(33th Period)インカレ後インタビュー 牛来拓都主将 (前編)
~前編~
――インカレを振り返っていかがですか
牛来:いい準備ができていたし、勝てると思って臨んだけれど、中央とか関西だとかシステムを徹底して、最後まで3ピリ通して落ちないで走るチームに対しては完敗に終わりました。実力があるって言われていたけれど、確かに明治のベストじゃなくてコンディションも良くなかったと思います。ベストでやっていたら勝てたかもしれないけれど、そこに持っていけなかったのは実力だから、本当に考えないと勝てない時代というか、明治も置いていかれないようにやらないと駄目だと感じました。
――今後、チームに必要なことは
牛来:体力面では自主トレをもっと全員が意識してやらなきゃ駄目だし、氷上練習が1時間15分だけだから毎回の練習にどれだけ集中して臨めるかも大事。システム面では明治とか東洋とか(選手が)自由にやるチームが今大会負けているから、スタッフと選手が意思疎通して細かいシステムまで詰めていかないと駄目だと思います。
――チーム全体での陸トレは必要だと思いますか
牛来:チーム全体で陸トレをやってもいいと思うし、今の選手は自主性を履き違えているというか、やっている選手とやってない選手の意識の差があるから、その意識の差を埋めないと駄目。自主性といってもやる、やらないの選択がある訳じゃなくて、自主トレをやることは前提で、やる内容はその選手の足りないところを自分で考えてやるって意味であって、自主性だからやらなくていいって訳じゃないです。来年のキャプテンの光(佐藤・文3=白樺学園)とか副キャプテンの上野(滉太・政経3=北海)とか(自主トレを多く)やる選手の意識に、どれだけ周りの選手がついていけるかが問題。話を聞く限りみんな「頑張ります」って言ってるんだけど、来シーズン始まった時にどれだけの選手が覚えていて、1年間続けられるかが問題です。
――春の関東大学選手権で優勝してから、他大に追い付かれたと感じますか
牛来:春は他のチームも完成してなかったし、個々の能力で勝ったのかなと思います。その時はそう感じなかったんですが…。今年は明治だと思われていたし、いろいろな人から3冠って言われたけれど、他のチームに追い付かれたというか、そこまで差が無かったことを実感しました。あとは秋(のリーグ戦)、取れた大会で慶応に負けて落としたことがインカレに臨む上でも大きかったと思うし、他のチームも(明治を)研究していたと思います。明治は他のチームの研究をほとんどしなくて、明治のホッケーをやるってことを意識していたけれど、他のチームの研究も必要なのかなと思います。
――油断はありましたか
牛来:中央には入学してから初めて公式戦で負けました。1ピリから気持ちは入っていたけれど、2ピリ、3ピリで足が止まってしまいました。でも、それは油断じゃなくて脚力の問題で、1点入れば流れも変わったと思うけれど、なかなかチャンスもつくれなかったし、悔しいけど完敗です。それを全員が受け止めないと次につながりません。実力はあるけど、それを出せなくて負けたって、笑ってみんながそうやって感じていたらどんどん置いていかれると思います。完敗だということを考えてやらないと、明治は強くならないとも思います。
――スキルの高い選手が揃っていたと思いますが、その個々の力をチームの勝ちにつなげられなかった原因は
牛来:明治は1人で最後までやろうとしてパックを取られたり、確かに4年生は良い選手がそろっていたと思うけれど、最後はそれも発揮できなかったし、個々の能力があっても勝てないということです。4年生が抜けてもいい選手はそろっています。でも、それもシステムありきの中で個々の能力を発揮すればいいけれど、自分1人でやろうって考えたらまた同じことになってしまうと思います。
――次の4年生にはどうチームを引っ張ってほしいですか
牛来:キャプテンになった光に関しては、キャプテンになった苦しみはすごく分かります。すごく悩んだし考え過ぎた部分があったから、考え過ぎずにやってほしいです。光はすごく頑張ると思うんだけど、周りの4年生が付いていけるかが問題。それができれば自然に下級生も付いていくと思います。3年生の力がすごく大事なので、4年生の言うことを聞いて同じ意思のもと1年間やれれば。徐々にでもいいから3年生がしっかり協力してあげてほしいです。
――新キャプテンの佐藤選手はどんな選手ですか
牛来:今までは大人しくて何も言わなかったけれど、ホッケーに関しては熱いものをもっていて毎日トレーニングしています。来年は副キャプテンの上野や本間(貴大・法3=釧路江南)とか他の4年生がしっかり下級生を指導して、光は静かにどんと構えてプレーや私生活、自主トレの面で引っ張っていくのかなと思います。
――来シーズン、特に頑張ってほしい選手は
牛来:核の選手がどっさり抜けるけれど、今年出ていた選手もそのまま核になれる訳じゃないです。上野、光、インカレで活躍した大津(晃介・法1=日光明峰)が核になるんだけど、もっと頑張ってほしいです。今年のチームは上位のセットと下位のセットで力の差があったけれど、来年はほとんどありません。全員にチャンスがあって、努力した選手が試合に出るってスタッフもそう思っていると思うから、特に4、5セット目だった選手に頑張ってほしいと思います。そういった選手が努力して試合に出ることで今まで出ていた選手が努力すると思うし、切磋琢磨(せっさたくま)していってほしいです。
――3年生以下の選手に伝えたいことは
牛来:感謝の気持ちを持つことです。何のために明治大学に入ったのかをもう一度考えて、親にも感謝しなきゃいけないと思います。朝の練習以外寝て過ごしたり、遊んでもいいけれど、練習に寝不足で来たり、何のために明治にきたのか、入学して目標が達成されちゃっていると感じます。高校の時、それぞれの高校でエース級だった選手が来ている訳だから、来年はチャレンジャーとして臨む中でも明治のプライドを持って日々の生活を見つめ直さないといけません。あと、今の選手は明治のためにっていう気持ちを持った選手が少ないから初心に戻ってやってほしいです。
――インカレの早大戦が終わって思ったことは
牛来:(準決勝の敗戦から)切り替えるのは難しくて、最後の試合だから頑張ろうと思って臨んだけど、力を出せず、インカレ通して自分本来の力を出せなくて情けないなと思ったし、本当に後悔して終わってしまいました。
牛来:今シーズンは勝てるって言われたけれど、ふたを開けたら春しか取れなくて、チームの状況、環境、意識、システムの必要性を伝えました。また後輩たちにはお世話になったし、寮でもすごく楽しかったので感謝の気持ちでありがとうと言いました。
――4年生はどんな代でしたか
牛来:個性が強くて、うまい選手が多くて、けど問題児が多かったかな(苦笑)。4年生になってからは自覚を持った部分もあったと思うし、頑張っていたけれど、インカレで力を出せず、全員後悔して終わっちゃいました。
――4年間で一番の思い出は
牛来:一番は2年生のときのインカレ優勝です。毎年のインカレにすごく思い出があります。春優勝もすごくうれしかったです。自分たちはもう終わりなので、勝った時の思い出を残して卒業したいです。でも、そのうれしさ以上に下級生には負けた悔しさを忘れないでほしいと思います。去年インカレで負けた時の悔しさを1年間覚えている選手は少なかったと思います。
――学んだことは
牛来:来年から努力しないと駄目な厳しい世界なのでそういった意味では、やらされるんじゃなくて自分でやるっていう習慣はついたし、寮生活の中で協調性が身についたし、キャプテンだったから特に下級生のことも細かいところまで見るようになって、人間として大きくなれたかなと思います。
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