田村が明大新で3位!/全日本50km競歩高畠
50kmの国内大会は年間でも3つしかない。関東インカレや日本インカレの競歩種目は1万mで、大学生の場合は1万mや20kmがメインになる。田村にとっても大会としてはこれが1年ぶりの50kmだったが、冷静だった。25km過ぎまでは、5~6人の集団の中でレースを進めた。「ペースをつかむのもあったし、最初は落ち着いて後半出ようと」(田村)。30kmを過ぎると、集団から1人抜け出した。タイムが3時間を超えた40kmからはややペースを落としたが、最後まで粘り切った。「自分の納得いくレースをしようと思っていて、その通りできた。満足です」。表彰台でも笑顔を見せた。
仁和光一(政経2=星稜)と高橋拓也(法1=広島県立西条農)は、50kmを初の完歩。仁和は昨年のこの大会、45km地点でタイムアウトになったこともあり、50kmには苦手意識があったという。それだけに「今回すごいびっくりしている。意外とラストでもスピードが出せた」と、1年間の積み重ねをレースで実感したようだ。「去年は池澤さんが明大新で、今年は田村さんが明大新。来年自分も明大新を出さないといけないですね(笑)」と仁和。田村が抜け、今度は引っ張っていく立場になる。
仁和は田村の3位を「すごいうれしい」と喜んだ。新入生が入るまで、競歩ブロックは仁和と高橋の2人だけになる。仁和は「後輩の記録が伸びてくれるのは、上としてもうれしい」とも話した。人数は少なくなっても、競歩ブロック一丸で歩を進めていく。
レース後のコメント
遠藤和生監督
「田村は順調だった。あれが全ての力だとは言わないけど、ベスト3に入ったしよくやった。この天候でよく頑張った。高橋は途中ちょっと足かどこかおかしくなったのか、思ったより行かなかった。仁和は思ったより行かなかったけど、何か感覚をつかんだような感じはある。(田村はこの大会で区切りとなるが)あとは田村の後輩が、しっかりやってくれるでしょう。競歩はインカレで点を取るというのが宿命だから、それに向けてもね」
田村
「引退ではないけどこの50kmが区切りだと考えていた。自分の納得いくレースをしようと思っていて、その通りできた。レース展開も積極的に行けたし、満足です。(25km過ぎまで集団にいたが)ペースをつかむのもあったし、最初は落ち着いて後半出ようと。40km過ぎでちょっと落ちたけど、我慢して大きく崩れることなく粘れた。(50kmは)前半30kmくらいまでは楽に行って、その後どれだけ肉体的にも精神的にも余裕を持っていけるか。後半の粘り、なるべくペースを落とさないことが大事になる。明治は毎年高畠に出ていますけど、学生のうちに50kmをやるところはあまりないので、選手の立場からしても長いと思いますし、ためらうところはあります。4年間50kmをできたのは、貴重な体験でした。(4年間を振り返って)関東インカレが目標だったので、4年間そこで結果を出せなかったのは不本意。でもロードでは記録も出たし、学年上がるにつれてベストも更新できたので、全体として見れば満足いく競技生活だったと思います」
仁和
「50kmには苦手意識があったので、今回すごいびっくりしている。意外とラストでもスピードが出せた。もし来年ラストで一騎打ちするような展開になったら、負けない自信が付いた。去年は45kmでタイムアウトになって、50kmを完歩したのは初めて。去年と練習はあまり変わっていないが、1年積み重ねてきたものがある。同じ練習でも余裕が違う。去年1年間は何の成績も残せなくて、明治に来たのに自分は何なんだろうと思うこともあった。今年は満足ではないが、セーフラインの成績は残せたと思う。田村さんの3位はすごいうれしい。去年は池澤さんが明大新で、今年は田村さんが明大新。来年自分も明大新を出さないといけないですね(笑)。自分はけっこうしっかり者とは言えないので、田村さんには練習でも寮生活でも本当に支えていただいた。心細いけど、後輩もいるので引き継いでいかないと。来年は関東インカレ、日本インカレでの上位入賞と高畠での明大新を目標にやっていきたい。あとやっぱり後輩の記録が伸びてくれるのは、上としてもうれしい。競歩ブロック全体で上がっていけたら」
高橋
「50kmが長いのは分かっていたけど、実際思ったよりもきつかった。20km過ぎでペースを切らして、30kmから45kmの間は苦しい時間が続いた。ジュニアの日本記録を狙っていたが、練習が足りなかった。偉大な記録なので、もっと努力していかないといけないと思った。仁和さんは成績を残しているけど、自分はまだ全然。次に入ってくる新入生に負けないように、仁和さんにも勝てるくらいになりたい。今年は故障が目立って成績を残せなかった。そこを修正してまた関東インカレ、トラックシーズンに向けてもやっていきたい」
関連記事
RELATED ENTRIES