
雪辱果たせず、中大に敗れ準優勝/東日本大学選手権
初戦と準決勝は慶大、早大にはそれぞれ7―0、5―2で勝利。春の東日本リーグ戦と同様、中大との決勝戦となった。7人制では一度勝っている相手ということもあり善戦が期待されたが、先鋒(せんぽう)の石田圭吾(文1=大商大堺)が開始早々10秒で一本を取られるとペースを乱され敗北。「勢いをつけるはずだったができなかった」(石田)と振り返る。勢いづいた中大に次鋒(じほう)と参鋒(さんぽう)も白星を挙げることはできなかった。ここで中堅として登場したのが栁口憲太(商2=長崎西)。一般入部の栁口だが「相手のポイントゲッターと互角に戦った」(高村潤監督)と、その成長ぶりは監督のお墨付きだ。勝利には届かなかったものの、試合終了11秒前まで一本も取られることなく粘り強い戦いを見せた。ここでチームカウントは4―0。明大の敗北が決定した。しかし最後に岡部力樹也主将(文4=東大阪大柏原)と大石健作(文3=初芝立命館)が意地を見せる。岡部は初戦から見せる安定の強さで相手から確実にポイントを奪い、5連敗の流れを断ち切った。そして今大会で来年度も見据えて大将に起用された大石は中大の主将を相手に1分足らずで勝利を収めた。
また、同日に行われた東日本大学形選手権では大貫洋平(文2=東海大相模)が一人形の部で2年連続となる優勝を飾った。二人形の部でも土田直樹(法2=本郷)・渡辺健太(商2=明大明治)組が準優勝。キレのある形を披露した。
今年度の中大との戦績は1勝2敗。「中大の選手を目の前にした時点で努力して練習してきているのが分かった」(岡部)。選手が口をそろえて指摘するのは練習量の差だ。最後の戦いまであと1カ月と少し。各々が自分自身を見つめ直し、団体インカレでのリベンジを誓った。
[関本紗希]
試合後のコメント
高村潤監督
「最初の先鋒(せんぽう)から調子を狂わされてしまって打つ手が無かった。ここが勝負だった。言い方は変かもしれないがこれが全日本ではなくて良かった。栁口は相手のポイントゲッターと互角に戦って今後も使えると思った。加藤と平松はスタート30秒は良い試合をしていたが後半は中大のプレッシャーにやられてしまった。榊原は勝てると思っていたが、ここで中大の層の厚さが見られた。石田は右手のケガが治ってから非常に良い動きをしていた。激しい拳法で先鋒(せんぽう)にはうってつけの選手。序盤でリズムが狂ってしまったが慌てず有効に3分間使えていたら流れは違ったと思う。大石は来年のことを考えて最初から秋は大将にしようと思っていた。岡部と大石は楽に勝てるとわかった。差が開いたのは中央の方が半歩上だったから。早稲田戦と選手の順番を変えなかったのだが、それが読まれてしまった。しかし府立(全日本大学選手権)はこうはいかない。秋は下級生中心に若い力で盛り上げてもらう」
岡部
「中大の選手を目の前にした時点で試合が始まっていなくとも努力して練習してきているのがわかった。試合時間の3分間途中までうちは動けていたが、時間が経つにつれて練習量の差が動きの違いとして出た。「あそこにあいつがいたら」では団体戦は勝てない。先鋒(せんぽう)から5連敗という相手の流れを切れなかった部分に明大と中大の差がある。勢いをかわれてメンバー入りした選手が勢いで負けていた。絶対に勝つという気迫に押されてしまっていた。収穫としては栁口。負けてしまったので褒めることはできないが、途中まで完全に相手を食っていた。府立に向けて準備を整えなければいけない」
加藤俊一郎(文4=栄東)
「早大、中大共に攻めにいったところをカウンターで狙われてしまった。作戦負けだった。あとはスタミナの無さで勝ちを奪えなかった。立ち技と組み技の練習バランスを考え直したい」
平松直明(文4=清風)
「悔しいがこの結果を受け止める。中央が自分たち以上のことをしていた。自分の動きも完全にシュミレーションされていた。自分たちが甘かった。今明大の選手たちは自分自身の弱点から目を背けている。見つめ返す良い機会にはなった」
大石
「今日のチームは乗っていたけど中大の勢いに負けてしまった。試合は結局本当に勝つべきチームが勝つ。今回自分たちがそうでなかっただけのこと。負けて悔しいで終わっていたらまたその繰り返しになってしまうので理由をもっと考えていけたら良いと思う」
大貫
「今日の負けは団結力とか以前の練習量の問題だった。練習を重ねれば自然とチームでの個々の役割を理解してできると思う。個人としては形からの時間があまり無く、1回戦も体を温める間が無かったので2回戦でアップ不足が出てしまった。根本的に大事なのは気持ち。勝ちたいと口に出すのは簡単だが、チームとしてできあがるように気持ちを個々で高めていければ良いと思う」
榊原亮(法2=大阪桐蔭)
「練習量が足らなかった。絶対勝とうと思って試合に臨んだが一本を取られて焦ってしまった。引き分けで後につなげることもできたのに二本目は深追いして取られた。絶対的に練習量が足らない。相手にかなり研究されていて、明治はその場その場での戦いをしていた。これからは相手を研究していくこともしなければならない」
栁口
「自分は組むことが1番得意なのでそこで攻めた。周りからは良かったと言われたけれど、投げた後に突きや蹴りで決められないと駄目。後半にはバテてしまったし課題はたくさんある。今日の決勝に出られたことはうれしい。自分の名前が呼ばれるとは思っていなかった。今日はいい経験になったし自分の中では大きい。ライバルは多いけど府立でもレギュラーの栁口としていられるようにしたい」
石田
「先鋒(せんぽう)で勝って勢いをつけるはずだったがそれができなかった。自分の拳法は前に出ていく拳法。気持ちの面で自分の拳法をすることができなかった。練習の甘さを実感した。練習を積んで府立では優勝する」
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