前半の立ち上がりは危ないシーンが見られた。開始早々に、相手のＦＫから蹴り込まれたボールを押し込まれてしまう。先制点を献上したかのように思われたが、判定はＧＫに対する接触によるファールでノーゴール。なんとか難を逃れた。すると、前半５分、三田啓貴（政経４＝ＦＣ東京Ｕ－18）のパスに１年生で唯一の先発出場となった和泉竜司（政経１＝市立船橋）が頭で合わせ貴重な先制点を決めた。試合の流れをつかんだ明大は、山村佑樹（政経４＝ＦＣ東京Ｕ－18）のバックパスを受けた和泉が再びシュートを放つもこれはゴールとはならなかった。攻撃の手を緩めないでいると、24分に試合が再び動く。小川大貴（営３＝ジュビロ磐田ユース）の縦パスに反応した阪野豊史（商４＝浦和レッズユース）が右足で豪快に振り抜きゴールネットを突き刺す。５試合ぶりのゴールでリードを広げた。その後も、和泉のパスを受けた山村が決定的なシュートを放つも相手キーパーのファインセーブに阻まれてしまう。守備では、自陣の深くまで攻め込まれる場面はあったもののシュートまではいかせなかった。相手のシュートをわずか１本だけに封じ込め前半は終了する。

　後半は次第に順大に攻め込まれ始め、我慢の時間帯が続いた。しかし、阿渡真也（法４＝鹿島学園）らのディフェンス陣が体を張った守備で得点を与えない。明大も、阪野を中心に攻める場面もあったがなかなか得点にはつながらない。このまま試合が終わるかのように思えたが後半40分。三田がドリブルから見事なミドルシュートで、ダメ押しとなる３点目を決めた。そのまま試合は終了し、３－０で勝利を飾った。

　激しいインカレ出場権争いの中での今回の勝利は非常に大きい。残りの２試合もチーム一丸となって全勝を狙っていく。ここからが明大にとっての正念場になりそうだ。

［四ッ谷健太］

試合後のコメント
神川明彦監督
「今までの対順大戦の中で一番素晴らしい内容。カウンターでうまい具合に点を取れて良かった。（立ち上がり相手にボールを持たれたが）ＦＫがノーゴールになってからのカウンターで点を取れ、相手に攻め込まれながらもシュートを打たせなかったのは良い。後半は自分たちで押し込んで攻撃をしっかりと組み立てて全体を広く使ってサッカーができていた。後半になって相手の攻撃に慣れてきたのだと思う。和泉は点を取れるし、守備も頑張れる。何試合も連続でプレーしているので疲労は隠せてないがあのポジションでは彼。和泉と交代で荒木慎平（農１＝藤枝東）を使ったがまだまだ足りない。和泉は貴重なゴールも決めてくれた。（後期はこれで８勝１敗だが）全勝したかった。次の国士大は上り調子なので注意して勝ちインカレに近づきたい」

阪野
「勝ち方が分かってきた。落ち着いて全体でプレーできている。個人的にはケガがまだ良くないので自分が思う100％のプレーはできていない。だがプロになってもこういった万全の状況ではない中でプレーをすることがあると思うのでこの状況で自分がどの程度できるのか確認できる経験になっている。ケガを早く治してプレーをしたい。久しぶりに裏を取って得点を取れた。スピードが上がると足が痛むのでなかなか得点できるようなスピードでのプレーができなかったがだんだんできるようになってきた。今日の得点シーンには満足しているが全体的には90分間通してプレーをできていないのでまだまだ足りない。今日は立ち上がりが悪かったのでそこを直していく必要がある。ただそんな中で先制点を決めることができたのは良かった。少ないチャンスで決めることができたのは成果」

三田
「勝ててうれしい。ピンチはあったけど絶えられたし、ゼロに抑えられた。久しぶりにいい感触の試合。（ゴールシーンは）ファーサイドだと止められるイメージがあったので、ニアサイドから行ったらうまく決められた。（これで後期は８勝１敗）素晴らしい。守備が良くなった。ＣＢ変わって安定してるのが一番大きい。（次に向けて）接戦だしもう勝ち点落とせない。悔いのないようにやりたい」

和泉
「（得点シーンについて）いいボールが入ってきて、相手の前に入ることができたのでしっかり枠に飛ばすことだけイメージしていた。チームはインカレに向けて一つになれている。粘り強さだったり、守備の安定感が出てきたのが前期と違って良くなってきたと思う。（個人について）守備面は貢献できていると思うが、攻撃の面でもっと点に絡むプレーを増やしたい。多少、疲れなどはあるがどこのチームも同じだと思うのでそれを言い訳にしてコンディションやプレーの質を落としたくはない。残りあと２試合勝つしかないと思うので、チーム一丸となって勝ち進みたい」