悲願達成!堂々の日本一に/全日本学生選手権

2012.11.27
 6年ぶりに栄冠を手にした。大阪府立体育会館で毎年行われる団体インカレ。選手たちはこの大会のために1年間鍛錬を重ねたと言っても過言ではない。「全員の目を見ても優勝したいという気持ちがすごく伝わってきた」(岡部力樹也主将・文4=東大阪大柏原)。部員全員が一つとなって準決勝、決勝の接戦を制し、見事優勝を果たした。

 「流れはできていた」(岡部)。準々決勝までは圧倒的な強さで他校を寄せ付けない。準決勝の相手は昨年度優勝校の早大。先鋒(せんぽう)・大石健作(文3=初芝立命館)が2―0で勝利し流れに乗った。次鋒(じほう)の栁口憲太(商2=長崎西)は早大の主将を相手に一本の失点しか許さず、中堅の石田圭吾(文1=大商大堺)は試合終了5秒前にポイントを奪い完全に明大のペースをつくりだした。結果、4―2で決勝へとコマを進める。

相手はやはり中大であった。春の東日本リーグ戦では勝ったものの、全国大学選抜選手権では2―1で惜敗。後期に入っても東日本大学選手権で苦杯をなめさせられた宿敵だ。先鋒(せんぽう)は変わらず大石。中盤、組み技で一本を取られるも安定した強さで白星を挙げ、トップバッターとしての責務を果たした。準決勝と同様、波に乗りたい明大であったが次鋒(じほう)・栁口は1―2で敗北。参鋒(さんぽう)の石田も上級生相手に勝ち切れず引き分けに終わった。そんな中、中堅で登場したのが先日の新人戦で最優秀選手賞を受賞した榊原亮(法2=大阪桐蔭)だ。開始早々に面突きで一本と良いスタートを切るもすぐに取り返されてしまう。しかし最終的に勝負を制したのは榊原。素早い面突きで二本を先制した。続く参将・平松直明(法4=清風)が1―1で引き分け、ここでチームカウントは2―1。あと一つ勝てば明大の優勝が決まる。この重要な局面を任されたのは副将・大貫洋平(文2=東海大相模)だ。この日はここまで全て2―0と快勝していた。勢いづく大貫は、東日本学生個人選手権でベスト4に入賞した目黒(中大)を相手に得意の立ち技で続けざまに二本を奪取。明大の勝利を決定づけた。

 そして最後に登場した大将・岡部。この試合で4年生は引退、岡部にとっても最後の試合となる。「選ばれた選手だけでなくマネジャーを含めて明治のみんなで戦う」(岡部)。部員全員の思いを乗せてマットに立った。試合は両者一歩も譲らない展開。試合を動かしたのは岡部の突きだった。一本を先取し明大サイドが沸いた。時間は流れ、そのまま試合終了。岡部が有終の美を飾った。

 「今年のメンバーがこいつらで良かった」(岡部)。試合後、体育館に響く明大の校歌に選手たちは涙を浮かべた。来年以降は追われる立場となるが「今日は下級生がいい試合をした。十分チャンスはある」(高村潤監督)と、狙うのはもちろん連覇だ。「日本一になったという自信を持ってほしい」(岡部)。岡部メイジから大石メイジへ、バトンは最高の形で渡された。

[関本紗希]

試合後のコメント
高村潤監督

「やはり選手一人一人が自分の持ち味をしっかりと出すことができた。勝因は積み重ねてきたこと。春から1年間、4年生がリーダーシップを持ってやってくれたお陰で。春の東日本リーグ戦で優勝して全部いけるかと思ったがそんなに甘くはなかった。やはり中央も早稲田も強い。今一度夏合宿を含めてみっちり仕上げてきた結果だと思っている。(4年生に対しては)優勝して最後に結果を残したがもっともっと彼らはできたはず。本当に社会に出てからもこの経験を生かして、逃げようとするもう1人の自分に負けないように一生懸命まっすぐ進んでほしい。(来年度は)今日活躍した大石、大貫、柳口、石田…彼らが良い試合をしたので4年生が抜けても十分チャンスはある。しっかり練習を積んでいきたいと思う。あとはケガ人が直前に2、3人出てしまったのが厳しかった。でもいろんなことが起こって当たり前なのでどういうことがあっても信念を曲げないで。今日は先鋒(せんぽう)・大石、大将・岡部と、今年のキャプテンと来年のキャプテンが軸で明治の拳法になっていた。また良い試合ができるように頑張ります」

岡部力樹也主将(文4=東大阪大柏原)
「結果として一番良い優勝で終われたから良かった。流れとしてはできていた。後輩が頑張っていてあとは4年生が頑張れば優勝できるとずっと思っていた。今日試合して全員の目を見ても優勝したいという気持ちがすごく伝わってきたので、それが大きい。明治は中央によく負けて、中央を意識して練習してたからそれが決勝でああいう形で出たのだと思う。(加藤は)1年の時から白帯で府立に出ていて、推薦ではないけど推薦みたいな感覚があった。やはり4年間一緒にやってきてその成長も自分が一番見てきたからあの場所に一緒に立てれば良かったと思う。試合は出ている選ばれた選手だけではなくマネジャー含めて明治のみんなで戦うものだから加藤はケガをしたけどそれは切り替えてチームのためにいろいろな動きをしてくれたのがいい方向に動いた。それでも最後だから一緒に戦いたかった。自分が4年生になった時に3、2、1年のメンバーがこいつらで良かったと思う。強いキャプテンではいられなかったけど常にこいつらが支えてくれたというのがあったから力にもなった。それで最後ああいう形になったと思うのですごく感謝している。今日の試合を見ていても1、2、3年生が白星を挙げてきて勝つというのが多かったし、やっぱりあいつらは強い。自信を持ってほしい。日本一になったという自信を。今日のことが次の試合とかでも、自分はあそこで勝てた選手だ、あそこに立てた選手だということを自信にしてくれたらうれしい」