
箱根へ向け着々と/1万m記録挑戦競技会
9組では横手が3000m付近から集団の前方に出て、先頭集団でレースを展開した。最後は宮坂(専大)のスパートにも付いていき、タイムは29分38秒70。故障明けのレースだったが「(横手は)上出来」(西弘美駅伝監督)と予定通りの走りを見せた。
13組は序盤から松井智靖(営2=世羅)が集団を引っ張った。6000m過ぎからは粘りのレースで、初の1万mは29分18秒75。対照的に牟田祐樹(農1=西武学園文理)は3000mで集団から遅れながらも後半徐々にペースを上げ、29分28秒68で自己ベストを更新した。
最終15組は明大勢4人が28分台を記録。序盤は菊地、有村が先頭集団を引っ張った。5000mからは有村がピッチを上げ、集団のペースを握った。縦に長い隊列でレースは進み、集団中位にいた北、文元も7000mから前方へ。終始前方をキープしていた大六野を含め、最後まで明大勢が躍動した。8000mで集団からはやや遅れた菊地も、29分02秒15と復帰レースをしっかりとまとめた。
12月上旬の富津合宿を経て、チームはいよいよ箱根へと向かっていく。
[松隈遼平]
試合後のコメント
古谷紘一監督
「西さんも言っていたけど、今日は記録を狙う大会ではないので。木村なんかは遅れたけど、別に大丈夫。有村とか大六野、北なんかは予定通り、ペース守って走れたんじゃないかな。最後の組は余裕があるように見えたし、5人は箱根に向けても有望かな」
西駅伝監督
「(横手は)上出来。1km3分ペースで行きなさいと言っていたけど、最後のビルドアップもできてね。(最終組で28分台が4人出たことについては)そんなに速くなくていいと言っていたけど、落とさないで行って、体がそれ以上に動いて余力が十分にあったというところは良かったんじゃないか」
山本豪コーチ
「15組の選手については、ちょっと走り過ぎたかなという感じ。菊地も故障上がりの割にはずっとレースつくってくれたし、あれが後輩たちの好記録にもつながったと思う。15組は言うことなし。14組の木村はだいぶ物足りない。最後離れてからのペースダウンが激しいし、ラストも切り替えができていない。13組、松井はレースずっと引っ張って、勝負どころで周りがペースアップして、という流れはしょうがない。その中ではよくまとめて走った。十分合格ライン。牟田はラッキー。たまたま前がこぼれてきて拾った感じ。田中、山田稜については、(先週の上尾ハーフから)続けてのレースで疲れていたと思う。(箱根に向けて)大事なのはこれからどれだけ疲れが出るか。これからの練習の方が大事。選手の力は良いところまで来ている。ピークをちゃんと持ってこられるかどうかがカギになってくる。今日の結果で期待が高まってきているから、チーム全体で大きな流れをつくって、波に乗っていけたらと思っている」
菊地
「故障明けということで西監督には29分前後の設定を出されていた。個人的には28分台を出すつもりでいたので最低限の結果。体の状態も60~70%までは来ている。後半は少しきつかったので、箱根までの残りの期間でしっかり合わせていくだけ」
田中勝大(文4=上野工)
「(今日のレースは)全然駄目。体が動かなかった。先週もあまり動かなかったので、課題は同じ」
北
「今日は28分台を出すつもりでいた。西さんには29分台でいいとは言われていたが、ここまで来たら自己ベストは出したかった。ただ、目標の28分台は出せたし、今日は余裕を持って走れた」
有村
「(今日は)西さんから余裕を持ってレースに臨めと言われていて、その通りのレースができた。設定タイムの28分50秒も守れた。最初は菊地さんが引っ張ってくれたのに付いていって、後半(のスパート)につながった。調子は良過ぎても走れない。ほどほどで来ていて、良いレースができた。今日のレースで自分の走りに自信がついた」
大六野
「今日は9割くらいの力で走るという指示だったので、余裕持って最後出し切ることなく走って、記録も50秒切れたので良かったと思っている。目標が達成できたので、今日の走りは80点。後半少しきつさがあったので、それが20点分」
文元
「前半は抑えて入って、菊地さんに良いペースで引っ張ってもらって、良いリズムで走ることができた。ラスト3kmからしっかり先頭に出てスピード出すことができたので、箱根につながるレースができたと思う。タイムも1万mのデビュー戦ということで、そこそこ良い走りはできたと思う。課題はラスト1000mで体が硬くなったので、そこをしっかりリラックスして走れれば良かった」
松井
「東海大の早川さんが引っ張る展開だと思って臨んだので、結果的に自分が引っ張るレースできつかった。良くも悪くもなく70点といったところ。スピードも粘り強さもまだまだ足りない。ただ、初めての1万mだったし、練習の一環として出たので最低限のレースはできた。トラックも強くなるには、ぐるぐる回るのに耐える忍耐力が必要」
江頭祐輔(商1=佐賀県立白石)
「(今日のレースは)最初引っ張ったが、半分過ぎから後ろに下がってしまった。そこから気持ちが切れてしまった。牟田が自分を抜くとき(付いてこいと)合図をしてくれて、下がっちゃいかんなと思った。そこで少し持ち直した。もともと引っ張って、ペースをつくるタイプ。途中から松井さんが出て、乗っかろうと思ったけど駄目だった。前半賭けに出たが後半落ちてしまった。明大でのトラックレースは初めてなので、これを力にしたい。(意識する同期は)木村、山田稜。木村はもう(3大駅伝を)2つ走っている。山田は同じ九州出身で、高校では負けたことはなかったが、大学で故障してから追い抜かれてしまった。このまま負けたくない。うまく刺激し合えれば良い」
木村慎(商1=浜松日体)
「調子悪い中で積極的に前へ行けたのは良かったが、きつい中で後半粘れなかったのでそこが駄目だった。目標タイムは29分30秒以内だったが、それと比べるとタイムも良くなかった。箱根に向けては今回体調、タイムが良くなかったので修正して、出雲、全日本2つの駅伝の経験を生かしたいと思う」
牟田
「体があまり動かなくて集団に付いていけなかった。1000mから体が動かないことに気付いたので、後半上げるレース展開に変えた。そういう意味では積極的なレースではなかった。ただ、自分のペースで走れたし、夏の走り込みの成果は出ていると思う。レース後の感覚からしても、もう少し距離が延びてもいける気がする」
山田稜(理工1=九州国際大付)
「タイムは全然駄目だった。前半は良い感じだったが、後半粘れなかった。監督からは今日は8割くらいで行って、あまりきつくないように余裕持って走れと言われたが全然できなかった。29分30秒を目標としていた。課題としてはコースの位置取りをもっとうまくできるようにすること。箱根に向けては16人に入れるか入れないかというところなのでしっかりこれから練習などでアピールしたい」
横手
「今日は練習のつもりで走ったが、走り出したら意外と余裕があった。最後のスパートも付いていけたが余力を残した感じ。西監督からは29分40秒ぐらいで来るように言われていたので、予定通り。調子はまだ50%ぐらいだが、思っていたよりは良い。ケガに関してもまだ不安はあるが、大丈夫そう。これから調子を上げてメンバー争いに加わりたい。もちろん走るつもりで。区間賞、総合優勝が目標」
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