
結果をかみ締めインカレへ/東日本学生個人選手権
明大の先陣を切ったのは56㎏級、加藤駿(営4=柴田)。最初の試技、スナッチで77㎏を危なげなく挙げるが、後が続かなかった。残りのスナッチを2本目、3本目と失敗。流れを変えることができず、ジャークでは全て失敗してしまった。結果は記録なし。試合後「後輩の盛り上げに応えることができなかった」とチームに申し訳ないという気持ちを語った。
次に登場したのは62㎏級の谷中洋登(政経4=須磨友が丘)と原亮太(法2=須磨友が丘)。先にプラットに立った谷中は最初の試技から苦戦した。結局スナッチは3本失敗し、記録なしという結果に。「気持ちがうまく入らず、空回りしてしまった」と肩を落とした。続いて原が登場。「今日は全然駄目だった」(原)とスナッチ、ジャーク共に1回のみの成功。2位で表彰台には上れたが「成功率を上げるような試合をしたかったのに」と悔しさを口にした。
<2日目>
69kg級には明大からは9人が出場し、3日間を通して最多の22選手がしのぎを削った。佐藤光(政経2=宮城農)は9位に付け、昨年の14位から大きく前進。スナッチは104kg、ジャークでは130kgを成功させた。大会前まで調子は上がっていなかったようで、練習ではスナッチ90kg、ジャーク120kgまでしか挙がらなかったというが、本番ではどちらも10kg上の100㎏、130㎏に成功した。今回の成績について「試合の緊張感が良かったのかもしれない」と振り返った。合宿では体力強化に取り組み、終わってからは調子を取り戻したという。次回出場する新人戦へ向けて「今回は自分の中では40点くらい。まだまだできる。新人戦では表彰台に乗りたい」と意気込んだ。新人戦ではさらなる記録更新に挑む。
77kg級は明大勢にとっては苦しい戦いとなった。全体的にミスが目立ち、記録なしの選手も見受けられた。大皿健太(法1=明石南)はジャークが振るわず、記録なしに終わった。合宿では補強に力を入れたが、ケガの調整が追い付かず、悔しい結果に終わった。新人戦に向けては「下半身強化とフォームの見直しをして、成功率を上げていきたい」と語った。
85kg級は、西岡翔吾(政経1=洲本実業)のみの出場となった。スナッチ120kg、ジャーク151㎏を挙げ、4位に付けた。「練習でも120㎏を挙げたことはなかった」と、本番強い一面を見せた。ジャークについては「3位を狙えたのに情けない」と悔しさをにじませた。3位とはわずか2kgの差だっただけに、惜しい結果。あと一歩表彰台入りとはならなかったが、悔しさは今後につなげていく。「力はあると思うんで、新人戦では優勝を狙いたい」。西岡の力強い言葉に懸けたい。
<3日目>
105㎏級では大嶋虎太郎(政経4=鎮西)が出場。見事3位入賞し、表彰台入りを果たした。スナッチでは125㎏、ジャークでは162㎏に成功。スナッチでは3本目のみの成功、ジャークは3回目の162㎏で成功と、粘り勝ちを収めた。競技が終わるとセコンドを務めた加藤(営4=柴田)と握手を交わした。
畠山桂(政経2=能代工)はスナッチ115㎏、ジャーク165㎏を挙げた。プラットに立った時も緊張はなく、楽しんでできたという。ジャーク2本目の160㎏は自己新記録。「正直いける気がしなかった」と言う畠山だが、セコンドの原に押し出される形でプラットに立った。「かましてこい」という原の言葉通り、自己新記録を更新し、さらに165㎏にも成功。試合後にはハイタッチをして勝利の喜びを分かち合った。この結果について畠山は「自分でも驚いてる。合宿での筋力強化が良かったのかも」と話した。新人戦までは、筋力強化に力を入れてさらに上を目指す。
昨年に比べて結果の振るわなかった明大。今回はケガを抱えていたり、不調の選手が多かったという。来月行われる新人戦を部員の実力の底上げと捉え、上位入賞を狙いたい。2部降格を味わった昨年のインカレから1年。汚名返上の舞台はもうすぐそこである。
[関口詩織・鈴木千明]
選手のコメント
加藤
「最後に近い大会だったから気合は入れてたのに、記録なしに終わってしまって悔しい。アップの時は軽くて後輩も盛り上げてくれてたからやりやすかった。でもそれに応えられなかった自分がいた。セコンドについてくれた人にも応援してくれた人にも迷惑を掛けてしまった。夏合宿は最後だったから悔いの残らないようにしたかった。自分なりに満足できたと思う。合宿での一番の収穫はチームの絆。一人一人助け合って合宿を終えられた。今のチームの雰囲気はめっちゃいい。昔は後輩が先輩の言ったことにうなずくだけだったけど、今は後輩から意見が来る。その後輩の意見も入れてそれを全体の意見としてまとめている。(4年間振り返って)最高だった。悔しくて泣くのも、うれしくて笑うのもこのチームで良かった」
原
「今日は全然駄目だった。成功率を上げるような試合をしたかったのに、欲が出てしまって成功率どころじゃなかった。夏合宿は初日からケガしないレベルで自分を追い込めた。チームでは一丸となっていい雰囲気で過ごせたと思う。今はインカレを意識している人もいるけどまだ意識していない人もいる。自分もまだ半々くらい。記録だけじゃなくて意識も全体的にまだまだ」
谷中
「調子はそんなに悪くなかった。合宿で記録が伸びたのでいけると思ったのだけど…。1本しか取れないのは久しぶり。力も落ちていなかったと思うし、空回ってしまったのかもしれない。今後はインカレまでの6週間練習するしかない。まだ追い込める」
奥山
「夏休みに地元に帰ってスナッチが4.5㎏伸びて、合宿でも調子が良くてジャークが4㎏伸びた。でも合宿の最後にひじを痛めて、今回の試合の1週間前までスナッチをやってなかった。だからこの1カ月くらいはジャークに懸けていて、自己新記録を出そうと思っていた。アップ中も調子が良かった。でもジャークの1、2本目の間で体が冷めちゃって128㎏は思うようにいかなかった。3本目は自己新を触りたいと思ったけど、やってきたことが甘かったという感じ。自分にも甘えていたと思う。夏合宿はみんなに支えられて乗り切ってきたし、支えられて自己新が出せたから、試合では感謝して精一杯試技しようっていう気持ちで臨んだ。今日は気持ちも高かったけど、普段の練習をそのまま出すのが難しい。その難しさが課題。今、チームの練習はプラットに入る人を固定してやっている。自分は敦見と吉川と3人で毎日練習している。固定するとそのプラットの先輩が責任を持って後輩を指導できる。それぞれ刺激もし合えるし、毎日の練習が楽しい。この3人はスナッチが好きで、ジャークから逃げ続けてきたメンバー(笑)。だから、ジャークメニューを中心にやっている」
波部
「コンディションは良くなかった。2月に腰のヘルニアの手術をした。左下半身がしびれていて、競技ができる時期とできない時期を繰り返していて、できない時期の方がトータルして長かったから手術をすることにした。腰痛は残ってるけど、足のしびれは完治している。夏休みは記録も伸びてきてたけど、4日前から風邪を引いて今日は調子が悪かった。合宿は設備にも恵まれて記録もみんな出してたので成果は出たと思う」
大山
「全部いつも通りだった。一応、最後の大会だったからちゃんと調整して臨んだ。合宿は充実した良い練習ができた。先輩が後輩に声掛けてアドバイスする機会が多くなってまとまりもできたと思う。最終はインカレだからチーム一丸となることを心掛けていきたい。4年間で記録はあんまり伸びてないけど、今までやってきたことはこれから先も役に立つと思う」
吾郷主将
「そこまで記録を狙うことはしなかった。来週に国体を控えているので、調整程度だった。合宿を終えて体重が増えた人も記録が伸びた人も多いから合宿をやって良かった。今は調子が悪い人とかケガ人も多いから、今回の結果は仕方がないという人もいる。最近の練習は先輩後輩関係なくお互いに色々なことを言い合えるようになった。月ごとに目標重量を各自で書くようにもしている。そういう積み重ねが大事だと思う。インカレは全階級に選手がそれぞれ出場して全員が優勝して、ダントツで1部に昇格するっていうことを前から言っている。チームの雰囲気もこれから自然とインカレに向かっていくと思う」
小川
「順位を狙えなかった。大会での自己ベストは更新しようと思っていて、スナッチで104㎏取れたので1㎏更新できて良かった。色々なところをケガしているから調子は良くなかった。ジャークはクリーンが軽かったけど、125㎏で立てなかった悔しさがある。合宿はいつもと違ってチームの雰囲気も向上して自己新を出す人も増えて練習が楽しくなった。これからは全体的に筋力を戻す。新人戦では順位を狙えるなら狙って、自分の試合ベストを更新したい」
二村
「スナッチに問題点が多い。合宿が終わってからジャークの調子が上がってきた。でもスナッチの調子は上がらないので上げていきたい。合宿は楽しかった。競技にも精神面でも変化を生んだと思う。練習では中田さんと補助のペアになって取り組んだ。特にスクワット、デッドリフトをやった。セット新記録も出て持久力はついたと思っている。次の試合に向けてもう少しスナッチを伸ばしたい」
佐藤
「練習の調子は良くなかった。試合ではスナッチ100kg、ジャーク130kgを挙げたが、練習ではスナッチ90㎏、ジャーク120㎏までしか挙げたことはなかった。落ち着いてやればできると思った。試合の緊張感が良かったのかも。練習不足だと感じた。試合と同じようにできるようにしたい。合宿当日は体力が落ちてて駄目だったけど、終わる頃には体力が上がったのを実感できた。(合宿を終えて)クリーンは良いけどジャークで135㎏が取れそうで取れない。ジャークは強化していきたい。チームの雰囲気も一丸となってやっていく感じで、応援があるから頑張れる。新人戦では表彰台を狙う。ジャークを強化して110㎏、138㎏を挙げたい」
足立
「今回は調子が悪くて、思うようにできなかった。一本一本集中してなかった。スナッチは良くなかったが切り替えは良かった。ジャークに影響はなかったと思う。合宿ではしっかり練習して足や体幹の強化をした。新人戦では自己ベストを更新したい」
中田
「スナッチは雑になってしまった。インカレに通用するにはこの時期から150㎏を触っていかないとと思って今回は挑戦した。今回は結果は良くなかったけど、自信がないことはない。スナッチ、ジャークで120㎏、150㎏を上げるのが今の目標。来年以降伸びるためにも必ず達成したい」
大皿
「調子は悪くなかった。スナッチで自己新記録いけるかなと思ったけど、結果が出ずに悔しい。合宿では強化をやって調子は上がってきていた。今回の結果は情けない。足をもっと強化して、フォームも見直していく。自己新記録を出す、成功率を上げることを目標にしたい」
吉川
「風邪を引いて、夏バテで体重も3㎏くらい落ちていて調子が悪かった。合宿は記録が上がって楽しかった。でも増量がつらかった。階級の体重いっぱいまでにもっていくつもりで、飯をたくさん食べるのがつらかった。来月の新人戦は体重を増やして、自己新記録が取れればいい。順位は勝手についてくると思う」
中野
「スタート重量は低めに設定してたけど成功率に欠ける試合だった。引き出しが重くて思うようにクリーンができなかった。夏合宿は練習よりもごはんがきつかった。今はみんなインカレが近いからガツガツ練習している。ただケガ人が多い。新人戦は成功率を上げて自己新記録を取れるようにしたい。順位よりも記録を重視したい」
片山
「恥のない試合をしようと思った。でも減量もあって調子が悪くて全然駄目だった。チームは練習に意欲的で雰囲気もとても良い。新人戦では順位は関係なくスナッチ115㎏、ジャーク145㎏を取れるようにもっと頑張る」
西岡
「スナッチの120㎏は今回初めて取れた。ジャークは腰を痛めて調整が効かなかった。3位入賞を狙えたのに負けてしまって悔しい。新人戦では優勝を狙いたい。トータルで300㎏上げられたらいいと思う」
畠山
「スナッチは自分では詰めが甘かったと思う。肩の強化をしたい。今回は楽しんでできた。合宿の強化が表れて、4日前に大会の重量を触ったら軽かったので、手応えはあった。プレスとスクワット、両方を強化して、インカレに備えたい」
大嶋
「みんなに持ち上げてもらった感じ。改めて応援のすごさを感じた。セコンドもうまく回してくれた。自分は勝ちたいっていう気持ちよりもみんなの期待に応えたいっていう気持ちが強かったと思う。インカレはメンバーに選ばれるくらい強くなって、最後の最後まで明大に貢献したい」
関連記事
RELATED ENTRIES