完全勝利! 攻守かみ合い強敵東洋大を撃破/関東大学リーグ戦

 昨年のリーグ王者相手に、攻守で圧倒した。リーグ戦の前半最後の試合となったこの試合。何とかして首位で折り返したい明大は、無敗でリーグ戦首位に立つ強豪・東洋大を迎えた。リーグ戦序盤でつまずいた明大にとって、負けられない試合だったが「1ピリから明治のホッケーができた」(牛来拓都主将・営4=北海)と開始から試合を支配。守備でも2試合前の中大戦に続き完封を達成し、理想のスコアで好敵手に勝利した。「苦手意識はなかった」(奥平将斗・政経4=釧路江南)と選手たちは口々に言うものの、東洋大にはリーグ戦3年ぶりの勝利となった。

 攻守の連携が光った。立ち上がりから自慢のパスワークで相手DFを翻弄(ほんろう)する。相手のペナルティーを誘いパワープレーとなり、波状攻撃を仕掛ける。それが実ったのは2分37秒。慶大戦でハットトリックを決めるなど好調の大津晃介(法1=日光明峰)はゴール左でパスを受け、シュート。一度相手GKに弾かれるも、押し込んで明大が先制点を奪った。「点を取ること、勝つことに対してポジティブになれている」(大津)と1年ながら攻撃陣をけん引している。しかし、8分46秒、12分29秒と2度のペナルティーでピンチを迎える。ここはGK伊藤優人(商3=白樺学園)を中心にFWも一体となったディフェンスで失点を防いだ。この難局を凌ぐとその後は、牛来、上野滉太(政経3=北海)、大津のFW陣を中心に連携の取れたパスやシュートを見せる。このピリオドは1点を奪うにとどまったが、さらなる得点を感じさせた。

 第2ピリオドは開始早々57秒で欲しかった追加点を挙げた。相手がペナルティーを犯し、パワープレーとなったところに、再び大津。ゴール裏からの牛来のリターンを冷静に流し込み、東洋大を突き放す。攻撃の手は緩まず、カウンターから追加点を奪う。大津が自慢のスピードで左サイドを突破。相手DFに体を寄せられるも、右サイドからゴール前に入ってきた牛来にラストパス。落ち着いてゴール右隅に打ち込み、3点目を挙げた。これに焦った東洋大はタイムアウトを要求。流れを引き寄せようと試みる。しかし明大は「相手にミスを誘うプレーができた」(藤井匡智監督)と多くのペナルティーを誘い優勢を保ち、相手に流れを渡さない。第3ピリオドでは左サイドの大椋舞人(法1=白樺学園)から出たパスを、佐々木創(法2=釧路江南)がゴール前で合わせ、ダメ押しとなる4点目を奪い試合を決めた。

 堅守が光った。昨年のインカレ王者・中大を完封するなど、ここ数試合はDFの活躍が目立つ。この試合では「攻めて攻めて守る。これが自分たちが目指している形」(藤井監督)と、理想の形が垣間見えた。FWがどんどん前からプレスをかけ、ディフェンスに貢献。第1ピリオドは8分に大津、12分に小原卓朗(政経4=白樺学園)がペナルティーを犯し、キルプレーが続いてしまう。1点を争う緊迫した場面だったが、GKの伊藤を中心にDF陣はもとより、FW陣も体を張ってゴールを守った。第2ピリオドには大津が、第3ピリオドには本野亮介(商4=北海道清水)がそれぞれペナルティーでキルプレーとなり、パックを支配され東洋大に猛攻を許すが、やはり守護神・伊藤がゴールを割らせない。「一番の経験になった」(本野)と攻撃力に定評のある東洋大を完封し、自信を深めた。

 同率首位に躍り出た。リーグ初戦では早大に5失点で大敗し、法大と引き分けるなど調子は良くなかった。しかしこの試合でついに東洋大、早大と5勝1分1敗で並び首位に立った。次戦からは後半戦。一度やった相手と、再び相まみえる。「1回区切って新たな気持ちでやりたい」(牛来)。勝利の余韻には浸らずに、次を見据えていた。「優勝するには取りこぼしは許されない」(藤井監督)。これからの一戦一戦は、一つの結果がそのまま順位に影響する。序盤の失敗を取り返して、悲願の優勝、そして大学3冠へ。明大の活躍から目が離せない。

[毛利允信]

試合後のコメント
藤井監督

「(今日の試合を振り返って)今日の試合に向けてうまく調子を上げられたと思います。また課題としていたFWの運動量不足も目立たず、相手にミスを誘うプレーができて良かったです。(FW陣のゴールについて)最初コンディションが悪くなかなか点を取れない焦りがありましたが、点が取れて持ち味が出てきたと思います。(伊藤について)スタート立ち上がりはなかなか試合感がつかめずにいたところもありましたが、自分なりに一戦一戦調整して調子を上げてくれました。今は安心して見ていられます。(練習について)スコアリングできる選手を探しています。特に佐々木は肘をケガしていましたが、いい動きを見せています。FWの選手は全員が試合に出たいという思いを持って練習に取り組んでいるので、互いに刺激し合いながらチーム内でいい争いができていると思います。(ここ最近は失点も最小限に抑えられていますが)やはりFW陣が機能してきたのが大きいです。"守って守って攻める"のではなく、"攻めて攻めて守る"。これが自分たちが目指している形です。FW陣がやるべきことができてきたので、自然と守りも落ち着いてきたのだと思います。(東洋大に対してはリーグ戦3年ぶりの白星となったが)昨年リーグ戦2戦目で引き分けて以来勝てていませでしたが、決して苦手意識があるわけではありません。明治のプレーができれば勝てると信じていたので、勝てて良かったです。(今日で前半戦が終了しましたが)スタートでつまずいてしまい、序盤は苦しい展開となってしまいました。練習ではいい動きができていましたが、やはり一番の原因はなかなか試合感が戻ってこなかった所にあると思います。攻め守りが全体的に中途半端でした。中大戦辺りから調子が上がってきて、全員で攻めて守り切るプレーができてきたように感じます。(今後に向けて)初めのつまずきをどうやって取り返せるか。優勝するにはどこと当たろうと取りこぼしは許されません。選手も調子が上がってきて自信も戻ってきています。真っさらな状態でのスタート。気を引きしめて全員で全力で戦って行きます」

1ゴール2アシストとFW陣を引っ張った牛来
「強い相手ということでみんな気合が入っていましたし、1ピリから明治のホッケーができました。リーグ戦は負けてスタートしたので、これで自信がついきました。東洋に勝ったからといって油断せずに次もやりたいです。(1ゴール2アシストでしたが)大津からいいパスがきました。アシストは2点とも狙い通りです。慶大戦あたりから調子が上がってきました。これを続けてチームを引っ張りたいです。(前半戦を終えて)最初は負け、引き分けと苦しかったですが、これで勝ち点で1位に並びました。1回区切って新たな気持ちでやりたいです」

大声で指示を出し、DF陣をけん引した奥平
「1次リーグ最終戦、東洋が相手ですが勝つのは当然ですし勝ち方にこだわりました。ペナルティーなどで荒れたシーンもありましたが、落ち着いてプレーできたので良かったです。1、2年生の活躍が目立ちましたね。(無失点について)優人(伊藤)を中心に、周りに助けられました。10点取っても、9点入れられたら意味ないです。攻撃陣が強い東洋相手に無失点という結果は、みんな自信になったと思います。(ここ3試合で1失点)優人の調子がいいのが大きいです。FWにも守備意識があって、助かってます。DFのミスは失点に直結するので、慎重になってほしいとはFWに伝えました。(3年ぶりとなる勝利について)苦手意識はなかったですが、素直にうれしいです。(次の試合に向けて)2クール最初の試合ですし、相手は関係なく明治のホッケーで圧倒したいです。ここから気持ち切り替えて、リスタート。一から頑張ります」

後方からのパス、体を張った守備と攻守に貢献した本野
「今日は最初から相手を圧倒していました。攻撃力のある東洋大を完封できたのは一番の経験になると思います。(DFからみてFWの守備は)いつもはだらしないプレーをしていますが、(今日は)守備の意識が高かったです。(前半戦を振り返って)最初は試合勘が戻らなくて、落としてしまいました。今いい流れなので、この勢いのまま全勝して、とにかく優勝狙って頑張ります」

ダメ押しとなる4点目を挙げた佐々木
「みんなすごいやる気でした。初戦で早稲田に負けて、優勝に向けて負けられない試合だったので勝てて良かったです。(ダメ押しの4点目について)最初はケガで出れませんでしたが、ここ最近は出させてもらっているのでしっかり仕事しようと思っていました。結果が出て良かったです。レギュラーに残れるように頑張ります。(無失点について)ピンチもありましたが、優人さんを中心に守ることができました。(東洋大相手にリーグ戦3年ぶりとなる勝利)苦手意識はなかったです。優勝に向けて負けられない試合が続きます。一戦一戦しっかりやって勝ち続ければ、結果も付いてくると思います」

2ゴール1アシストを決めた大津
「今は点を取ること、勝つことに対してポジティブになれています。そういう気持ちが出せたと思います。チームの雰囲気がいいです。ミスをしてもフォローの言葉だったり、温かさがあります。チームが連動してきていると思います。(ペナルティーについて)先輩にも注意されていますが、すぐかっとなってしまうので、感情のコントロールができるようにしていきたいです。(守備に関して)運動量で相手に負けないものを見せようとしました。(前半戦が終わったが)出だしが悪かった分、甘い気持ちだと勝てないことを痛感しました。一戦一戦もっと良く、残りの試合も手を抜かないように頑張りたいです。(次戦に向けて)振り出しに戻ったので、前半戦の借りが返せるように、スピードのあるガッツのあるプレーをしていきたいです」