(39th Period)関東大学選手権直前インタビュー 上野滉太、本間貴大

 攻撃の中心選手である上野滉太(政経4=北海)と、DFの要として活躍する本間貴大(法4=釧路江南)。今期は副将として佐藤光主将(文4=白樺学園)を支え、チーム全体にも目を配る役目となった。攻守両方の立場から、昨年を振り返ってもらい、今大会への思いを語ってもらった。
(この取材は4月9日に行ったものです)

――昨年はどのようなシーズンでしたか
上野:
もっとできたはずと思うかもしれないけど、できなかったのだからそこまで。リーグ戦がまさにそうだけど、自分たちで首を締めたシーズンだったと思います。でも、チームとして何が必要なのか、明大アイスホッケー部として必要な部分が明確に浮き上がったシーズンだったと思います。ポジティブな面もありますね。
――インカレについては
上野:
何というか…出し切れなかった感があります。法政戦はいい形で勝てて、中央戦に臨みました。でも、法政戦はリンクの整備とかもあって遅くまでやりました。その結果、中央戦では疲労もたまっていました。負けはしたけど、ビデオ見て振り返ってみると2点とも防げる失点でした。中央はフォアチェックにしろ、バックチェックにしろ、全員でやることを統一していました。いくら下馬評で強いと言われても、結果を出さないと何にもならないです。

――足りない部分とは
上野:
明治入った時から、システムが定まっていないというのは疑問でした。セットによって若干違っていたり…。だから、今年はしっかりそこを固めていきます。それから、一番は考えや思ったことを共有すること。言動の一致というのを積み重ねていくことはチームとしても、4年生としても、一個人としても気をつけていることではあります。

――4年生間での意思疎通は
上野:
そうですね。今年は何か決めるにしても、4年生でコミュニケーション取って「これはこうした方がいいんじゃない」だとか、意見を出し合って決められています。なので、4年生の間で不一致というのは全く無いです。

――個人として足りない部分はありましたか
上野:
決定力ですね。(インカレの)中央戦ではノーマークで外してしまいました。そこで決めていたら同点になっていたはずだし、結局負けはしたけど何か変わっていたかもしれません。それでも決めきれなかったというのが実力だと思っています。昨年は自分自身、トレーニングやってきて相当追い込んではいました。でも、結果が付いて来なかったということはまだまだ甘かったということです。過程に間違いはなかったけど、氷上での1回1回の質をもっともっと上げていかないと試合では発揮できないと思いました。新体制が始まってからは、かなり意識してやっています。今年はずば抜けてうまい人がいないので、一人一人が高い意識持ってやっていかないと勝てないです。

――今年は個よりも総合力で勝負するということで
上野:
そういうことですね。もちろん能力がある人はいます。ただ、ずば抜けていると思ってしまった時点でそこまで。今年はみんなそういう意味で謙虚ですね。

――中大や関大に近い感じでしょうか
上野:
あー、近いかもね。でも、正直他の大学を真似するのは好きじゃないです。明治は明治のスタイルがあります。ただ、先に中央だとか関大がシステムを組織の中に入れていたのは事実。でも、それは各大学の色です。今年は明治の新しい色を出すために、首脳陣と選手一同でコミュニケーション取ってやれています。各大学を意識するわけではなく、自分たちがどういうプレーをするか次第です。練習でやったことが試合でどう生かされて、結果に結びついて成果を出せるか、ということを春は意識してやって来ています。

――背番号が40から19に変わりましたが
上野:
小学校の時から19を付けたかっただけです(笑い)。ただ単にずっと縁がないというか、付けられなくてずるずる来て…大学4年ぐらいは付けさせてと(お金のこともあるので)親に言いました。弟(上野峻輔・政経1=北海)も19付けたいって言っていたし、来年そのまま渡せますしね。別に拓都さん(牛来氏)が…とかではないです(笑い)。入学した時に19付けようとしたら拓都さんが19に変えるとか言うので…。で、14にしようとしたら光(佐藤)が頑なに付けたいと言うので、譲りました(笑い)。

――上野選手は40のイメージが強いですよね
上野:
何か定着しちゃましたね。多分、一部リーグで40って自分だけですからね。だから、他の大学でも定着してしまったみたい。でも、自分の付けたい番号でプレーできるっていうは幸せ。これで活躍して19のイメージが付けばいいかなと。40=上野となっていたのも、ある程度注目されていた結果だと思います。これが19=上野となるためにはさらに活躍していかなきゃと思います。

――弟の峻輔選手も入学されましたが
上野:
明治の良さってのは俺が知っている。練習環境、大学、立地…とにかくいいところが多い。選手として、人として成長できるチームだと思う。そういうところは伝えました。でも、あいつ自身も明治に行きたかったんだと思います。一番優勝している学校だし、あいつも優勝したかったんだと思います。似ているとは言われる。確かにその部分もあるけど、ちょっと違う。間だとか感覚的なところが違うから、他人には判断できないなのかもしれません。自分ら兄弟は独特だから(笑い)。兄として心配なのは、ちゃんと単位を取れるかですね(笑い)。ホッケーに関しては1年生に総じて言えるけど、物怖じしないで落ち着いて堂々とやっているので心配は無いです。

――昨年は大津晃介選手(法2=日光明峰)などが活躍されましたが、今年の新入生は
上野:
もちろんそれぐらいやってくれると思うし、そういう選手だから明治に来たと思います。1年生だからというのは関係なく、上位のセットで出ている以上活躍してもらわないと困ります。出てない人にも申し訳ないですから。

――新体制となって、個々のセットの調子はいかがですか
上野:
正直、完成度はかなり低いと思います。今まで出ていなかった人が多いので、試合の経験値が少ない。戸惑いやパスを出すタイミングもまだまだです。まだ、成熟はしていないのでこれから大会までにやっていかなきゃいけない。チームとしては声も出ていて、いい雰囲気でできています。中心となるセットは無いけど、今年はどこからでも点が取れます。平均的にレベルは統一されています。

――選手権も始まりますが
上野:
自分自身、実業団のスカウトに向けて最後のアピールの場になると思います。だから、活躍するのは必須条件だしもちろんチームとして優勝というのは誰もが思い描いている。勝つしか考えてないです。ここまでアマチュアのトップでやって来たわけだし、そのために2月から一切妥協せずにやって来た。その成果を出すために、あとはコンディションを整えていきます。自分のプレーでチームの勝利を導き出せればと思います。

――アピールポイントはどこになりますか
上野:
変わってるって言われるんだよね。ファンシーって言われる(笑い)。型にはまってないのかな。良く言えば、(自分みたいな)タイプはいないと思う。こねくり回すし、ある意味リスキーな選手だし…もちろん、そうじゃないプレーもできます。だから…何だろうね。チームプレーはできるので、そこも考慮してほしいかな(笑い)。でも、勝負すると言えばやっぱりスピードじゃないかな。やるべきことをやるだけです。勝つことに集中して、チームの勝ちに貢献して、結果スカウトの目に止まればいいかと思います。

――今年は東洋大が出ませんが
上野:
準決勝で強いチームとやっておきたかったってのはあります。でも、ポジティブに言えば中1日で決勝に行くので、疲れがたまりにくいかなと思う。かと言って、疲れないようなプレーはしたくない。気は抜けないです。プレースピードは上がるので、そこに対応できるかがカギになります。

――最後に今大会の目標とファンの方々に一言お願いします
上野:
チーム目標はもちろん優勝。それはみんな言うだろうし、聞かなくても分かるでしょ(笑い)。個人的な目標は実業団に行きたいなって思います。長期的に見れば、自分を追い込むだけ追い込んで一番になることです。チームでスピードだとか総合的な面でトップになること。それから、ポイント王になりたいです。(ファンに向けて)とりあえず、1回はどの試合でもいいので見に来てください。1回見ればアイスホッケーの魅力が分かると思います。できれば、大学の試合を見に来てほしいです。それで、友達を呼んでもらってまた呼んで…いい循環をしてほしいですね。やっぱり、明治の学生には明治のホッケーを好きになってほしいです。試合に毎回来てもらえるようになれば、こちらとしてもすごくうれしいですし、そのような方がいるってことは幸せなことです。皆さんのご期待に添えるよう頑張ります。

――ありがとうございました。

◆上野滉太 うえのこうた 政経4 北海高出 167cm・65kg

 ――昨年を振り返って
本間:
メンバー的に勝たなければいけないメンバーでしたが、春しか取れませんでした。個の意識に任せて練習や試合に取り組んだせいだと思います。

――チームとして変わったことは
本間:
光(佐藤)中心となってチームに気を配っています。チームの雰囲気は変わりました。

――練習は
本間:
変わりました。運動量が足りていなかったので、FWの運動量を中心に鍛えています。ダッシュが多くなったり、大会に向けて調整しています。

――DFとしては
本間:
DFのシステムの確認をしました。フォアチェックの練習も集中してやっています。昨年は個々が自由なプレーをしていました。今年は決まった形を作っています。スタッフとも話してルールがあります。やってみなければ分かりませんが、楽しみな反面、不安もあります。

――北海道での合宿はどうでしたか
本間:
久しぶりに氷上で練習し、U―18日本代表と練習試合をしました。皆が思考するいいプレーが随所に見られました。

――4年生が抜けた影響は
本間:
DFリーダーの本野さん(亮介氏・平25商卒)が抜けてしまったのは大きいです。自分と光がDFの下級生を教えています。自分自身も頑張って率いています。去年は本野さん1人に頼り切っていました。いざ居なくなるとどうしたらいいんだろうという状態になってしまいました。

――下級生で注目選手は
本間:
松金(健太・法1=釧路江南)はセンスがあるので、どんどん伸びると思います。6番の最上(義崇・文3=八戸商)と3番の大澤(翔・政経2=苫小牧工)は今年頑張ってほしいです。その3人かな。昨年試合に出ていなくて経験不足なところもあると思うけど、使ってほしいです。

――今年の意気込みは
本間:
自分自身将来ホッケーを続ける気はありません。最後の年になるので、全力でやるだけです。

――関東選手権の意気込みは
本間:
正直、東洋が出なくなって決勝まで行けると思います。しかし、いざ決勝で強いところやるのは不安です。一方で練習のつもりでやれる試合が多いので、時間があります。決勝に向けて調整したいです。

――目標は
本間:
もちろん優勝です。まず春を取ります。明治大学なので勝つしかありません。

――最後にファンの方へ一言お願いします
本間:
今女子アイスホッケーが五輪出場で注目されているので、リンクまで足を運んで、明大の応援をよろしくお願いいたします。

――ありがとうございました。

◆本間貴大 ほんまたかひろ 法4 釧路江南高出 186㎝・85㎏