたが、判定は惜しくもノックオン。トライ目前まで攻め込んだが、筑波大の堅いディフェンスを崩すことはできなかった。

 
 試合を終えた選手の表情はとても暗いものだった。大差での敗戦に、試合後には円陣が組まれた。「この負けムードを引きずらない」(圓生)と気持ちを切り替え、次戦の拓大戦へ目を向け始めた。

【今野春佑】
 

◆対筑波大戦の先発メンバー&リザーブ◆
1.PR 勝木 来幸(営3=常翔学園) 9.SH 村島 亮平(政経3=常翔啓光学園) 16 植木 悠治(政経2=常翔学園)
2.HO 圓生 正義(政経4=常翔学園) 10.SO 長石倉 豪(営3=報徳学園)
→21.村井(後半0分)
17 石川 弘季(法4=国学院久我山)
3.PR 松波 昭哉(政経3=東福岡) 11.WTB 加納 遼大(文3=常総学院) 18 近藤 雅喜(商1=東海大仰星)
4.LO 南 宗成(商3=大阪朝鮮) 12.CTB 水野 拓人(情コミ3=東海大仰星) 19 安永 賢人(営2=長崎北)
5.LO 比果 義稀(文4=京都成章) 13.CTB 市原 祥平(政経4=常翔学園) 20 田川 明洋(政経4=天理)
6.FL 上田 宥人(政経2=東海大仰星) 14.WTB 小澤 和人(営4=国学院久我山) 21 村井 佑太朗(政経3=秋田工)
→10.長石倉
7.FL 平井 伸幸(法3=桐蔭学園) 15.FB 田村 煕(営2=国学院栃木) 22 西村 雄大(農4=高鍋)
8.No.8 山下 誉人(政経3=京都成章)

試合後のコメント
丹羽監督

「結果がすべてなので素直に受け止めたい。明治スタイルを確立するために攻守で前へ出ることを意識していたが、そういったことができていなかった。フィジカルで大差がついた。そのせいで基本的に接点で勝負できなかった。タックルには低く入るようにしていたのだが、入り切れず相手を止められなかった。得点にはならなかったが、ボールを動かそうとしていたのは良かった。コーチ陣も含めてしっかりとチームを見つめ直し、この敗戦をしっかりと修正したい」

HO圓生正義主将
「大差ですよね。(対抗戦へ向けて)半年でこの点差を逆転しないといけないので、泣き言は言ってられない。確かにケガ人はいるが、紫紺を着て試合に出た人がAチーム。そのメンバーが責任をもって戦わないといけない。だからケガ人とか言ってられない。その中でもラインアウトは勝負できたと思う。後半は少ないけれどチャンスをつくれたし、勝負できた場面もあった。相手はファーストタックルの後のセカンドタックルが早さがすごかった。そこから接点で圧倒されてしまった。もう接点では負けられない。このまま負けムードにならないように切り替えていきたい。自分としてもタックルを外してしまったし、スクラムやスローイングも何本かミスしてしまった。主将である自分から100パーセントの状態で試合に臨まないといけないし、そうすればみんなもついてきてくれると思う」