
北大相手に手こずるも、無難に1回戦突破/日本学生氷上競技選手権
流れを見てスタイルを切り替えた。第1ピリオド・第2ピリオドは疲労を軽くするために4セットを回していた。しかし、第2ピリオド終了時の点差から3セット回しに変更。采配は的中した。第3ピリオド開始59秒に、本野亮介(商4=北海道清水)のパスを受けた山田亮太(政経4=武修館)がドリブルで独走。左サイドから中に切り込み、自らゴールを決めた。その1分後には本野がロングシュートを決め、4点目。その後も2点を決め試合を決定付けた。
「準備が足りなかった」(牛来拓都部門主将・営4=北海)と久しぶりの公式戦となった明大。第1ピリオドから思わぬ苦戦を強いられた。右サイドの密集から流れた球を奥平将斗(政経4=釧路江南)が決め、幸先良く先制する。しかし北大のGKを中心とした堅い守りに手こずり、ゴールから遠ざかる。10分過ぎには相手にロングシュートの軌道をゴール前でそらされて、同点弾を許してしまう。
動きは良かったが、決めきれなかった。同点に追い付かれてから明大は大反撃に出る。しかし「ゴール前での集中力を欠いた」(藤井匡智監督)とあとわずかというところで決めきることができない。第2ピリオドでも牛来が冷静に1対1を決めたものの、その1点止まり。相手GKの好守もあり“決める”ことができなかった。それでも「(点を)取れる雰囲気はあった」(藤井監督)と運動量は高く、今後の試合での得点を期待させた。
見事初戦を突破し、優勝まであと4戦。リーグ戦と違い、負けたら終わりのトーナメント。「次につながる試合ができるかどうか」(藤井監督)。決勝を見据えながらも1戦ずつ着実に勝利が求められる。最強世代と呼ばれる4年生。有終の美を飾るためにも、負けられない戦いが続く。
[毛利允信]
監督の選ぶMVP
DF佐藤光(文3=白樺学園)
「安定していたのは佐藤光です。攻守に安定していました」
試合後のコメント
藤井監督
「(今日の試合を振り返って)試合は立教とやったものの公式戦は久しぶりでした。もっとできないかと思っていました。リンクが違ってやりづらかったと思います。寒いので、パスやレシーブがうまくいかない中で、そこそこできていたと思います。(1ピリは1-1というスコアだったが)失点はフェースオフからもっと集中して、対応しなければなりませんでした。引かれたときにシュートコースに入らないといけません。そこは反省材料です。ディフェンスのフェースオフでもっと集中するようにしたいです。次以降はもっと集中できると思います。(多くチャンスを作りながら決められなかったが)シュートは打っても決定的なものも決められなかったのは、点を取るというところの集中力がなかったです。動けていて、運動量もありました。点が入った方がいいけれど、動きがあって点が取れないのは、動きがなくて点が取れない方が駄目なので取れる雰囲気はあったと思います。(セットを変えたのは)流れの問題がありました。2ピリまでは4セットで回していました。ああいう点差でしたので、3セット回しにしました。今日状態がいい選手を使いました。最初は最後まで4セットのままのつもりでしたが、いい流れで3ピリを終えられました。(戦略的にということですか)5試合を戦い抜く戦力で考えないといけません。連戦でケガというのもあります。力を残しながらでも一戦一戦やります。(点数を付けるとしたら)点数取るところで取れなかったというのがありました。しかし50…半分以上はいっていると思います。(次戦に向けて)ダブルヘッダーということを考えなければなりません。朝早いというのはいつも練習もこれぐらいからやっているので問題ないと思います。次につながる試合ができるかどうかです。このチームの悪い部分は集中力が欠けるところです。そういう部分が出てきたら悪い部分しか出てこないです。『やるぞ』という気持ちがあるので、気を抜くプレーはないです。いい部分が出ると思います」
主将としてチームを率いた牛来
「初戦は難しいんですけど、準備が足りなかったです。(普段対戦がないチームですが)そんなにやりづらさはなかったけれど、北大もいいチームで大学生らしくプレーしていました。(得点については)1ピリで外していたし、点を決めたいところでした。1対1のシーンだったので自分が決めて楽にしたいと思っていました。自分も含めてFWが外す場面が多かったので、スコアリングという点は意識しないといけません。(明日は2試合だが)ダブルヘッダーは普段ないですが、まずは朝の日体大戦に勝つことを考えています」
攻守に貢献した本野
「1・2ピリは動きがあまり良くなかったですが、3ピリは良かったと思います。相手も最後ということで気合が入っていたと思います。初戦ということで、秋の課題も反省して、格下相手でも走り勝とうとチームとしては意識していきました。課題は特に無いと思います。今日は中学時代にお世話になった人が来ていたので、ゴールは狙っていました。入って良かったです。4年生が今日は頑張りましたが、それぞれ気持ちが入っていると思うのでいい形でベストが尽くせたのだと思います。また下級生も戦力としてこれから必要になってくるので、もっと頑張ってほしいです。明日も早朝と夕方に試合があり、法政戦はヤマ場になるので、気持ち良く勝って準決、決勝につなげていきたいです」
3セット目に入り攻撃力を向上させた金悠司(文4=苫小牧東)
「まだまだ試合になっていませんでしたが、今日の試合で試合勘はつかめたかなと思います。4年生は最後の試合ということでもちろん気合が入っているし、後輩たちにも“4年生のために”という思いでプレーしてくれています。チームの状態はとてもいいと思います。今年はインカレに向けての合宿はなかったですが、質の高い練習はできたと思うし、こっちに来てからもしっかり公式練習をこなして個人個人のプレーも良くなってきました。4日連続ということで疲れはたまると思いますが、今でやってきたことを全て出し切るだけです。(組み合わせについては)他の学校は関西の学校などと当たりますが、うちは2試合目からいつも戦っている関東の学校と戦うことができるので、早いうちからスピードに慣れることができます。勝てれば力になるしどのチームも力の差はないと思うので、いつも通り戦えば勝てると思います。今日はいつも戦っていないチームとの試合で、北大もいいプレースタイルを持っていて手こずった部分もありましたが、3ピリは自分たちのプレーができて良かったです。(セットの入れ替えについては)監督の考えはよく分かりませんが、自分は1年半以上卓朗(小原)と組んでいて、この組み合わせをもう1回やってみようということだったのかなと思います。自分のセットは5人中4人が4年生ということで壁がないというか、みんな積極的にコミュニケーションを取れています」
先制点を挙げた奥平
「(1点目は)佑輔(高橋・政経2=武修館)からパスが来て、普段ゴールを決めるのに慣れていなかったので慌てたけど、とにかく決まって良かったです。(リンクは)硬いです。パック流れちゃうね。(4年生の活躍が目立ったが)スコア上はそう見えるけど、まだまだ足りないです。(1ピリ以降は)とにかく大事なことを再確認しただけです。相手に合わさず、自分たちのプレーに徹するということです。(途中から3セットで回し始めたが)流れを作るためです。(明日は)とにかく2つ勝って、次もこのメンバーと試合できるようにするだけです。まだ引退したくないので」
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