
新星エース・前田が全国の舞台で躍動/全日本室内選手権
アーチェリー部の新星エースの前田は明大から唯一、今大会に出場した。「五輪選手も出場する日本で一番レベルが高い大会。周りの人が射っている弓の音から違ってとにかく怖かった」と日本トップクラスの選手が集う今大会の雰囲気に気おされつつも、1年生ながらインカレインドアに出場したその実力を発揮。合計566点で予選31位となり、予選32位までが出場できる決勝トーナメントに滑り込んだ。予選の点数566点はアテネ五輪銀メダリストで予選35位の山本博選手の564点より高い点数。大学1年生ながら五輪銀メダリストより上位の成績を残した。決勝トーナメント1回戦では予選2位で日本記録保持者の田畑隼剛選手と対戦。「圧倒的なレベルの違いを感じた」と敗北を喫したが、日本トップレベルの選手と戦うことで「すごく良い経験ができた」と収穫を得ることができた。
前田は入部までは全くのアーチェリー未経験者。元水泳選手で東福岡高時代は2011年の山口国体に福岡県代表として200m背泳ぎに出場するほどの好選手だった。しかし膝のケガなどが原因で大学からは水泳から身を引いた。明大入学後、水泳に代わり打ち込めるスポーツを探し「アーチェリーならあまり走らないし、できるかな」とアーチェリー部に入部した。「自分は水泳の経験で体幹が強く、肩甲骨が軟らかい」と持ち前の運動神経で実力を伸ばした前田は昨年11月の新人戦男子未経験者の部で優勝。予選敗退に終わったものの今年2月のインカレインドアに1年生ながら出場した。
リーグ戦まであと約1か月。前田はリーグ戦へ向けて試合後に「自分が明大を引っ張るという強い気持ちを持って臨みたい」と抱負を述べた。チームの目標は関東制覇・王座出場。これからの明大を背負う若きエースが全国の舞台で躍動した。
[森大輔]
選手コメント
前田
(1日目・予選後)
「予選通過はうれしい。弓というのはチューニングされて上手に射ったらすごく良い音がする。この大会は五輪選手も出場する日本で一番レベルが高い大会ということもあり、やはり周りの人が射っている弓の音から違ってとにかく怖かった。予選敗退した全日本学生室内選手権からは1週間たったが、インカレからやるべきことはたくさんあったので、そのことを自分なりに紙にまとめて、練習中に技術面においても精神面においても実践してきた。2、3日前に練習試合があったが、そこで試合の雰囲気の中で自分がどれぐらいできるかを試した。明日の決勝トーナメントは対戦者同士の予選順位の合計が33になるように組まれるが、自分は31位だったので2位の人と対戦することになる。自分の実力では到底及ばないような人が相手になるが、決勝トーナメントは射つ本数が少なくて最初の15本に10点がくれば勝てるということも十分ある。楽な気持ちで10点を射っていければ良いと思う」
(2日目・決勝後)
「相手の田畑隼剛選手は日本記録保持者で自分とは圧倒的なレベルの違いを感じた。やはりアーチェリーというのは10点を狙うものだなということを実感した。この大会に出られて感じることはいろいろあった。技術的な面で上手な選手の射形を見ることができたし、全体的な雰囲気の違いを感じることもできた。学生だけが出場する大会とは雰囲気が違った。1つのミスも許されない大会だった。『9点をどれだけ射たないか』ということを上の選手たちはしていた。リーグ戦まであと1か月強だが、この大会ですごく良い経験ができたので、試合にビビることなく伸び伸びと射ち自分が明大を引っ張るという強い気持ちを持ってリーグ戦に臨みたい」
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