7人出場も実力発揮できず/六大学記録会
先月の全日本ジュニア選手権に引き続いての出場となった小川翔太(政経2=能代工)は「記録を狙いにいくような状況ではなかった」と直前の体調不良も影響し、ベストコンディションではなかった。それでもスナッチでは試合ベストに近い107㎏を成功させ、先月に引き続きトータル240㎏台の記録で安定感を見せつけた。また「このまま記録を落とさないようにして、試合に向けてコンディションを整えていきたい」と、今年は団体戦出場が目標だ。
同じく2年生の大皿健太(法2=明石南)はスナッチで1本目の失敗はあったものの、ジャークでは122㎏の自己新記録をたたき出した。大会の1週間前にも記録を更新し、今チーム内で急成長している選手の1人。今大会では「大皿が一番新記録が出ると思っていた」(奥山俊平・法4=常翔学園)と周りからの期待も大きかった。今後もその右肩上がりの成長ぶりに期待したい。
一方、上級生は足立賢祐(営3=常翔学園)と佐藤光(政経3=宮城県立農業)が記録なしに終わるなど、思うような結果を残せず、肩を落とした選手も多かった。
波部真也(農4=出雲農林)は自分なりに納得のいく結果となった。
就職活動のため島根と東京を行き来する中で、本格的な調整もできないまま今大会に臨んだが、スナッチでは危なげなく2本を成功させ、3本目では自己新記録となる106㎏に挑戦。惜しくも成功には至らなかったが「MAXまでは触りたいと思っていたから良かった」と満足の表情を見せた。また、昨夏からの膝の痛みを抱えながらの試技となったジャークでは1本のみの成功となったものの「久々に129㎏でクリーン乗ったから満足」と感覚を取り戻した。
これまでケガに泣かされることも多かった波部。今もまだケガと付き合いながらの競技生活だが、今年は「生田まで自転車で通学する」とトレーニングも兼ねて、新たな取り組みを始める予定。生田生ならではのトレーニングの成果が楽しみだ。
一方、奥山は5月の全日本学生個人選手権出場を懸け、規定記録のトータル245㎏を狙うも、得意のスナッチでつまずき悔いの残る結果となった。
試合前の調整は順調だった。「大会自体楽しみ」と自信もあった。しかしスナッチの1本目を失敗し「精神的にきてしまった」と、流れを引き寄せられず3本目で107㎏を成功させる。ジャークでは目標のトータル245㎏を取るために130㎏スタートに変更。「練習では123㎏までしか取っていなかった」と大幅な重量増加に不安もあった。それでも「個人戦に出たい。やるしかない」と意地を見せ、130㎏を決める。2本目で自己新記録となる134㎏に挑戦するも「甘くはなかった」とバーベルは大きな音を立て落下した。
「スナッチが全て狂わせた」。得意な種目での思わぬ失敗に悔しさが込み上げた。だが「次は東日本インカレで明治に貢献する」。これまでの努力を無駄にはしない。努力はきっといつか実を結ぶ。
実力を十分に発揮できなかった選手が多かった今大会。だが、シーズンは始まったばかりだ。今大会での反省や課題を胸に、それぞれが再びスタートを切る。
[竹田絵美]
試合後のコメント
奥山
「今日を振り返ると、スナッチはスタート重量を下げて臨んだにも関わらず、1、2本目を失敗して3本目で取るという情けない結果になった。そこは修正していかなければいけない部分でもあって、今日の一番の反省点でもある。ジャークは試合前の練習で123㎏までしかやってなくて、でもスナッチが107㎏で終わったから個人戦の245㎏取るにはジャークで138㎏やらなきゃ届かないから、セコンドの中田(政経4)が130㎏いくって言って、不安もあったけどやっぱり個人戦に出たいっていう気持ちとやるしかないっていう気持ちで臨んだ。いつもよりは調子が良くて1本目の130㎏軽くていけるって思ったけど、2本目の134㎏は自己新だから触るのも初めてだったし、そんなに甘くはなかった。予定はスナッチ110㎏スタートで、練習でも取れてたから余裕だと思ってたけど、いつもより1㎏くらい体重が落ちていて、それが原因でフォームも崩れたりして修正が間に合わなかった。スナッチが全てを狂わせた。自分の得意な種目であるにも関わらず、こういう結果になったのは体重が減っていたのも含めて自分の責任。ただし調整もしっかりしてたし個人戦しか見えてなくて、絶対に取るっていう気持ちでしかやってこなかったから試合自体は楽しみだった。でもスナッチの1本目を落としたことが今まで1、2回しかなかったから精神的にもきてしまった。個人戦に出るという目標で練習をやってきて、吉川(政経2)はずっと一緒に練習していてセコンドにもついてもらって、急きょ中田にもセコンドについてもらったのに、2人には本当に申し訳ないことをした。とにかくいろいろな部分で悔しくて、試合終わってなんとも言えない気持ちになった。次は東日本インカレで明治に貢献できるように頑張りたい。周りから見たら無理っていう可能性の方が高いかもしれないけど東日本インカレの8人に入れるように頑張っていく。新チームについては、新入生が入ってきたから声援も大きくなるし、練習のプラットも変えたから、そういうのが上級生にも刺激になってる。いい雰囲気でやれてると思う。新しく始めたことは、毎日スナッチ、ジャークどちらかの練習を10セット以上やるようにしてる。今年が最後というのもあるし、ナショナルの選手の練習を見ていても回数とかセット数をやっていかないと上にはいけないと思う。今年度の目標はインカレに出ること。3年間明治に貢献できてないから、貢献しないまま卒業するのは嫌だし、明治に送り出してくれた高校のコーチを少しでも見返したい」
波部
「調整入ってから就活が立て続けてあったので、地元で調整はしていたけど本格的にはできなかった。スナッチに関しては安定した試技ができたと思う。ジャークは昨年の夏から膝を痛めて、その痛みを引きずりながらだったので思うように試技はできなかった。でも失敗はしたけど久々に129㎏でクリーンも乗ったから、その点は満足している。地元で調整していた間も調子は良くなかったから、MAXまでは触りたいと思っていて、今回スナッチ3本目の106㎏は自己新だったから触れて良かった。新チームについては練習の体制も変えて、練習量もかなり増やした。みんなが1部でのインカレ優勝を目指してる姿勢でやってるのはすごく感じられる。今年はチームプレーを基本としつつ、4年生がしっかり引っ張っていくようにしようと決めた。今年度新しく始めることは、今年は授業数も少ないから生田まで電車を使わずに自転車で行こうと思ってる。体を鍛えるためにも、1時間くらいかかるけど自転車通学しようと思っている。今年度の目標はチーム全体としては1部インカレ優勝、個人的には階級を下げて国体に出場するので、入賞を狙えるようにしたい」
足立
「調整の持っていき方が悪かった。ずっと調子が悪い中で今日はちょっといい方だったのに、それを生かせなかった自分が悪い。今年度の目標は努力を惜しまないこと。昨年はあまり記録が伸びなかったから、今年は階級を上げるので30㎏くらい伸ばしたい」
佐藤
「もともと腰をケガしてて、無理やり試合に出た。前期は地元の大会の記録会だけだったから、思い切って出たけどちょっと無理があった。昨年は2部からのスタートだったけど、今年は1部。2部に落ちることはできないから、みんな昨年よりも意気込みは強い。今年は本当に頑張らなければいけないっていう雰囲気も出てると思う。昨年は補欠としてインカレに出場したから、今年はちゃんとインカレメンバーとして選ばれたい」
小川
「まずコンディションが整ってなくて、記録を狙いにいくような状況ではなかった。記録は今までの大会よりは下がったけど、だいたいトータル240㎏くらいは取れるようになってきている。このまま落とさないようにして、まだ出られるかわからないけど個人戦に向けて調整していきたい。試合に向けてコンディションをしっかり整えていかないと団体戦でも使ってもらえないから、体調管理をしっかりしないといけない。(新チームになって、新入生が入ってきてしっかり教えなきゃいけないというのと、先輩としてしっかりリードしなければいけないという面もある。今年度の目標は一番はインカレ出場。チームの士気を上げてインカレ優勝を目指していきたい。あとは昨年、種目でトータル23㎏伸びてるから、今年もスナッチ、ジャーク合わせて20㎏伸ばしていきたい」
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