(27th Period)インカレ直前インタビュー 伊藤、佐藤光

 大学日本一を決める第85回日本学生氷上競技選手権大会(全日本インカレ)が1月6~9日の4日間にわたり、日光で行行われる。秋のリーグ戦は2位と、3冠達成は逃してしまったが、2年ぶりのインカレ制覇へ準備は整ってきた。今回は勝利のカギを握る6選手に行った取材の模様を4回に分けて紹介する。

 第1回目は守りの要GK伊藤優人(商3=白樺学園)とDF佐藤光(商3=白樺学園)。ともに3年生で、チームに欠くことのできない主力選手の2人に話をしてもらった。

―伊藤―
――リーグ戦を終えてどうですか
伊藤:
前半戦は明治らしいというか、おのおのの調子が良くなくて悪循環でした。後半になるにつれて良くはなったんですけど、上がり切らないで終わったって感じですね。

――調子が上がり切らなかった要因は
伊藤:
まずは気持ちの面ですね。意識の高さというか、勝つことに対しての執着心…練習も、もっと頑張れたと思いますね。

――選手権で優勝したことは油断につながりましたか
伊藤:
どうなんですかね…。それもあったとは思うけど、それ以前の話だと思います。自分は春、ケガで出ていなくて、間が空いたのでそれに対する焦りはありました。

――ケガの状態はどうですか
伊藤:
ホッケーをする上では大丈夫です。ただ、靭帯(じんたい)なんで…。この時期は寒いので、ちょっと痛みます。朝起きた時にじんじんすることもあります。

――ケアする上で心掛けていることは
伊藤:
プレーする上では問題無いので、あとはウォーミングアップが重要です。体が固まっていると、またケガしそうなので…。

――メディカルコーチの小川貴裕氏の存在は
伊藤:
試合でも練習でもみんなケガは多いんで、ケアしてくれる人が近くにいてくれるというのはとても心強いです。全力でプレーできますからね。(ケガの箇所が)痛むときだとか、体の調子が悪いときは学校帰りに小川さんの整骨院に行きます。夏場は本当に何度も通っていました。ダンベルも置いてあるので、ウエイトとかもやらせてもらっていました。練習内容とかもいろいろ教えてくれるんですよ。とにかく感謝しています。

――逆転負けを喫した後半戦の慶大戦については
伊藤:
その前の週の東洋にいい勝ち方をしました。次が慶応で格下ということもあり、油断がありました。本来なら同点でいいところを、勝ちに行こうとした結果が悪い方向に行ってしまったって感じですね。あそこで引き分けとけば、優勝もあったなと思います。すごく悔しいです。みんな思っているとは思うんですけど、優勝しなきゃ他は変わらないです。形として準優勝ですけど、4位だったとしても変わらないです。

――最終日の東洋大戦は人一倍悔しがっていたように見えましたが
伊藤:
東洋戦の前で決まっちゃったじゃないですか、順位が。東洋戦は勝つ気持ちが入らず、ただ悔しい気持ちだけでプレーしていたようなもんですから。

――リーグ戦は伊藤選手がほぼ全試合でゴールを守りましたが
伊藤:
昨年は要所要所で加藤さん(昇氏・平24政経卒)と併用される形でしたね。今年はチームの状態があまり良くなく、日大とか日体、慶応相手でもほとんど接戦だったので、経験のある自分が出たのだと思います。永和(佐藤・文2=軽井沢)も出たら出たらでいいプレーするので悪くはないと思うんですけど、多分監督もそっちの方を考えたんだと思います。

――そういう意味で疲れはありますか
伊藤:
ありますね。昨年以上に。1点差だとか接戦とかのゲームだと、精神的にも疲れるんで。試合終わって1~2日休んでトレーニングするようには心掛けました。ただ、ショックとかもありますし、どこかで引きずっていた部分もあったと思いますね。

――リーグ戦を通して課題は見つかりましたか
伊藤:
リバウンドコントロールを持ち味としていたんですけど、チームが崩れていた時はうまくできなかったですね。弾いたのを詰められての失点が多かったです。普段の練習から心掛けるようにはしたんですけど、後半戦入っても完璧に修正はできなかったですね。今もまだ課題です。

――全日本選手権ではプロと対戦しましたが
伊藤:
やっぱりシュートが速いんで、それに対してのリバウンドコントロールっていうよりも捕るので精一杯でした。全然付いていけませんでしたね。このままじゃ駄目だと思えました。

――インカレは早い段階で関東のチームと対戦しますが
伊藤:
秋リーグで経験はしているチームばかりなので、深く考えることはないかなと思います。今回の秋リーグも、前評判が覆されての早稲田の優勝なんで、どこが勝ってもおかしくはないです。決して簡単ではないし、油断しないでいきたいなと思います。

――最後にインカレに向けて意気込みをお願いします
伊藤:
4年生とやるのも最後の大会なんで、最後まで試合して笑って泣かせようかな…と(笑)。とにかく優勝します。

――ありがとうございました。

◆伊藤優人 いとうゆうと 商3 白樺学園高出 172cm・70kg

―佐藤光―
――リーグ戦を振り返ってどうですか
佐藤光:
春優勝して、当然秋のリーグ戦も優勝を目指してやっていきましたが、初戦の早大戦で負けてしまい、気持ちの切り替えがなかなかできませんでした。明治らしいホッケーができなかったです。自分たちの力が毎試合出せなかったのが反省点ですね。リーグ戦だから1戦での負けは許されますが、インカレはトーナメント戦なので絶対に負けは許されません。一試合一試合大切に、全ての試合で120%力を出し切れるチームにならないといけないです。

――リーグ戦準優勝という結果については
佐藤光:
優勝を目標としていたので、準優勝という結果でも負けには変わりません。

――悪い流れをどうやって断ち切ろうとしましたか
佐藤光:
1巡目が終わってからのミーティングで、練習のための練習ではなく、試合のための練習を厳しくしていこうということを確認しました。

――大きな反省点はありますか
佐藤光:
まずDF面としては早い球出しから攻撃のリズムをつくっていくことと、相手に攻め込まれると苦しくなってしまうので、1対1で勝って次の攻めへとつなげていくことです。FW面としては、試合で足が動いていないことが多いので運動量を多くしていくことですね。まずFWが動いていかないとチームの流れが出てこないので。

――逆に良かった点はありますか
佐藤光:
特に後半戦で追い詰められてからの底力と、1点に対する執着心を出せたことです。どんなに点差がついてしまってもそこで諦めずに戦うことがとても大切で、後輩たちもそういう先輩の姿を試合で見ていると思います。追い詰められてからの爆発力は明治の持ち味でもありますが、追い詰められなければ力が出せないチームでは意味がありません。一戦一戦常に力を出し切るという点はインカレへの課題にもなりました。

――後輩の成長について
佐藤光:
1年生で既に試合に出ている選手はチームに欠かせない選手です。しかしもっと1、2年生が試合に出ていかなければならないです。今のチームはFWもDFも4年生が中心のチームですが、来年のチームのことを考えると、試合を経験していない選手がいるようではいけません。自分の長所を生かしたプレーを見せたり、他の選手の良いところをまねしてみるだとか、練習から『自分が試合に出るんだ』という意識を全員が持つことが大切です。全員がそういう意識を持っていれば、試合に出ている選手も自然と危機感を持つようになり、チーム内での競争、さらにはチームの成長へとつながると思います。試合に出たからこそ得られるものもあるので、もっと1、2年生には試合に出てもらいたいですね。

――全日本選手権について
佐藤光:
主力で試合に出ている1年生がU-20で抜けていたこともあり、試合はぼろぼろでしたが、チームとしての課題も見つかり、いい経験になりました。プロのチームとの差は、パスレシーブとシュートの正確性、コーナーでの1対1の強さですね。パックを持っている選手以外の選手の運動量も多く、正確さと運動量では圧倒されてしまいました。個人としては相手FWに対応し突破できた部分もありましたが、まだまだです。個人のスキルアップがセット力アップにつながると思うので、個人で力を付けていくことも大切だと感じました。

――インカレでヤマ場と予想する試合は
佐藤光:
順当にいけば、3回戦で対戦する法大戦ですね。秋のリーグ戦でもギリギリの試合をしてしまいましたし、気を抜いたら勝てない相手です。緊張するとは思うので、3、4年生がしっかりリーダーシップをとっていかなければなりません。

――インカレに向けてどのような練習を行っていますか
佐藤光:
授業やU-20などで選手が抜けていたこともあり、人数が少ない中での練習でしたが、今週(17日)から全員そろっての練習となります。もっとチームとして連携を高めていきたいです。

――佐藤選手自身としてどういったプレーを見てほしいですか
佐藤光:
早い球出しと1対1での粘りです。ただがむしゃらにプレーしていては駄目です。早い球出しとパス回しから全員が足を動かして、層の厚い攻撃を仕掛けていきたいです。

――4年生にとって最後の大会ですが、4年生に対する感謝の気持ちは
佐藤光:
まず牛来さん(拓都主将・営4=北海)とは昨年から同じセットでプレーしていて、セットで問題があった時にはいつもDF面での相談にも乗ってくれました。本当にチーム思いの方だと思います。また一番身近にいてくださった先輩はやはり本野さん(亮介・商4=北海道清水)だと思います。もともとFWだった本野さんは自分とスタイルが全く違い、本野さんのプレーや聞いたことは本当に勉強になりました。自分に成長の場を与えてくれた先輩ですね。尊敬する部分はあり過ぎて挙げ切れません。個人でもチームでも負けず嫌いで、ホッケーに対する熱意を誰よりも持った先輩でした。感謝の気持ちは伝え切れないです。

――インカレへの意気込みをお願いします
佐藤光:
インカレでは優勝は大前提だと思っています。また個人としてはベストDFを取ることが目標で、そのためにもDFのリーダーシップをとり指示を出してまとめていきたいです。本当に一戦一戦を大切に。全ての試合で100%の力を出して、4年生のためにも、そしてチームのためにも貢献できるよう頑張ります。

――ありがとうございました。

◆佐藤光 さとうひかる 文3 白樺学園出 168cm・70kg