今季1度も勝てなかった専大倒しベスト4決める/全日本大学選手権

今季1度も勝てなかった専大倒しベスト4決める/全日本大学選手権
 ベスト4を懸け、今季0勝3敗の専大と対戦した明大。前半から明大ペースで試合が進む。第3クォーターは一時リードされたものの、残り6分20秒、中東泰斗(文2=光泉)のバスケットカウントから怒とうの攻撃を見せる。終盤、3点差に迫られたものの、何とか逃げ切り、準決勝進出を果たした。

 スターターは、安藤誓哉(情コミ2=明成)、中東、目健人(政経3=京北)、西川貴之(情コミ3=東海大附四)、皆川徹(営2=京北)。

落ち着いてフリースローを決めた安藤
落ち着いてフリースローを決めた安藤

 接戦を制した。第3クォーター終了時に10点のリードを握ったものの、第4クォーターで徐々に点差を縮められる。残り1分10秒、安藤のパスを受けた中東がゴール正面から3Pシュートを沈め76―69とし、勝負を決定付けたかに思われた。しかし、4年生の館山(専大)が執念を見せる。残り50秒、3Pシュートをリングに沈め、ここから専大はファウルゲームに持ち込む。安藤が落ち着いてフリースローを決め78―72。残り15秒、またも館山が無理な体勢から3Pシュートを決め78―75の3点差とする。すると、中東が与えられたフリースローを2本とも外し、専大のファウルゲームが成功した形に。しかし、何とか守り切った明大。館山の3Pシュートは外れ、78―75で準決勝進出を決めた。

 明大が作戦通りの戦いを見せた。「宇都(専大)をどう抑えるか」(塚本清彦ヘッドコーチ)。3年連続得点王のスコアラー・宇都を抑えることが最大の課題となった。試合では高橋(専大)を離し、宇都にダブルチームを掛けてドライブによる得点を防ぐ。結果、リーグ戦では平均23・11得点の宇都を10得点に抑えた。インサイドでの得点も抑えた明大。チームを引っ張る2年生の中東は「言われたことがこなせるようになれば今日のような結果に出てくる」と笑顔を見せた。これまでチームに与えられたミッションを40分間やり切れなかった明大にとって、この試合は一つ成長を見せたものとなった。

好調を維持する中東
好調を維持する中東

 今季、関東トーナメントとリーグ戦で1度も勝てなかった専大に勝利した。関東トーナメントではベンチメンバーで戦う余裕を見せられ30点差で敗退。リーグ戦1クール目は接戦で敗れ、2クール目は惨敗となった。そして今日の試合。明大の積み上げてきた経験が専大との戦いを通して目に見えるものとなっている。

[野田樹]

試合後のコメント
塚本ヘッドコーチ

「(今日の試合について)今日は陽(高橋・専大)を離して、宇都にダブルチームを掛けた。館山(専大)よりも宇都にディフェンスのリズムを崩される。そのコンセプトを選手たちが40分間遂行することができた。オフェンスではインサイドが頑張ってくれた。誓哉(安藤)が徹(皆川)をうまく使った。明大は誓哉と、泰斗(中東)、徹がリーダーのチーム。清水(隆平・法3=光泉)が出てきてくれたのも大きい。(明日について)気持ちの面で間違った方向に連れていってはいけない。自分たちはインカレをインカレとして捉えていない。来年も同じチームだから、どのように強くなるか、どのように練習すればいいかを第一に考えていく」

安藤
「(今日の試合について)チームのミッションを成功させられた。オフェンス陣は体を張ってくれたし、明治はやっぱりディフェンスのチーム。でも、最後に中東にボールを渡してフリースローになったのは、自分がやるべきだった。試合では、10点差に開いたところでのゲームメイクも考えなければならない。(専大に勝ったことについて)リーグ3位の専大に勝ったことは自信になる。(明日について)気は抜けないけれど、ディフェンスは崩れていない。チームではベストゲームをしていこうという目標がある。今日よりさらにベストゲームができるようにしたい」

ゴール下での存在感を見せた皆川
ゴール下での存在感を見せた皆川


「(自分からボールを呼ぶことが増えましたが)今季から試合に出るようになって、最初は自信がなかった。後半になって結果も付いてきて、自信を持てるようになった。今は調子もいい。このようないい状態でやれるのは大きい。(明日について)青学は大学で一番強い相手。誓哉や泰斗が中に切れ込んで、自分は一番打ちやすいポジションで打つ。2人のパスが一番受けやすいから、この展開ができればいい」

中東
「(好調に見えますが)インカレ前の練習試合からいい調子が続いている。今日の試合では宇都さんを抑えられたのも大きい。(今日の試合では言われたことができましたが)今まで言われたことができるようになってきて、それが今日の試合の結果に出ている。(明日は比江島とのマッチアップになりますが)比江島さんとインカレの舞台でマッチアップができるのは幸せなこと。いい経験を積みたい」

皆川
「(今日はインサイドでの活躍が見られましたが)4年生とやる分、気持ちでは劣る部分もあると思う。今日はその分アグレッシブにいこうと思った。(明日もインサイドが重要になりますが)チャレンジャーの気持ちでいく。今日よりも厳しいインサイドになる。今日の結果を明日につなげていきたい」

勝利に笑顔を見せる安藤(中央)と中東(右)勝利に笑顔を見せる安藤(中央)と中東(右)
勝利に笑顔を見せる安藤(中央)と中東(右)

ベンチも大盛り上がり
ベンチも大盛り上がり