(9)母校対談~谷中・原~

 記録への挑戦と限界の突破。常に自分との戦いだが、そこには仲間の支えがあり、仲間と共に歩んできた努力の道がある。そんな競技に魂を燃やす選手たち。それが明大ウエイトリフティング部だ。

 11月9日から行われる全日本大学対抗選手権(インカレ)に先立ち、明大ウエイトリフティング部の魅力をお伝えします。選手紹介に始まり、母校対談や写真館、選手の意外な一面もお届けするのでお楽しみに!
 第9回は谷中洋登(政経4=須磨友が丘)、原亮太(法2=須磨友が丘)の母校対談です。部内からは「どこか似てる」と言われる2人の雰囲気に注目です!

――高校時代はどんな先輩後輩でしたか。
谷中
 めっちゃ照れるやんこれ(笑)。
 自分が1年生の時に谷中先輩が3年生だったんですけど、自分も始めたばっかりで、男の先輩があんまりいなかったんです。自分の1つ上と谷中先輩の代が2人で男子4人しかいなかったので、あんまり上とか下とか関係なく仲良くやらせてもらってました。
谷中 楽しかった。

――その中でも谷中選手はどんな存在でしたか。
 難しいですね…。高校の中では一番強かったので、結構憧れ…(笑)。
谷中 ばかにしとるやろ、こいつ(笑)。
 違います。リスペクトです(笑)。

――原選手はどんな存在でしたか。
谷中
 最初はちょっと意味不明だったんですけど、人見知りで…なんやろな…見たまんまっていうか。
 不思議ちゃんでした。
谷中 自分で言うなよ(笑)。

――練習以外で交流はありましたか。
 練習終わりに毎日バッティングセンター行きましたよね。
谷中 うそ、行っとったっけ。
 行ってましたよ。あと休みの日はマクド(マクドナルド)じゃないですか。
谷中 て言っても学校帰りくらいやんな。遊んだりとかしたっけ(笑)。
 行事くらいでしたね。

――高校時代に影響を受けた人はいますか。
 1人しかいないですよ。横山先生です。
谷中 部活の先生ですね。影響がでかかったというか、運命の出会い(笑)。
 先生がずっと出会いを大切にしろって言ってましたね。
 自分は服装とか髪型とかだらしなかったんですけど、高校入学前に学校に行ったら横山先生に引っ張られてめっちゃ怒られました。
谷中 え、そうなん。
 「なんだそれは」ってめっちゃ怒られました。
谷中 えー怖っ(笑)。
 2回くらい怒られて全然変わりましたね。
谷中 そこ(笑)。ようそんな入る前から怒られて入ろうと思ったな(笑)。
 ちょっと怖かったんですけど。
谷中 怖いわー(笑)。
 反抗期やったんです。春休みくらいまで。
谷中 あっじゃあ反抗期が直ったってことか(笑)。おもろいやん(笑)。自分は入るきっかけになった人でもあるし、高校時代に大切なことを教えてもらいました。いろいろあるんですけど、出会いを大切にしろとか…。
 継続は力なり。座右の銘ですね。結構マナーとかも勉強しましたよね。
谷中 感謝しなさい的なことはずっと言われてました。
 人に感謝することを忘れるなとか、現状にありがたく思えとか。
谷中 あー言われた。
 練習できる環境があるのが普通だと思うなよってよく言われてました。

――高校時代の印象に残っている試合を教えてください。
 高2のインターハイです。1カ月前に練習中に爪が全部取れて、全治3週間って言われて「終わった」って思いました。せっかく初めてインターハイ出られるのになーって絶望してたんですけど、普通にできる練習だけして試合に何とか出て、奇跡の6本取りに成功しました(笑)。確かスナッチはベスト取って、ジャークはベストの1㎏下を取って6位入賞したので一番うれしかったですね。
谷中 逆に自分は高2のインターハイで失格して…(笑)。ちょっと骨折れてたっていうのがあったんですけど、でも骨折れたって言い出せなくて…。1週間前とかに折れてしまって「これやべっ」って思ったんですけど痛み止め飲みながらやってて、まあ失格しちゃって…ていうのは結構印象に残ってます。あんまりいい思い出ではないんですけど。

――同じ高校の後輩が入ってくると知った時の心境はいかがでしたか。
谷中
 自分が勧誘したんですけど、当時お互い56㎏級でやっていて、原やんはすごく強かったので…照れるな(笑)。もちろん…いい選手だった…いやまじ照れるなこれ(笑)。なんやろ、選抜大会で優勝してインターハイも優勝っていうのは大きいと思いますし…。

――明大に決めた理由を教えてください。
 全然関係ないっすけど同じ県の先輩とか周りから「どうせお前明治行くんだろ」って高2くらいの時からずっと言われてたんですよ。
谷中 そんなん言われてたんか(笑)。
 選抜大会でもし優勝できて、明治に勧誘されたら行こうかなと思ってたんですよ。それで勧誘受けて優勝もできたので行こうかなーと。でも4月か5月くらいに横山先生に話したら「はあ?おまえもかよ」って言われました(笑)。
谷中 (笑)。
 最初は「法政どうや」って言われて、全然考えてないところが出てきたんですけど、無理やり考えろって言われたので…でもあんまり行く気もなかったので1、2日後くらいに「やっぱり明治行きます」って言いましたね。半ばもう明治に決めていたので。

――最終的に谷中選手の存在は大きかったですか。
 最終的にはあるんですけど、最初は中央に行きたかったんです。理工学部に行こうと思ってたんですけど理工学部に部員がいないって言われたので、それはちょっと厳しいなと思ったんで、早稲田も考えたんですけど免除があんまりなくて…。それだったら兵庫県の先輩とかも多いので明治に行こうかなと思いました。

――明大に対して持っていた印象を教えてください。
谷中
 あんまりよろしくないイメージでしたね(笑)。周りに明治に行く事を言ったら「はあ?明治やべぇぞ」みたいに言われました(笑)。当時は厳しすぎてやばいってうわさがすごくあったんですよ。だからそれなりの覚悟はして行ったんですけど、でも実際入ってみたらそんなことなかったです(笑)。
 自分は谷中先輩がいたので、地元に帰ってきた時とかにそれを見て大変そうやなと思ったんで…。
谷中 え、そう?
 はい。でも、あれですよ。坊主は覚悟してました(笑)。

――高校と大学でお互い変わったところはありますか。
谷中
 とりあえず記録が伸びていてびっくりしましたね(笑)。まあまあだなって思ってたんですけど、大学に入ってきたら結構伸びてて、それは驚きましたね。高校1年生ってことを考えたらそれはまあ、大学入って成長したなとは感じます。
 いや~そうですね~。高校の時って谷中先輩の同期の人は引退されてやめちゃったので、各学年男子が1人ずつしかいなくて、谷中先輩は部長をされていたんですよ。結構先生にもチームワークのこととか言われていて、高校3年生が1年生に指導するのは難しいから、先輩より先生に教えてもらってたっていう感じなんですけど、大学入って学生だけでやっていかなきゃいけないっていうところもあって、谷中先輩にはチームワークっていうものがどういうものなのか、どうしていかなあかんものなのか教えてもらいました。

――競技以外で高校で力を入れていたことはありますか。
谷中
 ないですね(即答)。自分はないですけど、彼はあります(笑)。
 え(笑)。うーん、いろいろあるんですけどね。遊ぶことですね。どんなに疲れていても遊んでました。
谷中 大切だよな。
 あとはテスト勉強です。普段あんまり勉強してなさそうに見えるけども…っていうギャップをちょっと(笑)。
谷中 (笑)。
 こいつできるなっていうのを先生とかに見せたかったんで、頑張ってました。

――お互いに尊敬し合っている部分を教えてください。
谷中
 (笑)。
 (笑)。
谷中 何笑っとん(笑)。えー難しいなー。尊敬してるというか頼りにはしてますね。後輩ですけど、競技のことで聞くこともありますし、生活面でもすごくしっかりしてるので、自分だけじゃなくてみんなから頼りにされてるんじゃないでしょうか、と自分は思います。以上です(笑)。
 高校の時からずっとそうなんですけど、谷中先輩はすごい練習をされるなと思っています。量もそうですし、中身も時間もすごいなって思います。あと、先輩の中ではどうか分からないんですけど、自分からとか他から見た感じだとケガの付き合い方がうまいなと思います。
谷中 あーケガは結構気にしてるかも。その練習とかは考えてないけど、ケガは自分でも気を付けてます。

――お互い部内ではどのような存在ですか。
谷中
 さっき言ったまんまですね。頼りになります。
 うーん。いやあ、どうっすかね~。
谷中 あかんわ、これ(笑)。
 最初の方とか難しかったです。高校の先輩としてじゃなくて、大学の先輩として付き合っていかなあかんなっていう覚悟があったんですけど、ここに来た時にその覚悟の通りに変えるのが難しかったですね。
谷中 あー確かに。自分も難しかったとこなんですよね(笑)。ちょっと冷たくしたなっていうのはあります(笑)。
 高校のままで行ったらなあなあになっちゃうじゃないですかって思ってたんですよ。
谷中 自分も当時は3年生と1年生で2つも開いてたらちょっと友達な感じじゃ駄目なのかなっていう意識はありました。ちょっとギクシャクじゃないですけど(笑)。難しかったな(笑)。

――今はいかがですか。
谷中
 いやあ~今は(笑)。基本2人でいても何もしゃべらないですけどね(笑)。
 (笑)。
谷中 何の笑いやねん(笑)。
 いや、単にしゃべることがないだけですよ。話題がないだけです。
谷中 自分は誰とでも2人きりになるとそんな感じです。
 自分は何かあったらちゃんとしゃべりますよ。
谷中 まあ基本こっち(原)からしゃべりまくる(笑)。お互いに無口なんで。

――高校時代のことが今に生きてると感じる時はありますか。
谷中
 高校から応援してくれる人がいるから、今頑張れてるのかなっていうのもあるし、大学に来て高校の先生とか親だったりとかやっぱり存在が大きかったんだなって実感しましたね。やっぱりこういう時に先生の言葉とかが生きてくるというか、高校の時に聞いてて分かっていたつもりだったんですけど、ここに来てやっと本当の意味がわかったなっていうのはあります。
 高校の時っていったら先生に教えてもらったことばっかりだったんで、こっち来て思ったのは、自分で言うのもなんですけど、ルールとか以外のマナーとかそういうのが同期の中でも他の人よりはわかってるかなとは思いました。いいこと教えてもらったなって思いましたし、たぶん普通の高校生とは違う高校3年間を過ごしたと思います。

――同じ高校ということで大学に入ってから安心感ははありましたか。
 自分は高校の先輩としてではなくて大学の先輩として付き合おうと思っていたので、そういうのはなかったんですけど、ただ同じ県ていう安心感はありましたね。それで言うと敦見先輩もそうですし、三原先輩もそうですね。
谷中 安心感というよりか……自分は今兵庫の中では一番上なのでしっかりしないとなっていう気持ちはありますね。

――大学で自分の力が通用したと感じたことはありますか。
 いや、ないです。
谷中 ないんちゃう(笑)。

――まだ足りないと感じる部分はどんなところですか。
谷中
 自分は他の選手よりも筋力が弱いので、それは永遠の課題なんですけど、そこですね。
 高校の時からなんですけど、あんまり階級とか気にせず補強とか強い人というか、重量級でも同じくらいとかちょっと上とかの人にはやっぱり負けたくないなと思っていたんですよ。同じ階級とか1つ2つ上の階級とかの人でもスクワットとか強い方がいらっしゃるので、そういう点ではまだまだだなって思いますね。

――高校時代の思い出話を教えてください。
谷中
 何やろな。アホなことしか思いつかんわ(笑)。
 自分はあんまりいじられてはなかったと思うんで、特に思い出とかはないんですけど、自分より他にいじられてた奴がいるのでそいつを全員でいじってた気がしますね。
谷中 2人でっていうのはあんまりないな。

――最後にお互いを一言で表してください。
谷中
 難しすぎやろ、それ(笑)。
 えー。そうっすねー。
谷中 ガチャピンとかしか思いつかんねんけど(笑)。
 (笑)。

――ありがとうございました。

◆谷中洋登 たになかひろと 政経4 須磨友が丘高出 163cm・59kg
◆原亮太 はらりょうた 法2 須磨友が丘高出 163cm・60kg

 次回は写真館です。アップは10月31日(水)の予定です。お楽しみに!

◆第58回 全日本大学対抗選手権◆
日程:11月9~11日
会場:羽曳野コロセアム(大阪府羽曳野市)
◆会場へのアクセス◆
近鉄南大阪線「恵我ノ荘」駅から徒歩10分