大椋のハットトリックなどで日大に快勝 いざ決勝戦へ/関東大学選手権

 決勝へと確実に駒を進めた。第1セットは互いに無得点に終わったものの、第2ピリオドから明大攻撃陣が息の根を吹き返した。FW大椋舞人(法2=白樺学園)のハットトリック達成をはじめ、7得点を量産。最少失点に抑えて危なげなく勝利をものにし、決勝進出の切符を手にした。

 ゴールラッシュでチームを勝利へと導いた。昨年、1年生ながらチームに欠かせない存在へと成長した大椋。今季は開幕戦から第1セットのセンターFWとして攻撃陣をけん引。チームの軸になろうとしている。第2ピリオド16分48秒、北島幹久(文2=武修館)のパスにゴール前で素早く反応しシュート。続く第3ピリオド3分27秒「晃介(大津・法2=日光明峰)がいいパスをくれた」とゴール前の混戦から押し込み2点目。最後は16分51秒、2点目同様大津のパスから相手GKの裏を突き駄目押しの3点目を決めた。ハットトリック達成に「やっとやるべきことができた」と安堵の表情を浮かべた大椋。昨年度今大会で最優秀新人賞を受賞したスコアラーの好調はチームにとっても大きいに違いない。

 得点力で圧倒した。「1ピリは固く、堅実なプレーに徹し過ぎた」(藤井匡智監督)と、互いに得点が奪えず終わった第1ピリオド。試合が動いたのは第2ピリオドからだった。4分3秒、DF梶原聡人(政経3=北海道清水)が左サイドでパスを受けると、チェックに来た相手DFをフェイントで交わしてシュート。GKの股を射抜き先制すると、この1点を機に攻撃に火がついた。3点リードで迎えた第3ピリオドも終始流れは明大にあり4得点を奪取。途中6分43秒、こぼれ球を拾われ1点を返されるが、失点はこの1点のみ。いい形で決勝戦へとつなげることができた。

 飛躍を予感させる新星がまた1人現れた。第2ピリオド6分3秒、FW大津がゴール裏でパックを奪い、サイドに控えるDF松金健太(法1=釧路江南)に鋭いパス。そこへ合わせるように飛び込んできたFW川村一希(商1=北海道清水)が落ち着いてゴールに押し込んだ。1年生ながら1セット目に抜てきされた川村。持ち前のスピードはその存在感を浮き立たせ「かなり頼りになる」(大椋)と周囲にも実力を認められている。「出させてもらえている以上は自覚を持ってスコアに絡んでいきたい」と話す川村の成長が楽しみだ。

 やれることを出し尽くすのみだ。29日決勝、迎え撃つ相手は昨年と同じく中大に決まった。インカレ準決勝での雪辱を果たし、5連覇を達成した1990~1995年以来の3連覇達成となるか。「条件は一緒。どちらが自分たちのプレーをするか。やりたいホッケーができれば勝てる」(上野滉太・政経4=北海)。チームスローガンである「常に全力」プレーで頂点をつかみにいく。

[長堀笙乃]

試合後のコメント
藤井監督

「1ピリは固く、堅実なプレーに徹し過ぎたかなと思います。打つべきところでもシュートが少なかったです。2ピリ以降打ちだすと、自然と動くことができました。やろうとしていることができたとは、まだまだ思いません。(やろうとしていることは)FWのチェックやポジショニング、システムの攻撃についてです。(決勝まで中1日だが)コンディション調整もずっとやってきました。明日もトレーニングがありますが、開始時間なども考えてしっかりやっていきます。(決勝はレベルも上がるが)ここまで競った試合はないですが、次はクロスゲームになると思います。ただ、どことやろうが変わらない気持ちを本人たちも持っているはずです。実際に試合に入ったらスピードの違いを感じるとは思いますが、今日のように堅実に入って慣らしていきたいですね。(前回はペナルティも多かったが)しないことを約束としてやっている。守れないならメンバーから外します。昨年はペナルティから崩れることが多かったです。(ケガをした)本間貴大(法4=釧路江南)は膝をやりました。明日以降さらに痛みは出てくるだろうし、決勝は厳しいかもしれません。ただ、残りのメンバーでも十分戦えます。(相木、工藤は初出場だが)U―18から帰ってきて、どれぐらいチームに馴染めるかを見ました。まだ、他と差はあると思います。いいものを持ってる。ただ、チームが第一なので。練習に勢いがあるし、誰が出てもいいぐらいの状態にはなってきています」

主将としてチームをけん引する佐藤光
「動き的にはゴールに向かう意識を持って足が動いていたと思います。同じプレーを続けられたことも良かったです。ただ守りの面では攻めた後に足が止まってしまって相手にスコアリングチャンスをつくられてしまいました。ブレイクアウトからの早い球出しは反省点です。(出だしに課題は)1セット目は得点こそ入らなかったですが、前の試合に比べてゴールへ向かってシュートを打てていたし動きは悪くなかったと思います。シュートに関して言えばゴール前でドライブしたりもたついてしまうことがあるのでそこはなくしたいです。パックを持っていない人もゴールへ向かう意識を持ち続けることが大切です。あとはいかに少ないパワープレーで決めきれるかですね。(1セット目は)スピードがあります。いかにゴールに向かってシュートを打ち得点につなげられるかだと思います。回しすぎてシュートを打たないで逆に相手の逆襲をくらうことのないようにしたいです。(決勝戦に向けて)三冠という目標を掲げている以上絶対に勝ちたいです。今日の試合よりプレーのスピードは確実に上がります。正直どっちが勝つか分かりませんが守りも5人で守り全員がゴールへ向かう意識を持って自分たちのホッケーができれば勝てます。いつもお世話になっている父母、OBの方のためにもしっかり優勝して、まずは一冠を取りたいです」

1ゴール1アシストの活躍を見せた上野滉
「前回より良かったです。リンクコンディションが(ざらざらしていて)悪い中、我慢強くうまくできたと思います。1ピリはその影響もあって、パスとレシーブが乱れましたが2ピリ以降は意識してやれたので安定しました。ただ、細かいところはできていなかったのでまだまだ改善しないといけないです。周りを見てプレーをしたいですね。1ピリはシンプルで思うようにやれて、相手の出方も見れて良かった。(29日は)決勝だし、両方とも固くなると思います。条件は一緒。どちらが自分たちのプレーをするか。やりたいホッケーができれば勝てると思います。基本的なことができていないと、応用もきかないですし厳しくなります。春は入学以降負けていないので、そのまま卒業したいですね。目指してるのは3冠ですし、まずは1つ狙いにいきます」

ハットトリックを決め勝利に大きく貢献した大椋
「ここまで昭和大、慶大戦ってきて全然活躍できませんでした。今日やっとやるべきことができたかなという感じです。(今日の活躍は)晃介(大津)や川村がいいパスを出してくれたのが大きいです。しっかり決めることができて良かったです。(川村の存在)かなり頼れます。しっかりスピードにもついてきているし、いい動きができていると思います。(1セット目は)佐藤さんを中心にしっかりコミュニケーションが取れているので大丈夫だと思います。(決勝戦に向けて)チームの目標が全力なので、全力で戦うためにもベストコンディションで臨みたいです。今日みたいにどんどん点数を入れてチームに貢献したいです」

1セット目で存在感を見せる川村
「1ピリはなかなか点数が入らなかったですが2ピリ、3ピリと点数を入れて結果的に勝てたので良かったです。流れをつかむのが大事だと思いました。自分はスクリーンというポジションなので、リバウンドをしっかり拾って粘り強く押し込んでいきたいです。(1セット目として)期待は大きいと思います。1セット目で試合に出られていることはモチベーションにつながっています。まだまだスコアチャンスを決めきれていません。スピードの速い人がそろっていて自分は付いていくのに精一杯なのですが、出させてもらえている以上は自覚を持ってスコアに絡んでいきたいです」

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◆4・29 決勝 中大戦:18:30~
≫会場アクセス
・DyDoドリンコアイスアリーナ
――西武新宿線「東伏見駅」駅前