
流れを切らさず4位 総合上位に望みつなぐ/箱根駅伝
続いて2区は今シーズンエース候補に名乗りを挙げた大六野秀畝(政経2=鹿児島城西)。
どのレースでも安定した力を発揮してきた。前を行く東洋大を追いたいところだが、2・7km地点で早くも駒大のエース窪田に追い付かれる。だが、大六野も負けじと窪田のすぐ後ろに食らい付き2位争いを進める。8km過ぎの横浜駅前で2位集団が5人に増え、一層争いが激しくなった。強い向かい風の影響もあり、なかなかペースが上がらず苦しい展開に。一時は集団の前に出て引っ張るが、ラスト3kmから集団もばらけ、後方に下がってしまった。戸塚中継所では順位を4つ落とし、区間順位も12位と振るわず、大六野にとってほろ苦い「花の2区」デビューとなった。
何とか巻き返しを計りたい3区は主将の菊地賢人(理工4=室蘭大谷)。今シーズンは故障もあり苦しい1年を歩んだ。その思いを学生最後の駅伝でぶつけたいところだ。6位でもらった襷を5kmの序盤で4位に押し上げ集団の先頭で積極的なレースを進める。その勢いは止まらず11km過ぎに2位を走る日体大にも追い付き2位集団を形成。後に注目の大迫(早大)がこの集団にたどり着き、混戦となる。しかし、最初から引っ張ってきた疲れが出始めたせいか、徐々に2位集団から遅れをとり、つらい走りに。6位をキープして襷リレー。主将として4年生としてしっかり最後まで諦めない走りを見せた。
4区を任されたのは昨年同区間で区間2位と好走を見せた八木沢元樹(商2=那須拓陽)。
当日エントリー変更で2年連続の4区出走が決まった。中継所で13秒差あった山梨学大を4・5km付近で捕らえ、しばらくは並走。中盤で引き離した。さらに前を追い湯地(駒大)をも一気にかわし順位を2つ上げる力走。向かい風の中で多くの選手が苦しむ中、八木沢はしっかりとした足取りで小田原中継所へ。5区の大江啓貴(政経4=須磨学園)へ襷を渡し、往路優勝の望みを託した。先頭を走る東洋大とのタイム差を1分近く詰め、着実に仕事を果たした。
往路最終区、5区を走ったのは大江。2年連続5区区間2位の走りを見せた実力者だ。山の神と呼ばれる柏原(現富士通)が卒業し、今年こそ区間賞の期待がかかった。序盤を落ち着いて入り、安定した走りで上りに差し掛かる。しかし、大江以上のタイムで3位の山本(早大)が前を行き、なかなかその差が詰まらない。逆に差は少しずつ離れていき、大江にとって前も見えなければ、後ろからも追ってこない、完全な単独走に。苦しいレース展開が続いた。向かい風の影響もありペースが一向に上がらず、4位をキープしたままゴールへ。目標としていた78分台には届かなかったが、強風の吹き荒れる山を走り抜け、最大の力を振り絞りフィニッシュした。
強い向かい風の影響でどの区間も例年以上にタイムが伸び悩んだ大会だった。しかし、明大は順位を大きく変動させずに一人一人持つ力を出し切った。「まだメンバーも残っているので、狙っていける」(菊地主将)。今季のチームの強み「総合力」を存分に発揮し、総合上位を狙いたい。
[和久井駿]
試合後のコメント
山本豪コーチ
「4位という結果は、良くもなく悪くもなく。想像していた順位くらい。滑り出しは最高な感じ。1、2区はうまくいった。3区の菊地が山梨学大と駒大をずっと引っ張って最後離された。もうちょっと頭を使って力をセーブできればもっと良かったかな。うまく使われたかなと。菊地であと1分くらいは早く行ってほしかったかな。その分八木沢に負担がかかった。八木沢は悪い結果ではない。大江は、前と後ろが全く見えない状態だった。目標がいた方がリズム取りやすいから、すごく辛いレースだったと思う。(復路について)6区でトップとの差を縮めて、7、8区で勝負に出てほしいなと思う」
3区菊地
「僕自身がもっと良ければ展開も変わっていただろうし、コンディションがすごく特殊だったので、何とも言えない。位置的には全然悪くない。明日にまだメンバーも残っているので、狙っていける。最後まで目標に向かって。(自身の走りについて)集団を抜いて前で渡すことが仕事だった。集団に追い付くところまでは良かったが、後半向かい風に負けて失速してしまって。そこが自分として良くないところ。そこが弱いところだと思う。(復路に向けて)とにかく自分の走りをすることを一番に考えてほしい。復路も力あるので、上を狙っていけると思う」
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