不完全燃焼…朝日大に敗れ無念の3回戦敗退/全日本大学男子選手権

背中でチームを引っ張ってきた澤田主将
ここで終わるはずがない、と誰もが信じていた。それだけに後味の悪さは大きかった。第1セットは中盤、澤田潤主将(商4=浜松日体)のクイックや大塚陸(政経3=日本航空)のスパイクポイントなどでリードを奪う。24―19と最後は相手のスパイクアウトでこのセットをものにする。しかし、続く第2セットから朝日大がじわじわと力を見せ始める。序盤は杉本匠(政経2=聖隷クリストファー)のバックアタックが決まり8―4とリードを奪うも、徐々に相手のスパイクが決まり出し15―15。ついに同点に追い付かれ、ここから一進一退の攻防が始まる。ピンチサーバーとして與崎風人(政経1=鹿児島商)を、有田賢史(政経2=福大大濠)に替えて牧瀬圭祐(文4=藤沢翔陵)をワンポイントで起用するなど流れを引き寄せようとするも、相手も一歩も譲らない。しかしついに有田のブロックで24―23とマッチポイントを迎えるが、最後の1点がなかなか奪えなかった。取っては取られを繰り返すうちに、今度は逆に相手にマッチポイントを許し、ついにこのセットを落としてしまう。そして迎えた勝負の第3セットだったが「勝ちたい」という強い思いが裏目に出てしまったのか、明大はミスが目立ち始め、流れは一転朝日大へ。2―7と、大きく点差を離されたところで飯塚渉太(政経3=相馬)を投入。有田のサーブから飯塚がダイレクトで決めるなど、一時は12―14まで追い上げたものの、この日はいつもの安定感にを欠いた。そして再び12―19とリードを奪われる。それでも最後の意地を見せたい明大は、澤田のブロック、クイックで3連続ポイントが決まり19―22。しかし焦りからか、決めたいところでミスが目立ってしまった。終わってみれば最後は相手に3連続ポイントを決められ、虚しくも試合終了のホイッスルは響き渡った。この結果、明大の3回戦敗退が決まった。不完全燃焼――。本来の力はこんな程度ではなかったはずだ。今大会を一言で振り返るならこの一言に尽きるだろう。

あと1歩勝利に届かなかった
9日最終日には決勝戦が行われ、筑波大が3―0で慶大を下し、7年ぶり9度目の優勝を果たした。また3位には専大を破った早大が輝いた。
「毎年何が起こるか分からないのがインカレ」。今年もまた波乱は起こった。明大も含め昨年ベスト4に入ったチームは、今年は1チームもベスト4には残らず。組合せをはじめ、運が左右することは言うまでもない。しかし今大会を振り返ってみると、最後まで勝ち上がってきたチームには確かに強さがあった。

インカレ優勝は後輩たちへと託された
最後こそ有終の美とはならなかったが、黒鷲旗全日本男女選抜大会では強豪JTサンダースを相手にフルセットの末勝利を収めるなど、歴史に残る快挙も達成した今年度。4年生でスタメンとしてコートに立っていたのは澤田1人だったが、プレー以外でも4年生がチームに残したものは大きいはずだ。「背中でチームを引っ張っていけるような主将でありたい」と話していた澤田が、4年間を振り返って残した言葉は「絆」。誰よりも部のことを第一に考えた、チーム思いの主将にぴったりな言葉だ。4年生は今大会で引退を迎えるが、4年生の最後の言葉はしっかりと後輩たちの胸に刻まれたに違いない。この悔しさが原動力となれば、来年の明大は必ず強くなる。「インカレ優勝」の目標は、新チームへと託された――。
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