法大相手に引き分け 春季王者・明大に漂う停滞感/関東大学リーグ戦

 リーグ戦第1週目を1勝1敗で終えた明大。そして迎えた第2週目。「勝たなきゃいけない試合だったのに悔しい」(牛来拓都部門主将・営4=北海)。法大を相手に先制点を奪うも、決定的場面で決め切れず、3―3の引き分けに終わった。

 第1ピリオド。法大FW陣にスキを与えず、積極的にゴールネットに揺さぶりをかけていく。開始2分40秒、法大の中口がトリッピングで反則を取り、明大にパワープレーのチャンスが訪れる。このチャンスを生かしたい明大。FW陣の攻撃にもパワーが増し、迎えた4分1秒。赤坂卓哉(営3=釧路工)の絶妙なパスを受けた小原卓郎(政経4=白樺学園)が、そのままパックを押し込みゴール。貴重な先制点を決めた。しかし残り6分となったところで、ここから法大の怒とうの攻撃が始まる。明大DF陣がうまく機能せず、法大のFW陣をマークし切れない。伊藤優人(商3=白樺学園)の体を張った守りにより、何とかゴールは守れたものの、フリーでゴールを決められる危険な場面が多々見られた。

 続く第2ピリオド。開始3分18秒、本間貴大(法3=釧路江南)がトリッピングで反則を受けてしまう。そこで第1ピリオドとは反対に、法大が明大のキルプレーを生かして反撃に出る。その直後、明大の足が止まりかけたのを逃さず、法大が素早いパス回しを展開しゴール。あっという間に1点を返され、勝負は再び振り出しに戻った。リードを奪うべく、両者とも攻撃に熱が入る。激しいぶつかり合いにより負傷者が出たり、転倒するシーンが相次いだ。しかし両者ともなかなか1点が決められず、勝負は第3ピリオドへ。

 1点、1点がほしい。序盤から激しいパックの奪い合いとなり、応援席からもたびたび歓声が沸いた。そんな中開始4分33秒、法大の反則を機に試合が動き出す。左サイドから牛来のパスを受けた佐藤光(文3=白樺学園)が、ゴール正面から鮮やかなシュートを決めた。しかしこの1点が法大FW陣の攻撃に火をつけた。明大は法大の激しいプレスを受け、パックを奪われた後の守りがしっかりしない。「気持ちが足りなかったと思う」(藤井匡智監督)。フリーでシュートを決められるなど、法大の思うままにゴールを続けて決められ、ついにリードを奪われてしまう。試合時間残り44秒。明大は最後の攻撃に出るべくタイムアウトを取った。「ゴール前に集まる動きをつくれ」(藤井監督)。何としても負けられない。選手たちは最後の力を振り絞り、果敢にゴールに立ち向かった。その思いが届いたのか、残り34秒。またもや佐藤光が法大DF陣のスキを突き、シュート。歓喜のゴールが生まれた。もう1点がほしいところだったが、願いかなわず試合終了。気持ちのいい勝利とは行かず、悔しい引き分けに終わった。

 決めなければいけない場面での「決定力不足」が浮き彫りとなる試合となった。まだまだ持ち得る力を発揮できない明大。そろそろ王者の爆発力を見せつけてほしい。「今日負けたわけじゃないし、まだ優勝の可能性はあるので明日は絶対に勝ちたいと思います」と、自らに言い聞かせるように話した牛来。本日の中大戦も気の抜けない一戦になることは確実だ。主将の言葉を信じ、勝利に期待したい。