明大初の快挙! 西沢、RCS年間王者に/明治神宮外苑大学クリテリウム

2013.02.19
明大初の快挙! 西沢、RCS年間王者に/明治神宮外苑大学クリテリウム
 ゴールは鮮やかで、そして美しかった。「最高です」(西沢倭義主将・農3=北桑田)。全国から集った強者相手に今大会でも2位と健闘。ついにRCS(ロードレースカップシリーズ)年間王者の座をものにした。

年間チャンピオンに輝いた西沢
年間チャンピオンに輝いた西沢

 
「勝つしかないな」
 落ち着いた走りでチャンスを呼び寄せた。「(プレッシャーは)かなりあった。たくさん応援に来てくださったり、試合前もいっぱいコメントをいただいてこれは勝つしかないなと思って走った」。2位の大中(早大)を50ポイント近く引き離し迎えた最終戦。のしかかった重圧を西沢は力に変えた。位置取り、勝負を仕掛けるタイミング、体力の使い方、集中力――。あらゆる要素がそろった時、勝機は巡ってくる。高まる興奮を抑え、頭は冷静に。前へ前へと積極的な走りで、通過ポイントを奪いにいった。見事6回目のポイント周回では1位通過を決めポイント稼いだ。終わってみれば、名だたる強豪を押しのけ2位でフィニッシュ。思わずガッツポーズを見せた。

(左から)末永と西沢
(左から)末永と西沢

「やはり僕1人では勝てなかった」
 1人でつかんだ頂ではなかった。「彼がいなかったら勝てなかった」。西沢の口からこぼれたのは共に戦った戦友、末永周平(政経3=東北)への感謝の言葉だった。「レース前末永にも結構お願いをしていて、末永もずっと一緒にやってきた仲なので信頼し切っていた。しっかり仕事をしてくれてすごく助かった」。一方の末永は「西沢とは『お互い頑張ろう。気楽に行こう』という感じで、特に話したりはしなかった」。心強い味方は言葉少なに、しかし人知れず決意を胸にレースに臨んだ。きっと互いに信頼を置く彼らだけに通じ合うものがあったのだろう。「やはり僕一人では勝てなかった。ずっとやってきた金井(誠人・法2=日大豊山)と末永と、他の部員にもみんな感謝して、明大にこのジャージを持って帰れるのはすごくうれしい」。チャンピオンはどこまでも謙虚で、感謝の気持ちを決して忘れはしなかった。

さらなる高みを求め走りは続く
さらなる高みを求め走りは続く

「まずはワンステップした感じ」
 念願だったRCS年間チャンピオンの座を手にした西沢。しかし、これは1つの通過点に過ぎない。「インカレに向けていい弾みになったし、まずはワンステップした感じかなと。ここからどんどん勢いを付けてチームロード、個人ロードを勝ってインカレで勝ちたい」。西沢自身現役ラストイヤーを迎えた今年、目指すべき場所はまだ先にある。さらなる高みへ。スタートテープは再び切られた。

[長堀笙乃]

試合後のコメント
西沢

「最高です。油断せずに最後まで走れた。点差が離れていたというのもあるので、余裕もあったが、やはり鹿屋体大など強いメンバーがそろっているので、そこでどれだけ自分が通用するかなと思って全力でやった。今年は黒枝と大中しか見ていなかった。(レースは)トータルで勝てたので2位になれて良かった。レース前末永にも結構お願いをしていて、末永もずっと一緒にやってきた仲なので信頼し切って。しっかり仕事をしてくれてすごく助かった。彼がいなかったら勝てなかった。やはり僕一人では勝てなかった。ずっとやってきた金井と末永と、他の部員にもみんな感謝して、明治にこのジャージを持って帰れるのはすごくうれしい。(13戦振り返って)最後の最後まで分からなかったというのが正直なところで、一戦一戦集中してやることが大変だと改めて思った。一戦一戦楽しかった。(優勝へのプレッシャーは)かなりあった。たくさん応援に来てくださったり、試合前もいっぱいコメントいただいてこれは勝つしかないなと思って走った。インカレに向けていいはずみになったし、まずはワンステップした感じかなと。ここからどんどん勢いを付けてチームロード、個人ロード勝ってインカレで勝ちたい」

末永
「大学対抗のレースということもあって表彰台に乗ることを目指していた。このコースを得意とする西沢を上位に入れようと思っていたが、西沢に続く選手がいなかったのが反省点。(レースは)西沢をサポートしつつ自分も積極的に上位を狙っていこうとしたが、力を発揮できず機能できなかった。コーナーではセンターラインを走ろうと決めていた。(レース前西沢とは)作戦などは特に話し合うことなく『お互い頑張ろう。気楽に行こう』とだけ話した。(マークしていたのは)優勝候補であった鹿屋体大の黒枝と日大、早大。第9戦から部内での選考を兼ねてレースに臨んでいた。(練習は)朝練は八王子方面へ約60km走って、午後は各自自主練という形。今は基礎固めをしようということで、質より量を意識して練習している。シーズンが近くなったら質を上げてきつくしていこうという感じ。最大パワーが足りないので、踏み込む力をつけたい。そのために筋力、特に脚力を付ける。(目標は)RSCとは別の学生ロードランキングで年間1位になること。練習でも後輩の手本となれるよう、最後のシーズン頑張っていく」