東農大に逆転勝利で初戦突破/関東学生秋季1部リーグ戦

2012.09.17
 天理大との夏合宿を終え、一回り成長したホッケー部。「フィジカルを維持すれば、技術とクレバーさはあるからどこにも負けない」(宮田知監督)チームに仕上がった。秋季リーグの初戦は東農大だ。昨年の秋季リーグからの対戦成績は1敗1分と良くない。その相手に前半、2点のリードを許し立ち上がりに不安が残ったが、終わってみれば4-2と逆転。後半は攻守に充実した内容となった。

 「前半は立ち上がりが悪くて、ディフェンスもふわふわしていた」(小池文彦コーチ)と序盤から防戦を強いられた。東農大の左サイドからの攻撃に苦しみ、前半7分と早い時間に先制点を喫してしまう。後方から立て直しを図るも、なかなかサークルインできない。さらに前半34分にカウンターを受け、0-2で前半を終える。

 「後半に気持ちの切り替えができたのは大きい収穫」(小櫻光暁主将・商4=横田)と次第に調子が上がり、シュートも増え始める。後半15、18分にPCを獲得すると、中道俊介(法1=飯能南)、山本圭祐(法1=名古屋国際)がゴールへ。松尾賢治(政経3=岐阜総合学園)も2アシストの活躍で2-2と追い付く。ディフェンスでは前半同様に東農大のカウンターを受けたものの、堅い守備で無失点。そして後半28分、サークル内の混戦からフリーの小櫻に寄せて3-2と逆転する。さらに2分後は右サイドを駆け上がった岩井宏将(営1=岐阜総合学園)のパスを、安部雄貴(商2=横田)がきれいに合わせダメ押しの4点目。攻撃は最大の防御とばかりに攻め続けて勝利を引き寄せた。

 前半の立ち上がりの悪さを後半すぐに修正できたことからも、チームの成長ぶりがうかがえる。PCの精度も高く、フィールドゴールも期待できる。秋季リーグの目標は「全勝」(安部)。次の相手は早大、春季リーグでは完敗した相手だ。その相手とどう戦うかに真価が試される。

試合後のコメント
宮田監督

「今日は一番大事な試合。勝つと負けるとでは天と地の差があるので勝てて良かった。序盤にリードされたけど勝てると思ってた。向こうが後半足が止まると思ってたので、選手には気持ちで負けないように言っていた。前半は向こうのレフト攻撃から失点してしまった。崩されたわけではないだけにダメージは大きかった。でも4点取れたのは総得点に関わってくるから大きい。夏から小櫻をFWにして安部と大嶋を第一FW、松尾と山本を第二FWにして回すようにしている。前半はチャンスはつくれたんだけどなかなかシュートに持っていけなかった。1列目と2列目のつながりが悪く、途中から小櫻を2列目に下げた。本人には悪いけど、最終学年だしこちらの意図も分かってくれたと思う。最後は豪快なシュートも決めてくれたし。うちはフィジカルを維持すれば、技術とクレバーさはあるからどこにも負けない。前半が終わった後にもっとサークル内に入るように指示した。きれいにつなごうという意識が見えたので、もっと強引にでもサークルに入らないと何もできないから。PCも粘って得点できた。気持ちがつながったと思う。中道は春から使ってるけどまだ公式戦で得点がなかった。山本は成長してきた。体とスピードがあるし、前に出られる選手だから相手が疲れてきたときは期待感が大きい。夏合宿は3日間天理大にお世話になって、朝日大とかフィジカルの強いチームと試合をした。関西のスピードを体験したことが日頃の練習につながってる。立命館だって倒せるチームだと思う。次の早大はうちより人数が少ないので体力的にはうちの方が上。ただPCがうまいのでDFがローテーションでうまくしのいで、サークルに入られないようにすることが大事。そういう練習は夏の実戦でできている。あとは互いにカウンターが得意なので少ないチャンスをものにしていきたい。特にシュートとラストパスの精度。決めてくれという強い気持ちを込めてパスを出すようにしてほしい」

小池コーチ
「前半はうちの悪いところが出た。立ち上がりが悪くて、ディフェンスもふわふわしていた。相手のレフト攻撃に対するディフェンスが良くなかった。浮足立ったものだったのか、そこでの球さばきが高かった。結局は23ヤードからのサークルイン。サークルの中に球を入れるのは後半で修正したけど。天理で合宿をしてディフェンスをローテーションで行えるように特訓してきた。後半はディフェンスでも攻撃でも充実してた。最初からああいうゲームができればもっと楽になる。勝利できたのは全国4強の底力もあるし、夏合宿の成果でもある。夏合宿は天理大と実戦を積んだ。速い球出しで天理大のスピードに慣れる。ただ、前半はそういう部分が出せなかった。後半はうちのゲーム展開ができたけど、東農大をきれいに崩せてはなかった。まだまだもの足りないかな。次の相手は早稲田だけど、格上という気持ちはない。天理とも同等に戦えるチームになったし。予選リーグを全勝して決勝トーナメントに行く。で、勝って優勝を目指す。なにしろ今日は逆転して、そこを褒めたいと思う。秋季リーグを優勝して、インカレも最低でもベスト8、できれば優勝を狙いたい」

小櫻
「立ち上がりの悪さがずっと課題と言われていて、やはりこういうゲームになってしまった。練習の時から切り替えを早くしてきたつもりだったんですけど、やはり気持ちの問題ですかね。立ち上がりが悪いのはどうせ勝てるだろうとか、甘えがあるから。危機感がないっていうか。常に緊張感を持っていないと。でも最後まで諦めなかったことは一番良かったですね。変わったなと思うのは、去年は前半に負けてたら悪い方向に行く傾向があった。その点で言ってみれば、後半に気持ちの切り替えができたのは大きい収穫。誰もが諦めずにやれたのは良かった。夏合宿で天理大にいい試合ができたことが自信につながった。今日の反省点としては、普段の練習で切り替えを早くしろと言ってたんですけど、今日はうまくできなかったこと。前半はサークルインができず、前に行こうという気持ちが甘かった。とにかく立ち上がりが課題になってくると思う。春季リーグで点が取れないことを挙げていた。春に比べて秋は点が取れている。チームとして個々の気持ちが、技術うんぬんではなく、成長したと感じた。ただ、チームカラーはまだ見えてこない。まだ成長できると思っているので、ここで決めつけると満足してしまう。僕の中では終わりはまだ見えない。今日の前半の立ち上がりではやられるので、相手がおじけづくくらい前に前に。早稲田は格上だが、僕らには失うものは何もない。本当に勝つだけ。僕が明治を関東優勝へ導くので期待しててください」

安部
「前半は相手のペースで守る展開になってしまったけど、後半はサイド中心に組み立てて明治のペースに持ち込めた。前半終了後にみんなで落ち着いてサイドから攻めようと話し合い、それが点につながったと思う。リーグ初戦ということで1年生は慣れてないところがあって動きが硬かった。自分も最初はすごい緊張してしまったが、徐々に体が動くようになった。(ゴールの場面は)1年生が出したボールが良かったので自分は合わせるだけだった。FWとして初戦に得点できたことは自信になる。これからの試合でも決めていきたい。予選は全勝を目指してる。早大にもこの勢いで勝ちたい」