小原4ゴール1アシストの活躍! 8得点を決め日大に勝利/関東大学リーグ戦

 後半戦初戦であった慶大戦の敗戦から1週間。負けは許されない一戦で白星を収めた。第1ピリオド、先制点を決めるも直後に失点を許してしまう。2点目も同様に、得点を決めてから後の失点。しかしその後はたびたび訪れる危ない場面を守り切り、日大を抑えた。小原卓朗(政経4=白樺学園)の4ゴール1アシストの活躍もあり、日大から8得点を奪い勝利。優勝に向け窮地に立たされた選手たちが意地を見せつけた。

 得点の奪い合いとなった第1ピリオド。5分19秒、ゴールチャンスは訪れた。明大ゴール前から本野亮介(商4=北海道清水)が放った大きなパスを、左サイドで永井遼(営1=白樺学園)がしっかり受け止め、右サイドに構えていた大椋舞人(法1=白樺学園)に横パス。最後は大椋が素早いトラップからシュート。自身リーグ戦初となるゴールを決め、先制点を奪った。しかし、その直後に明大のゴールネットは襲われた。「一瞬の気の緩みで失点してしまった」(牛来拓都部門主将・営4=北海)。6分9秒、D(ディフェンディング)ゾーンでの守備の甘さから、相手にフリーでのシュートを許し失点されてしまう。激しい奪い合いの中、8分20秒。今度は日大ゴール前での混戦から赤坂卓哉(営3=釧路工)が押し込みシュート。2点目を決めた。しかし喜びもつかの間、直後にまたもや得点を奪われる。ブルーライン左サイドから北原(日大)にフリーでシュートを許し、失点を喫した。2―2の同点のまま第1ピリオドは終盤に入り、迎えた17分49秒。右サイドにいた上野からの鋭いパスを受けた小原が、ゴール正面から流し込みシュート。最後は追加点を奪い1点リードで第1ピリオドを終えた。しかし、相手へのプレッシャー不足から守備への甘さが目立つ滑り出しになった。

 続く第2ピリオドは両者ともに反則が相次ぐものの互いにパワープレーを生かせない。なかなか追加点が奪えず第2ピリオドは終盤へと差し掛かる。16分20秒、木村、池田(共に日大)の反則により、5対3によるパワープレーの場面。パス回しから積極的にゴールチャンスを作る。そして18分13秒、ゴールネット裏に回り込んだ山田がゴール前に構える小原に左サイドから絶妙なパスを送る。最後は小原がしっかり決め切り4点目を奪った。しかし第2ピリオドも終わろうとしたその時、ピンチを迎える。19分20秒に佐藤光(文3=白樺学園)が、19分45秒に小原が反則を取られてしまい、2人欠いた状態での第3ピリオドのスタートを強いられることに。日大を突き放し勝利を近づかせた直後、思わぬ痛手を招き第2ピリオドを終えた。

 何としてでも守り切らなければならない。いきなり3対5のキルプレーから始まった第3ピリオド。牛来、本野、最上義崇(文2=八戸商業)、そしてGK伊藤優人(商3=白樺学園)の4選手による必死の守りで、ゴールを許すことなくピンチを乗り切った。すると、窮地を脱した明大は反撃に転ずる。2分13秒、GK一條(日大)のタッチミスから小原が5点目を決めた。流れをつかんだ明大は、プレーに陰りが見えかけた日大をさらに突き放しにいく。14分18秒、一條の弾いたパックを大椋が左サイドから押し込み、2点目となるシュートを決める。続けて17分25秒。小原が自陣で相手に激しいプレスをかけ、パックを奪う。縦へのスルーパスを受けた赤坂が日大DF陣を切り抜け、2点目となるシュートを決めた。一気に勝利を引き寄せた明大は19分39秒、小原がこの日4点目となるダメ押しシュートで試合を決めガッツポーズ。日大の反撃を許さなかった明大は、第3ピリオドだけで4得点を量産し白星を飾った。

 「試合の出来は50%。これではいけないです。もっと選手たちがやるべきことを自覚しなければなりません」(藤井匡智監督)。大差で勝利を収めるも、納得のいく試合とはならなかった。「体の準備はできているので、あとは気持ちの準備をどう持っていくか。持っているものを全て出し切るだけ」。確実に白星を重ねていくしか優勝への道はない。次戦に向けてしっかりとした準備で臨みたい。

[長堀笙乃]

試合後のコメント
藤井監督

「(今日の試合を振り返って)慶大戦での負けに対して自分たちの力が出せるかどうかが重要となりました。しかし試合の出来は50%。これではいけないです。もっと選手たちがやるべきことを自覚しなければなりません。慶大にしろ日大にしろ、力では負けないことは確かです。しかし前回慶大に負けてしまったように、自分たちの100%の力を出し切らなければ勝ちきることはできません。プレーの面だけでなく、もっと試合への気持ちの準備が必要だと思います。(攻撃、守備について)FWのプレッシャーはないし、守りの動きも足りませんでした。そのために危ないところを空けてしまい、失点につながってしまったのだと思います。攻めが駄目だと守りも駄目になる。バランスの調整が必要です。(リーグ初ゴールを決めた大椋)決定的な場面で決め切れておらず、まだまだ力を出し切れていません。あいつが持っている力はこんな程度じゃないです。(リーグ戦中盤に入ってからの選手の状態は)精神的な疲れはあるかもしれませんが、肉体的な疲れはないと思います。もう負けたら終わりだし、どこのチームも今が頑張りどころ。疲れたと言っていては勝てません。(慶大戦でケガ人がいたことについて)楠本や上野などは完治とまではいきませんが、試合に出られるまでには回復しました。ただ、ここまで来たら痛いとかは言っていられません。痛いなら試合に出さないし、他の使える選手を出します。(次戦に向けて)勝ちに対する気持ちが全面的に出てこないのは、精神的な弱さの表れです。全部勝っていかないといけないのに、選手たちはまだまだのんきでいる感じがします。もっと危機感を持ってもらいたいです。体の準備はできているので、あとは気持ちの準備をどう持っていくか。持っているものを全て出し切るだけです」

牛来
「前の試合であのような負け方をしてしまい、立ち上がりから良くありませんでした。最後2、3ピリオドとゴールは出ましたが、まだまだ自分たちの力は出せていないと思います。気持ち的に焦りがあったと思います。(いきなり失点してしまいました)Dゾーンでばたばたしてしまい、一瞬の気の緩みで失点してしまいました。(最終的には8ゴール奪いましたが)FWの運動量が足りません。カウンターからであったり、ノーマークであったり。崩したり、きれいな形で決めてはいません。東洋戦は良かったけれど、パワープレーで決め切れなかったです。(途中3対5のキルプレーの場面もあったが)次の法政はパワープレーの攻め方がうまいです。ただ、1点やられても厳しい場面で守れたのは良かったです。(次戦に向けて)大事な一戦です。引き分けても先はありません。インカレでも恐らく準々決勝で当たる相手ですし、東洋戦のように内容も伴った勝ち方がしたいです」

4ゴール1アシストの活躍を見せた小原
「(今日の4得点について)たまたまです。みんながいいパスをくれたおかげです。1点取れたことで流れに乗れました。(7点目のアシストについて)味方が入ってくれると信じてパスを出したので決めてくれて良かったです。(前からの守備意識に対して)セットごとにFW同士で話し合っています。(ポイント王争いについて)チームが勝てばいいので意識はしていません。取ったことがないので、チームが勝って取れればいいと思います。(今後に向けて)1試合も落とせない状況なので、雰囲気良くやっていきたいです」