東海大の壁依然高く、3位に終わる/全日本学生体重別団体優勝大会

2012.10.30
 4年生は最後の学生試合となる今大会。体重別に分かれての団体戦である。明大は準決勝まで順調に駒を進めた。準決勝の相手は好敵手の東海大。春に行われた東京学生優勝大会では破った相手だが、続く全日本学生優勝大会で惜敗した。リベンジに挑んだ今大会だったが2-3で惜敗。またしても東海大の壁を破ることはできなかった。

 「今日も惜しかった」(猿渡琢海監督)。その言葉通り差はわずかだった。先鋒(せんぽう)の大竹祐矢(政経4=愛知県私立大成)は相手の肩車に苦戦。何とかしのいで反撃を狙ったが、掬い投げで一本負けを喫した。次鋒は調子の良い高橋良介(政経3=愛知県私立大成)。大内刈りから払腰の連携から崩し、そのまま袈裟固めで抑え込んで一本勝ちをした。五将は73㎏級だったが、66㎏登録の宮下稜平(政経2=国学院栃木)が登場。しかし相手との体格差もあり合わせ技で一本負け。互いに一本を取り合う激しい戦いとなる。

 監督が「分岐点だった」という中堅戦。明大からは渡辺智斗(法4=埼玉栄)が出場した。渡辺智の持ち味である攻めの柔道で相手の指導を誘い、指導2つでリードを奪う。しかし、攻めにいったところ足を払われて技有を取られて時間切れ。逆転でポイントを落とした。続く六郷雄平(政経3=愛知県私立大成)、主将の菅原健志(政経4=愛知県私立大成)と東海大の強敵相手に技をかけ切れず、引き分けに終わる。大将藤本英謙(政経4=青森山田)が一矢報いるも届かず、2-3で敗退した。

 攻める柔道が出た。猿渡監督は「試合の内容は満足のいくものだった」と惜敗にも納得した様子だった。特に活躍が目立ったのは高橋良だ。100㎏級のレギュラーとして出場し、全ての試合で一本勝ちを収めた。「(高橋良は)すごく成長している」と猿渡監督も絶賛。大内刈りから大外刈り・払腰の連携が光り、相手を圧倒した。しかし本人は「個人で全国1位になっていないのでまだまだ」(高橋良)とあくまで謙虚。来年もさらなる活躍に期待だ。

 4年生は引退だ。今年の代は上川大樹選手(現京葉ガス)・海老沼匡(平24商卒・現パーク24)というビックネームが抜け、戦力ダウンがささやかれる中だったが「自由のない生活ではあったが4年生が中心となって選手たちは頑張った」(猿渡監督)と奮闘を見せた。しかし全日本学生優勝大会・全日本学生体重別団体優勝大会ともに東海大に敗れて3位。「来年は打倒東海大というものを目標にしていきたい」(猿渡監督)というのが明確な目標となった。今年を越える結果を残せるか、来年の柔道部からも目が離せない。

[毛利允信]

試合後のコメント
猿渡監督

「今日も惜しかった。ちょっとの差だった。勝負どころとしては、渡辺のところ。あそこが分岐点だったかなと思う。けど、渡辺は勝負にいって返されたのでしょうがない。選手たちは力を出し切ったので、試合の内容は満足のいくものだった。来年は打倒東海というものを目標にしていきたい。攻める柔道が一番出たのは高橋良介。1日目からオール一本で、天理戦でも相手のポイントゲッターを倒したので明大が勢いに乗ることができた。高橋はすごい成長しているし、今後の活躍に期待したい。今年1年はいろいろなことがあって、自由のない生活ではあったが4年生が中心となって選手たちは頑張ったと思う。来年は今よりももっと攻撃的なチームにしたい。負けず嫌いの集団にしていきたいと思う」

菅原主将
「(今日の敗因は)4年生が取れなかったこと。団体戦では、(ポイントを)取りに行くべき人、引き分けで守り切りを狙う人、それぞれ役割があるが、その役割を果たし切れなかった。自分自身も、最後ポイントを取れなかったのは悔しい」

藤本
「今日は雰囲気がいつもより良かった。優勝も狙えるチームの雰囲気だった。(それでも優勝できなかったのは)4年生がしっかりポイントを取れなかったから。自分はずっとケガをしていて、しっかり練習ができていなかったが、この大会にはしっかり合わせて調整できた。(ケガ)前ほどのキレは取り戻せなかったが、大分動けるようになっていた」

大竹
「今日の出来は最悪だった。自分の柔道をして、最低でも引き分けにしたかったが負けてしまった。力不足だった。個人も団体も結果は残せなかったが、これからは後輩のために一緒に練習していきたい。社会人になっても、柔道を続けるので少しでも明治という名前を残せるように頑張りたい」

渡辺
「自分のせいで東海大に負けた。指導取って勝っていて、投げられなかったら勝っていた。(投げられてしまったことについて)時間がなくて焦ってしまった。(攻めの柔道について)技がキレていないので、掛けないと掛からない。勝たないと意味がない。ここまで来れたのは良かったけど、1回でいいから優勝したかった」

岩城良佑(政経4=崇徳)
「大事なところで引き分けることができなかった。練習でも頑張っていたが、守るところでポイントを取られたのが敗因だと思う。今年は全国大会にも出ることができたし、練習も頑張ったので充実した1年だった。後輩には、今度の大会で優勝してもらいたい」

六郷
「東海大戦は点取られていて、指導2個でも取りにいかなければならなかった。練習しないといけない。(出来は)納得いかない。技に思いっ切り入れなかったり、組手が雑だったり、練習でやるしかない。悔しいことが多かったので、来年に生かしたい。団体戦なので、選手以外の人もみんな勝ちたいと思って練習すれば強くなる。全員が強くなればレギュラーも強くなる。一人一人が意識を持って練習していかなければならない。(目標は)全日本で団体も個人も優勝」

高橋良
「自分自身は全部勝てたし、チームの状態も良かったが優勝できなかったことは悔しい。相手の方が勝ちたいという気持ちが強くて、力が上だったと思う。だけど、差は少しだと思う。(監督が成長していると言っていたことについて)今日も勝てたので、強くなってきているとは思う。だけど、個人で全国1位になっていないのでまだまだ。監督にそう言ってもらっても満足しないで、頑張りたい。来年は自分から率先して練習したりして、みんなを引っ張っていきたい」

階級 氏名 学部・学年・出身校 身長・体重
◆大会登録メンバー一覧◆
60kg級 大竹 祐矢 政経4=愛知県私立大成 170㎝・60㎏
60kg級 宮澤 大希 営3=足立学園 169㎝・60㎏
66kg級 六郷 雄平 政経3=愛知県私立大成 168㎝・66㎏
66kg級 宮下 稜平 政経2=国学院栃木 164㎝・66㎏
73kg級 岩城 良佑 政経4=崇徳 164㎝・73㎏
73kg級 赤迫 弘幸 政経2=延岡学園 175㎝・73㎏
81kg級 藤本 英謙 政経4=青森山田 179㎝・81㎏
81kg級 福田 渉 商4=世田谷学園 173㎝・81㎏
90kg級 菅原 健志 政経4=愛知県私立大成 180㎝・90㎏
90kg級 高橋 昂太 商4=田村 173㎝・90㎏
100kg級 高橋 良介 政経3=愛知県私立大成 178㎝・100㎏
100kg級 稲木 貴統 政経3=愛知県私立大成 176㎝・100㎏
100kg超級 兒玉 雄一 政経4=修徳 186㎝・130㎏
100kg超級 渡辺 智斗 法4=埼玉栄 189㎝・125㎏