多くの拳士が総合優勝を目標に掲げる/練習取材
宮嶋
「自分たちのやってきたものを前監督の前嶋監督に晴れ姿を見せたかったが昨年亡くなってしまい、見せることができなかったので、自分たちがこの大学に呼んでくれた人の目に狂いはなかったと今証明したいです。主将としてこの1年間部の運営をやってきて、そのような細かい作業は苦手だったのですが、いざやってみると全く苦痛ではありませんでした。夏合宿では3年生が中心だったので、完全にサポート役に回りました。夏合宿が終わったら後輩がかわいく思えるようになりました。何としても前監督のために総合優勝したいですが、あまり部員には意識させずそれぞれ楽しんだ結果として付いてきてくれればいいです。新井は言わなくても分かってくれているので本当にやりやすいです。最後の大会で組むことは必然というか、他の部員も暗黙の了解のように考えてくれています。4年間を振り返ると長いようで短いようで何とも言葉にできません。入部当初よりは丸くなったような気がします。家族や部員に感謝できるようになりました。そういったものを嫌がっていた部分が昔はありました。後輩には家族や部など自分のいる団体を愛してほしいと思います。大会直前になって、今は無の境地です。勝ってかぶとの尾を締めたいです」
新井
「宮嶋は、高校の時からビデオなどを見ていて存在は知っていたので、初めて会った時も初対面の気がしなくて昔からの知り合いのように感じました。今まで互いに教え合うことはしていましたが、実際に組むと見えなかったものが見えてきたり、多くのことが分かってきます。宮嶋は主将としての自覚がしっかりしています。威厳がありますね。夏合宿ではふざけたり、思いっ切りやったりするところと真面目にやるところの切り替えを意識しました。総合優勝というものはあまり意識しません。それよりもおのおのの演武を思い切りやってほしいですね。宮嶋とはお互いが意識を高く持って練習に取り組んでいるので、自然と高め合うことができています。少林寺拳法が好きでここまでやってきて、こうやって大学にも進学できて本当にいい時間を過ごすことができました。だんだんと学年が上がっていくにつれて、部活がどんどん好きになってきました。しかし、やらないといけないことはその分増えてきました。良くも悪くもここまで時間的に拘束されてきているので、後輩には部活や少林寺拳法を本当に好きになってほしいです。大会が直前に迫ってきて、今は緊張しています。最高の舞台で最高の拳士が演武することを今から考えると、夜も寝られないくらいです。大会では1番を取ります」
◆宮嶋 祐貴 みやじまゆうき 商4 桜林高出 173cm・63kg
◆新井 椋大 あらいりょうた 政経4 川越東高出 170cm・66kg
~単独の部 石丸~
石丸
「4年生ということもあり、なかなか単独だと指摘してくれる人が同期やOBの方しかいませんでしたから、ビデオや鏡など、自分自身で確認することしかできませんでした。組演武だと当たった音など、迫力が評価されますが単独だと型など基本が重視されるので、初心に戻って練習に臨みました。組演武で大会に出たいという気持ちもありましたが、周りからは『単独で出た方がいい』と言われて今回の出場が決まりました。そういうアドバイスをもらったということもあるので恩返しがしたいです。大きな大会としては今回が8回目となるので緊張はありません。これまで4年間、週5~6回練習で本当に少林寺拳法ばかりしてきたので、大会もその過程の一部として考えているということもあります。後輩には自由にやってほしいと思います。つらい練習を続けてきたので、つらいことから逃げない気持ちを得ることができました。賞を取ることよりも、とにかくあの武道館の舞台で会場の目を引くようにいい意味で目立ちたいです。自分たちの代で総合優勝できたらいいですね」
◆石丸 聖 いしまるあきら 理工4 志学館高出 183cm・85kg
~三人掛けの部 村山・金森・清水組~
村山
「夏合宿の前に組み合わせを変えました。演武を最初から見直して丁寧につくりました。後輩との上下関係はある程度はあるが気を使わせるのも嫌。ご飯に行ったりして話をすることを心掛けた。大会まではギリギリまでストイックに取り組みたい。4年間を振り返って毎年成長できていると思います。全日本学生大会では持てるものを全て出し切りたい。何とか結果を残して今までお世話になっている方に成長を見せたいです。当日は純粋に何も考えず演武をして大会を満喫したいです。」
金森
「3人とも個性が強いので苦労しました。3人で合わせることを意識して取り組みました。先輩後輩ではなくて同じペアとしてメンバーとして他の2人を見ています。今、練習していて、ちょうど直したいところが見つかりました。関東学生大会では新井さんと組んで厳しく指導していただきました。そこでいろんなことに気付いて、その状態で全日本に挑めます。自分の考えが正しければ結果は付いてくると思う。結果が出ないと納得できない。自分にとって今回の大会は特別な大会ですね」
清水
「ケガをしてもそれをこらえて練習してきました。上下関係はありますが、そこまで厳しくはありません。気兼ねなく演武できていて、いい環境を用意してくださいました。演武に完璧はないと思う。ですが完璧を追求していきたい。常に本気だからこそできることだと思う。最後まで練習を詰めていきたい。全日本大会は自分の成長を見せられるところ。それは結果を残すこと。結果が全て。結果が出たら自分のしていたことは間違ってなかったことを実感できる。それを証明できるように結果を残したいです」
◆村山 大介 むらやまだいすけ 政経4 佐賀西高 168cm・60kg
◆金森 翔吾 かなもりしょうご 商3 中部大一高出 176cm・65kg
◆清水 遼太 しみずりょうた 商2 川越東高出 170cm・65kg
~湯木・猪狩組~
湯木
「私も男女のペアで戸惑いましたが、先輩やOBの人で指導していただける人にはお聞きしました。猪狩はパワフルで勢いがあり、飲み込みが早いです。やりづらさはありません。練習を頑張ってくれる後輩です。大会に向けてやるだけのことはやりました。自信を持って臨めたらいいなと思います。今まで勝ったことがないので努力すれば最後には勝てることを証明したいです」
猪狩
「男女でペアを組むのは初めてでしたので戸惑いましたが、今は2人でようやく形になったかなと思います。湯木さんは部内でも練習量が尋常でないので練習アレルギーの自分ですが何とか食らい付いて今までやってきました。とても感謝しています。男女だとどうしても体格差があり、また女子のほうが目立つので引き立て役にならなきゃと思い、スタイルを変えて練習に取り組みました。大会では自分が今までやってきたことを信じるしかありません。あと先輩には賞を取ってもらって有終の美を飾ってもらいたいです」
◆湯木 遥子 ゆきようこ 商4 国分寺高出 157cm
◆猪狩 信太郎 いがりしんたろう 政経3 江戸川学園取手高出 170cm・76kg
~高橋育・堀尾組~
高橋育
「関東学生大会で優勝していて全日本学生大会でも組みたいと思っていました。自分も堀尾から学ぶところがたくさんあります。悩んでいる時期もありましたが(堀尾と)組むことになって気持ちを入れて優勝に向け取り組んできました。これまでの期間中に新しい技に挑戦したりもしました。使わない技もありますが、その中でも納得した技を選んで練習してきました。夏合宿では人に指導する中で自分も成長していきました。自分と堀尾を信じて、またお世話になってきた人に恩返ししたい。何が何でも最優秀賞を取りたいです」
堀尾
「自分は新人戦で三橋と組ませていただいていてその中で関東学生大会の反省を生かし練習に励んできました。少しでも成長できて先輩と組ませてもらいました。練習する中でうまくいかないこともあって先輩も焦られていると感じていると思いました。ですが自分は1年なので胸を借りて、挑戦者の気持ちでやってきて今は安定しています。関東学生大会はすぐ終わっちゃったので1位を取ったことも忘れていました。あそこが始まりだと思っているのでそこからどこまで成長できたか楽しみです。目標はもちろん最優秀です」
◆高橋 育恵 たかはしいくえ 政経3 越ヶ谷高出 153cm
◆堀尾 愛 ほりおあい 商1 姫路商業高出 160㎝
~村越・三橋組~
村越
「関東学生大会の時は練習する時間が取れませんでしたが、今回は夏合宿などで練習の時間をとることができました。三橋は言ったことはやってくれるので組んでいてやりやすいです。今回は練習する時間が取れたので三橋からどうしたいかを聞いて取り入れるところは取り入れました。男女は女子をいかに乗せられるか、印象付けるか、なので自分がリードしていきたいと思います。夏合宿もはさんでいるので関東学生大会以上の結果が出るのではないかと思います。目標は総合優勝です。男女でしっかり優勝してチームに貢献したいです」
三橋
「関東学生大会と比べると練習量が取れて良かったです。技に関しては高校とはまた違うのでどうしたらいいかを言わせていただいてやりやすいようにしてくれました。(関東学生大会で優勝して)プレッシャーはありますが、それを自信にして当日は自分の力を出し切って優勝したいです。スポーツ推薦が4年目で今がMAXの戦力だと思うので42年ぶりの総合優勝ができると思います。それに自分も貢献したいと思います」
◆村越 雄磨 むらこしゆうま 政経2 川越東高出 171cm・62kg
◆三橋 智恵 みつはしちえ 政経1 成田国際高出 159cm
~平野・佐々木組~
平野
「関東学生大会が6位でさらに上を目指している中でケガもあり、練習時間が少ない中、指導していただきました。技の練習はずっと春から力を入れてきました。春が終わってからは自分たちの練習だけでなく下級生の成長のサポートもしました。3年になってしっかりした姿を見せることで部の雰囲気を盛り上げていこうと思って練習に取り組んできました。今までやってきたことを信じて最高の状態でやっていきたいと思います」
佐々木
「持ち味の突き、蹴りをしっかり当てていって動きに力強さを表現できるように練習してきました。夏合宿では特に下級生を見ることを意識してやってきました。不安も大きいですが、自分たちは何も考えずただ暴れてきたいと思います。余裕を持って大会を楽しめたらいいなと思います。1年間2人でやってきたことを信じてやっていきたいです」
◆佐々木 悠太 ささきゆうた 理工3 東北学院高出 175cm・66kg
◆平野 佑季 ひらのゆうき 法3 石橋高出 170cm・69kg
~丸山・長谷川組~
丸山
「今の状態は良いか分かりませんが、長谷川はやりやすくて合っています。長谷川は力が強くて蹴りが痛いです。自分も負けたくないです。最強です。新人戦は大丈夫だろうという慢心がありました。結果がショックだったので全日本学生大会までは内容のいい練習ができました。夏合宿では声を出すのは負けないように気合を出しました。当日は全力でやって、いろいろな人に対してありがとうという気持ちでやりたいです。目標は最優秀です」
長谷川
「今の状態はいい感じです。丸山とは3回目なのでやりやすいです。1年が入ってきて夏合宿では後輩の指導に力を入れました。昨年とは、いろいろ練習などで自分からやるようになったというところが変わりました。演武の中で少し緊張感がないと言われることが多いので、練習から大会を意識するようになりました。大会では最優秀を狙っていきたいと思います」
◆丸山 俊江 まるやまとしえ 法2 筑陽学園高出 160cm
◆長谷川 俊樹 はせがわとしき 農2 明大中野高出 163㎝
~渡邉・小泉組~
渡邉
「9月の新人戦で小泉と組んで今回も小泉とペアになりました。関東学生大会から全日本学生大会までは小泉のレベルアップを図りました。4年間大学で戦っていけるようにそこを意識してきました。小泉は演武がガツガツしていてそこを残していかにきれいに見せるか。当日は小泉の緊張をほぐすことから始めようと思います。いい演武ができれば勝負できる。小泉にいい思いをさせてあげたいです」
小泉
「全力でやることを意識してやってきました。先輩は力強くて重い。自分は軽い。そこをうまく演武に用いています。夏合宿は基本がとても多くて演武のベースとなるものが組み込まれていてそれが新人戦の結果にもつながりました。明大は技術力が高いので学び取れることが多い。当日は100%のクオリティーを武道館で披露して1位になってメダルを持って帰りたいです。あと明大の総合優勝にも花を添えたいと思います」
◆渡邉 孝幸 わたなべたかゆき 商2 逗子開成出 167cm
◆小泉 洋輝 こいずみひろき 商1 志学館高出 174㎝
~柳沢・内田組~
柳沢
「女子と組むことになった時は緊張しました。男子同士と違って女子だと力加減が難しかったです。大会までに技術もそうですが本番は気合とか落ち着きとか精神的なところを注意したいと思います。内田は女子ですがリードしてくれているのでそこはありがたいです。新人戦では緊張してしまいましたが当日は集中して自分のできることを思いっ切りやれたらいいなと思います」
内田
「ペアを組み始めたのは8月の下旬からです。男子と組むのかと思いました。夏合宿は今までの人生で一番大変だったのですが、かなり鍛えられました。柳沢とは演舞について話しあったりしました。本番では気持ちを高めてから演武したいです。何カ月間かやってきたことを出し切ってがむしゃらにやっていきたいです」
◆内田 桃香 うちだももか 政経1 高崎北高出 160㎝
◆柳沢 太郎 やなぎさわたろう 文1 都立国分寺高出 169cm
関東学生大会や夏合宿を経て拳士たちはさらにレベルアップした。自分の持っている力を発揮すればおのずと結果は付いてくるだろう。42年ぶりの総合優勝に向け準備は整った。
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