
死闘を制し初戦突破/全日本大学選手権大会
前半は「経験不足」と神川明彦監督が言うように緊張していたのか開始直後にミスが起きる。前半4分にGK三浦龍輝(商2=FC東京U-18)がボールをこぼし、そこに相手がシュートを放ちいきなり1点を失ってしまう。その後は明大のリズムを取り戻し、明大はチャンスをつくるが、相手の堅固な守備を崩せずシュートに持ち込めない。前半31分には三田啓貴(政経4=FC東京U-18)が強烈なミドルシュートも相手DFが体を張ってゴールを守る。一進一退が続きこのまま前半が終了するかのように思われた前半45分。和泉竜司(政経1=市立船橋)そして三田とボールをつなぎ、最後はボールが相手に当たってそのままゴールネットを揺らし、1-1と試合を振り出しに戻した。
後半は攻撃と守備が素早く入れ替わる速い試合展開になる。その中で後半14分。相手の素早いカウンターからのドリブルを止めようとし、相手を倒してしまいPKを取られてしまう。このPKを決められてしまい1-2と勝ち越される。しかし明大はここからリーグ戦後半で見せた本来の強さを発揮、一方的に相手ゴールに向かって攻め立てる。しかし相手の守備は堅固でシュートまで持っていくことができない。点が取れず時間が過ぎてしまい、動きが遅くなってきた後半41分。ゴール前で三田から後ろから走りこんできた岩渕良太(文4=FC東京U-18)がボールを受け取り、シュートを放つ。これが同点弾となり2-2と追い付く。そのまま試合は延長戦に突入する。
延長戦前半も後半の勢いそのままに明大が攻めるが、中京大も全員でゴールを死守する。攻撃を続けていた明大だが延長前半の終わりには相手のカウンターに対応が間に合わずシュートを打たれる。ここはGK三浦がファインセーブ。どちらも点を決め切れず延長前半を折り返す。
延長後半も明大は全員で中京大ゴールを目指し攻め続ける。そんな中で途中出場の2選手がチャンスを生む。延長後半7分、途中出場の石原幸治(政経2=市立船橋)がドリブルでボールを運び、最後にこれまた途中出場の上松瑛(政経3=洛南)が豪快なシュートを決める。これで3-2としてこのまま逃げ切るかのように思えたが、全国の舞台は甘くはなかった。延長後半終盤に4点目を奪う積極的なプレーができなかった明大は延長後半のロスタイムにまさかの失点。これで試合はPK戦にもつれ込む。
PK戦では三浦が1人目を見事に止めていい流れをつくり、明大は4人成功。中京大は2人失敗して4-1で2時間を超える死闘を制した。
明大は1回戦を粘り強く戦い、勝ち進んだ。12月22日に行われる2回戦の相手は福岡大。昨年度逃してしまった本大会での優勝を紫紺の選手たちは一丸となり目指す。
[河村隆之]
試合後のコメント
神川監督
「初戦で中京大は夏も全国大会出ていてムードだったりとかに慣れている。中京大が自分たちの試合ができているのに対して明大はまだまだ幼稚なところがある。今日は全国大会初スタメンの選手が多くいて、経験不足がかなり形に出た。後半で岩渕を少し下げたのはネガティブな変更だった。三田は気持ちが入り過ぎるとミスが増えたりするので落ち着いてプレーできる岩渕を下げた。メンタル的な面で中京大が試合を支配していた。まだまだ明大は精神的な面で幼稚。でもそんな中で今日は勝ちをもぎ取れたのでそれは石原だったり上松が救ってくれた。今まで積み重ねてきた総合力がこういう形で表れて良かった。次の2回戦までに頭を冷やしてメンバーも考えて総合的にやっていきたい」
岩渕
「2点目はどこかで前に出て点を取るしかなかったので思いっ切り打った。こういう負けたら終わりの大会だったので途中から三田を前に上げて自分はバランスを取った。シュートがチャンスの割に少なかったがそれは意識が低かったから。もっと打てる場面があった。そこは試合の中でも気が付いて声を出して言うようにしていた。もっともっとシュートを打たなければならない。前半の失点はもったいない。ゲームプランがちょっと崩れたりしたがその後が悪いということはない。少しそわそわした時間帯があったがその分冷静になった。2回戦に向けてしっかり休む」
三田
「今日はすごいブロックを敷かれてなかなか中を崩せない試合だった。前半は特に。後半はより攻撃的なポジションに移って自由にプレーできた。PK戦では3番目だったので1本目と2本目を見てGKが蹴る前に動いていたのでサイドに蹴るより真ん中を狙った方がいいと思いやった。昨年度は専大に負けて準優勝だったので今回は優勝をする」
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