王者相手に敗戦 インカレへ向け課題残す/全日本選手権

 王者の壁は高かった。今大会3連覇中の日本製紙クレインズに7-1で敗れ、初戦で姿を消した。序盤はプロ相手に互角の試合運びを見せ、第2ピリオド途中には1点差まで詰め寄る場面もあった。しかし第3ピリオドでは立て続けにゴールを奪われ、力の差を見せつけられた。

 レベルの高さを実感した。藤井匡智監督、牛来拓都部門主将(営4=北海)ともに学生とプロの差に「パックへの執着心」を挙げた。「何とかパックを奪っても簡単に取られてしまう場面が多かった」(藤井監督)と、一つ一つプレースピードの速さに加え、明大陣内深くまでパックを追いかける姿勢は、学生との戦いでは体験できないものだった。2点差で迎えた第3ピリオドでは相手の豊富な運動量の前に、足が止まってしまい4失点。牛来主将は「序盤は良かったけど、最後は力の差が出た」と、悔しさをにじませた。

 守備とは対照的に、攻撃面では収穫もあった。試合序盤から自慢の素早いパス回しで攻撃の形をつくった。第1ピリオドでは、この試合動きが目立った上野滉太(政経3=北海)が自陣から相手DF4人をかわすドリブルで決定的なチャンスもつくる場面も。第2ピリオド12分にはゴール左手前でパスを受けた本野亮介(商4=北海道清水)が冷静にシュートを決め、1点差に詰め寄った。「1対1やアイディアの部分は負けていない」(本野)。プロとの戦いで手応えもつかんだ。

 インカレへ向け、調整は最終段階に入った。例年2月に行われる今大会だが、今回から12月開催へ変更に。「初めてこの時期に全日本をやったが、インカレ前に強い相手と試合ができて良い経験になった」(牛来)。大津晃介(法1=日光明峰)、大椋舞人(法1=白樺学園)ら1年生5人がU-20代表で抜けた中だったが、プロ相手に公式戦を戦えたことはチームの成長につながった。組み合わせも決まり、インカレ開幕まで1カ月を切った。「やろうとしていることがまだできていない。来週からしっかりと準備をして良い形でインカレに臨みたい」(藤井監督)。今チームの集大成に向け、2年ぶりのインカレ制覇を目指す。

インカレ組み合わせ
 1月6日(日)1回戦 対北海道大 14時開始予定 日光・霧降アイスアリーナ
 1月7日(月)2回戦 7時開始予定 日光・霧降アイスアリーナ
        準々決勝 17時開始予定 日光・細尾ドームリンク
 1月8日(火)準決勝 13時開始予定 日光・霧降アイスアリーナ
 1月9日(水)決勝 11時半開始予定 日光・霧降アイスアリーナ

[桑原幹久]

試合後のコメント
藤井監督
「もっとチャレンジできたと思います。結果うんぬんよりもっと力を引き出してあげたかったです。1年生がU-20で5人いない中、この4セットのメンバーで試合に臨みましたが、1年生の勢いが生きてくるチームなので、その面が出せなかったのは残念でした。試合に臨むにあたって、いいチャレンジをしていこうということを意識していたのですが、チャレンジが足りなかったし、もっと点も取れたと思います。プロと学生の差はパックへの執着心に大きく違いを感じました。うちは簡単にパックを取られてしまっていましたが、相手はそうではありませんでした。単純にスピードの面では変わらないと思います。ですが、一歩目が速く、連続してその動きを1歩2歩とできることが学生とプロの違いだと思います。上野はチャンスが少ない中、スピードが目立っていました。プロ相手にこれだけできるなら学生との間でももっとできると思います。インカレに向けてまだやろうとしていることができていないので、3ピリオド戦い通せる体力を付けていきたいです。インカレは勝たなきゃいけないプレッシャーと、トーナメントで日程がタイトなので厳しい戦いになると思います。インカレまであと1カ月ほどありますが、1年生も入れて良い形で本番に臨みたいと思います」

牛来
「1ピリから戦う気持ちが足りなくて、2ピリはみんな頑張ったのですが、3ピリで力の差が出ました。もっといい勝負ができたと思うし、悔いが残ります。チャンスもつくったと思いますが、運動量やスピードの差がありました。あとはパックに対する執着心です。12月開催は初めてでしたが、インカレ前に強い相手と試合ができていい経験になりました。来週からインカレに向けた練習が始まります。秋リーグの後半は残り数分で逆転したりという試合が多かったですが、1ピリからそういうプレーができるようにしたいですし、FWの運動量があればできると思います。インカレで勝つことだけを考えていきたいです」

本野
「結果は7―1でしたが、それほど力の差はないと思いました。ですが、だらしない失点が多かったのですっきりしないです。プロとの差はプレースピード、特にパススピードの面で大きく感じました。逆に1対1やアイディアの面では負けてないとも思いました。得点についてはたまたまパスが来たのでいいコースにシュートが打てて入ったかなという感じです。1点取ったあとすぐに取り返されたので、そういう面もうまいと思いました。インカレに向けては守備が圧倒的にひどいと分かったのでチーム内で話したりビデオを見たりして修正していければインカレ優勝にも近づいていけると思います」