内山が準V 明大勢男子8年ぶり /全日本学生選手権個人戦

11・5~7 平成24年度全日本学生ボードセイリング選手権個人戦(沖縄県オクマビーチ)
▼メンズクラス
 内山――2位
 中島――5位
▼レディースクラス
 福田未――4位
 うまく順位をまとめ切って内山俊樹(農4=日大)がインカレ個人戦で準優勝を飾った。明大勢の同大会男子での2位以上は8年ぶり。「うれしいし良かった。ただ初日、2日目終わって優勝を狙える位置にいたので半々という気持ちです」と喜んだが、頂点も射程圏だっただけに同時に悔しさもにじませた。また中島潤(農3=南山)も5位に入り、ナショナルチーム入りが決まった。レディ-スクラスでは、昨年準優勝の福田未那弥(営4=公文国際学園)は4位だった。

 安定した走りが光っていた。大崩れせずレースをまとめ切った。2日目を終え、得意の強風だったこともあり2位。最終日は風が弱くなったものの最初のレース、4位でゴール。1レースを残して2位以上を確定させた。最終レースこそ1位との7ポイント差を逆転するため「ばくちを打って1位取るか、ビリを取るかぐらいの気持ちでいった」と失敗を恐れず攻めた結果、下位でのゴールとなったが、他は常に好走を見せた。

 安定した走りは、内山が4年生になり心掛けていたスタイルだった。もともと3年生の団体戦までは「得意な(強い)風のレースで走ればいいや。苦手なのは仕方ない」と結果にむらがあった。弱点だった弱い風での走りを克服しないでいた。考えを改める契機となったのは今年2月のインカレ団体戦。メンバーに選ばれたものの、風が弱く結果が残せなかった。そこから「4年生に申し訳ない気持ちがあった」と堅実で順位を落とさない走りを追求するようになった。弱い風の中でも諦めず、順位を落とさないよう耐えるように心掛けた。また弱い風では体重が少ない人の方が有利。大会1カ月前から70kgあった体重を66kgに減量した。大好きな甘い物とビールを封印。晩飯では、白米の量を半分にした。これでボードのスピードが一気に上がった。大会後には「我慢していたケーキとビールが飲みたい。解禁ですね」と笑った。

 中島は5位となったことにより、今大会3年生以下から上位2人に与えられるナショナルチームの選考基準を満たした。「狙っていましたし、素直にうれしいです。ナショナルチームはみんなの目標なので」と喜んだ。ナショナルチームは競技の普及やレベルの向上、大会の運営などを行う。2日目に道具が壊れるトラブルに見舞われ9位まで順位を落としたが、最終日で再び巻き返した。1カ月前の関東支部予選では14位だったが、全国の舞台で輝いた。

 明大から女子で唯一した福田未は昨年より順位を落としたが、笑顔だった。「初日、2日目と苦手する強い風が吹く中のレースで踏ん張れたことに満足」。女子選手にとっては今回のインカレが集大成。高校時代は料理部とスポーツと全く縁のない状態から競技を始め、そこからトップ選手になった。「やっと自分の名前で生きられるようになった」と充実した表情で大学生活を振り返った。

 チームとして目標に掲げるインカレ団体戦が来年2月にある。今大会15位終わった長谷川翔平主将(商4=仙台二)は「キーは自分です」と話す。団体戦はチームから選ばれた3人の順位で決まる。あと3カ月で内山、中島に次ぐ選手が出てくれば、優勝も見えてくる。

☆ロンドン五輪代表の須永選手が練習参加☆
 ロンドン五輪にも出場しボードセイリング部のコーチでもある須永由季選手(平15商卒・現ミキハウス)が大会1カ月前に、チームの練習に参加し部員を激励した。須永選手は現在、セーリングの選手として使っている道具が違うため技術的なアドバイスは少なかったが、波や風の読み方、スタートのタイミングなど競技を越えて共通するものを教えてもらった。中島は、インカレ最終日の前にも風、マークする相手など作戦のアドバイスをフェイスブックのメールでもらっていた。

[上田悠太]

選手コメント
内山俊樹
「うれしい。良かった。初日、2日目終わって優勝狙える位置にいたので半々と言う気持ちです。上位には入れるだろうと自信はあった。今回は悪くてシングル抑えられたのが良かった。インカレ前のレースで、どんな風が来ても常に10番以内に入れていたので、入賞はできるだろうと思っていた。最終日は逆転可能な位置でまくることを意識していた。(最終レースは)博打を打って1位とるかビリとるかぐらいの気持ちでいった。攻めて外したという感じです(笑)中途半端にやっても勝てなかったので結果的に攻めて良かった。結果を残せるようになったのは4年生になってからで、上位にもいけなくてつらい時期もあったけど、最後までやっていて本当に良かった。よくここまで成績が伸びたなと自分でも思う。全国で勝つという意識が同期にはあったと思うし、それで高め合ってこれた。10月入ってからは台風の日などほぼ毎日、海に出るようにした。両親や研究室の先生、後輩、OBなど『いろんな人に応援してもらっているな』と感じた。励みやモチベーションなった。その人たちのために頑張ろうと思った」

中島潤
「自分の得意の風域で1日目4位で終えて、2日目に道具トラブルがあって、その影響があって2日目で9位。最終日の予報が中風(4~6mぐらいの風)で、あまり得意ではいので、結構ヤバいと思っていた。前日に須永さんとかからアドバイスを頂いた。それに忠実にやった。最悪、10位までの入賞できればいいかなと思っていたのですけど、諦めずに最終レースも頑張ったら、5位まで上がったので、諦めなくて良かった。マークしている相手の関係とか、自分がいい位置で抑えられた。頭使ってやったら、思っていた以上の結果が出た。(ナショナルチームに関しては)狙っていましたし、素直にうれしいです。ナショナルチームはみんなの目標なので。ナショナルチームに入っている人=速い人みたいな印象で、1年生の時から憧れている先輩がナショナルチームのキャプテンをやっていた人なので、自分もナショナルチームに入れてうれしい。初日からナショナルチームに入ることを意識していた」

福田未那弥
「去年より順位が落ちたけど、よく耐えたなと思う。最終日の2レースは得意な中風の中で両方とも1位だったので、決めるところは決められた。悔いはないし、いいレースができた。去年は3年生だったのもあって2位を守ろうというのがあったけど、今年は最後だからやるだけのことをやろうと思っていた。守って後悔するなら攻めて後悔しようと思って攻めた。初日は苦手な風だったので、1位を狙うのではなくて堅実に、と思って耐えた。(昨年の2位と今年の4位では)今年のほうがうれしい。5位止まりだと思っていたので意地で上げたのが良かった。去年はたまたま得意な風だったこともあって、いけるところまでいこうと思ったら、気が付いたら2位まで上り詰めていた。今年は耐えて耐えて、最後に攻めて自分で順位を上げられて、レースらしかったかなと思うし、うれしかった。(4年間を振り返って)今日の最後の2レースまでは4年間の思いを込めてこいでいた。悔いはないし、楽しかった。1、2年目は辛かったけど、やっていて良かったと思う。自分が全国に通用する選手になれたことがうれしい。ナショナルチームにもなれて、自分のことを知ってくれる人も増えた。そういう面で、名前で生きられるようになったのかな。自信がついたと思う。自分がしっかり明治を背負えるようになったのがうれしい」

長谷川翔平
「2日目終わって11位で、最後の日の風が苦手(4~6m)だったので順位を落として、入賞(10位)を逃してしまいました。残念です。上マーク(風上にある折り返し地点)が浜に近いとこにあって風が難しかった。関東支部の予選2位で通過して、もうちょっと(上位に)いけるかなと思ったけど、これが実力です。練習場の逗子と比べたら、海がきれいで風が強いところを見極めるのが難しかった。普段より練習量を多くしたし、筋トレをしたり、毎日走ったりした。今回のインカレは個人戦だから個人で好きなように練習をやってきた。夏休みは、ほぼ毎日練習をして、他の大学と一緒に60人ぐらいで約1週間やった。4年生4人いるので、目標を共有して話すようにしている。インカレ団体戦は僕が引っ張っていかないといけない。悔しい思いをしないように。今年は優勝できる可能性があるので、絶対優勝できるように頑張ります。キーは自分です」

関口純樹(農4=神大附)
「1年生からずっと強い風が苦手。これまで大きな大会が弱い風で、成績も上位だったが練習で強い風になるとやっぱり苦手だった。でも大会になると微風だったので、自分速いんじゃないかみたいに思ってしまって、そのまま克服しないままきてしまった。それで一番大事な大会で苦手な風に当たってしまった結果。本当に自分が悪い。今回の順位は、ふがいない。初日終わって18位で、苦しい中でも達成感はあった。このままいこうとおもったが、2日目で駄目になってしまった。不安定さが課題。前走ってると集中して走れるが、50位とかだと気持ち切れてしまうこともあった」